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異世界転生のキャラクリエイトを《おまかせ》にしたら幼女で最強で200歳で!?!?  作者: あすれみ
第2章 =グレイス王国と目覚めし巨竜=
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アスタルテの天敵





「やっと最下層まで来た…」

最下層の立札を確認したアスタルテから溜息が漏れる。




カンの森のダンジョンと比べてここは倍以上深かったのだ。

体力的な疲労はないものの、あと何階で最下層なのか分からない状態だと精神的に中々来るものがあった。

とはいえボス戦では万が一に備えて気合いを入れ直す。





「さて今回のボスはなんだろう?」

アスタルテが奥を凝視すると、なにやら黒い物体がとぐろを巻いていた。

「まさか…ヘビ…!?」

アスタルテの眼が輝く。

実は生前、割と爬虫類が好きだったのだ。

トカゲやワニのゴツゴツ鱗も好きだが、ヘビのしっとりひんやりボディは延々と触っていられるものだ(実際はストレスを与えてしまうので5分が打ち止めだが)。





とりあえず顔の前に行かなければ大丈夫だろう。

そう思ってアスタルテは駆け足で側面へと回る。

「お、おいアスタルテ…」

後ろでノレスが冷や汗を垂らしていたが、大丈夫と親指を立てる。

爬虫類はどちらかといえば嫌いな人が多い。

そこは感性の違いだから仕方がないのだ。





近くまで寄ると、その大きさがよく分かった。

とぐろを巻いている状態で高さ4メートルはあったのだ、全長だと何十メートルあるのだろうか…

「それでは少し失礼してっと…」

アスタルテは早速身体をさすってみた。





が、外皮が鉄のように硬く、鱗というよりは大きな外殻が重なっているような感じだった。

「なんだこれ…」

コンコンと叩くと、外殻の間から何かがニョキっと生えてきた。

「……ん?」





すると、瞬く間に次々とオレンジ色の牙のようなものが出現する。

やがて全て出現すると、それらが一斉にシャカシャカと動き出した!




「ここここ、これって…」

背筋がぞわりとし、全身に鳥肌が立つ。

やがてとぐろの中から顔が出てきた。

真っ赤な頭に生える触角、そしてギラリと光る巨大な顎はどう見てもヘビではなかった。





「ムカデだああああああ!!」

アスタルテは踵を返し、全力で来た道へと戻る。

「あ、アスタルテ!?そなたこれが好きではなかったのか!?」

走るアスタルテの横にノレスが来る。





「違うの!完全にヘビだと思ってた!あのでかさの虫は流石に無理!生理的に無理!!」

一つ前の階層に戻ろうとしたが、いつの間にか扉が閉まっていて戻れない。

「なんで扉閉まってんの!?」

「そりゃ、ここの守護者が出んようにじゃろ」

「なんでさっきは空いたの!?」

「そりゃ、冒険者が入るためじゃろ」

「なんでそんな冷静なの!?」





アスタルテは完全に取り乱していた。

流石にあのデカさでしゃかしゃか動いているのだ。

虫好きの人には申し訳ないがあれは気持ち悪すぎる…





「別に巨大なだけじゃろう?戦力はお主の4分の1もないぞ?」

「巨大なのが問題なの!ノレス、あれなんとかして!」

「別によいが…お主のレベル上げに来たのではないのか?我が倒しては意味がないぞ?」

「予定変更で!!あれは正直視界にも入れたくな─────」




言い終わらないうちにムカデの顔面が迫ってきた!





「うわあああああ!!」

反射的にアスタルテは目をつぶり、思いっきり右手を振りかぶる。

そして右手が着弾すると、一瞬でムカデが爆散した。





目を開けると、そこらじゅうにムカデの破片が散らばっておりアスタルテはその場にへたりと座り込む。

「やばかった…これ多分一ヶ月は夢に出るやつだ…」

「まさかお主がそれほど虫型の魔物が嫌いとはのう」

「ノレスはよく平然としていられるね…」

「我は自分より弱い者に恐れは抱かぬ、それに虫型なんて別に珍しいものでもないじゃろう」




(えぇ…珍しくないの…?もしかして普通にいるものなの…?)





アスタルテがゲンナリしていると、ノレスが声をかける。

「まぁ、もうヤツはいなくなったし大丈夫じゃろう?ここを出るとしよう」

「うん…」

アスタルテは立ち上がろうとするが、足に全く力が入らなかった。

まるで痛みはないのに足をつったような感じだ。





「ちょっと待って…」

「む、どうしたんじゃ?」

ノレスが不思議そうにこちらを見る。





「腰…抜けたかも…」















▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲













「なんで…こうなった…」

「仕方なかろう、歩けぬのだから」




アスタルテはノレスに抱えられていた。




─────いわゆる、お姫様抱っこというやつだ。





「なら別におんぶでも…」

「いざという時に羽が動かぬとダメじゃろう」

「いやでもこれ恥ずかしいんだけど…」

そういうと、ノレスがふむ、と考える素振りを見せる。





「……なら、抱っこに切り替えようではないか」

「このままでお願いします…」

流石に抱っこはまずい。

尋常じゃないほど恥ずかしいし、何よりも当たってしまう。

何がって?私には無い二つの大きなメロンが、だよ。



今でさえ目の前に歩くたびに揺れているのが映りこんできているのだ。

刺激が強すぎてまともに目も開けられない。

ノレスはノレスでなにやら上機嫌そうだし…




アスタルテは別のことを考えようと、自分に状態確認(ステータスチェック)をかける。




すると、レベルの上昇と共にステータスもかなり上がっていた。








○●○●○●○●○●○●○●○●







✩Lv - 17 -






✩ステータス




HP(体力) - 970 -


MP(魔力) - 890 -


STR(物理攻撃力) - 620 -


INT(魔法攻撃力) - 550 -


DEF(物理防御力) - 580 -


RES(魔法防御力) - 470 -


AGI(素早さ) - 340 -


LUK(運) - 51 -






○●○●○●○●○●○●○●○●






まだノレスに劣る部分は多いが、かなり戦えるようになってきたのではないだろうか。

アスタルテが成長を見て喜んでいると、突然地面が揺れ始める。





「じ、地震!?」

「いや、これは…なるほど」

ノレスが突然にやりと笑った。

「何やら面白そうな事になりそうじゃ」




そう言うとノレスは羽を広げ、アスタルテを抱えたままどこかへ飛び立つのであった。




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