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第35話 イベント告知

来月イベントあるよーって運営から告知。ルール説明。予選と本戦、別々の日にある。

イベント参加するかー?ってチームで集まってオンライン会議。

面白そうだから参加しようぜって満場一致で決定。

じゃあそれまでに弾をたっぷり集めとかないとな。全員出撃!

岩山地帯は名前的にはビュート、というらしい。


 運営からのお知らせ。

 来月20XX年、Y月Z日、以前より予告されておりました大型PvPイベントを開催いたします! 

最大参加チーム、20、最大人数100名による超大規模機甲戦争がついに開幕! 広大なフィールドで敵を狩り尽くして最期に勝ち残るのはどのチームだ!? 優勝者には豪華景品、参加者全員に記念装備をプレゼント!



勝利条件、最後まで生き残ったチームの勝利。

優勝報酬 チームメンバー全員にアクセス権1年分、報酬金10万円分のギフトカード、黄金のトロフィー(家具)、運営への要望(制限あり)

準優勝報酬 チームメンバー全員にアクセス権半年分、報酬金。銀のトロフィー(家具)

三位以下 なし。

予選含め、参加者全員に参加記念装備をプレゼント。


 イベント専用バトルフィールドを少しだけ公開!

(砂漠に飲み込まれ、捨てられた街。岸に豊かな緑が生い茂り、中央に石の橋がかかる広大なオアシス。空へ伸びるような巨大な岩柱の数々。錆びたガスタンクと配管の入り組んだ廃工場地帯。激しい砂嵐の中に立つ機体。5つの風景写真が掲載されている)


 公式HPで、以前から準備されていた大規模イベントの告知がようやく行われた。アリンコ相手に大立ち回りの前回のイベントもなかなか楽しかったけど、やっぱりパイルは大量の敵を相手に使うものじゃなく。一人ずつ丁寧に突き殺すのに使うべきものだ。だから、今回のPvPイベントはとても楽しみ。

 きっと他のメンバーも、武器は違えど思うことは同じだろう。アリよりは中身入りの機兵をぶち殺したいと思っているに違いなしと思って、ログインしてチームメンバーを待つ。今日は仕事で疲れているから出撃はしない。


 チームロビーのボロボロのソファに座り、ブラウザを開いて、ゲーム外サービスの電子書籍を読み、漫画を一冊読み終えたころに扉がギシリと音を立てて開いた。最初に入ってきたのは白髪の老兵。のアバター。ボンバーマン。


「いらっしゃい。今日はどのようなご用件で」


 本を閉じるような動作でブラウザを閉じ、顔をボンバーマンの方へ向ける。相変わらず、使う武器に似合わない渋いアバターだ。


「言わなくてもわかってるだろう。アレだよ、アレ」


 彼もまた疲れているのか。どさ、とソファに身を投げるように座り込んで、天井を見上げる。


「知ってた。他のメンバーは今日は来るのかな」

「来るんじゃないか、今までの経験からして」


 今の時間は現実時間で20時。夕飯を終えて、風呂を済ませているくらいの時間かな。一時間くらい待てばみんな入ってくるだろうか。それまでは本でも読んでおこう、自分仕事以外だとコミュ障なんで。


「あとの連中が来るまで面白い話でもしてくれ。寝ちまいそうだ」


 コミュ障になんとハードルの高い要求をしてくれるのでしょうか、この人は。


「そんな急にふられても」

「なにかあるだろー。ナメクジくんとの関係の進展とかさあ」

「そんなものはない」

「えーないのー?」

「ないったらない。あってもまずいだろ」

「まあいんじゃないか。愛に年齢は関係ないし」

「そうでもないと思うぞ。恋愛抜きで、あいつとはただの仲のいい友達だよ」


 あっちもそう思ってくれていると私は嬉しい。嫌いな相手と一緒に飯を食ったりはしないだろうし、たぶんそう思ってくれてるだろうな。


「YOU,ヤッちゃいなYO!」

「ゲームどころじゃなくなるんでNGだYO」

「股間のパイルは飾りかYO」

「いい加減にしないとまずおめーの尻をガバガバにするぞ」

「やめてくれ。私にその趣味はない……! 君が男の娘ならアリだが……!」

「そろそろセクハラで通報してもいいですかね」

「すまんな。寝不足と疲労と酒でテンションがおかしくなってるんだ。許せ」

「許す。ただし次はない」

 

 心が広いと一部で有名なアヌスレイヤーさんです。

 あと酒を飲んでVRはやめようね。酔いがひどくなってリアルがゲロまみれになるよ。あと戦闘中に寝落ちとかバイタル不調で落ちたりとかはかんべんな。


「感謝感謝。ついでにあと一つだけ。リーダーにナメクジくんと遊ぶことをアレコレ言われても気にするな。あんなのただのコミュニケーションさ」

「ああ、やましいことはないからな……向こうもわかってくれるはず。おや、噂をすれば。誰か来るぞ」


 ピコン、とチームメンバーのログインを知らせるアイコンが点灯する。顔を向ければ、リーダーとナメクジくん、それからガンナーが順番に。


「思ったとおり、全員集まったな」

「イベントの告知があればいつもこうでしょう。リーダー」

「みんなゲーム好きだからな」

「じゃあ今日の要件を発表する。今回のイベントに参加したいか否か。参加を希望するやつは挙手」


 そして一斉に上がる手。満場一致で参加が決定しました、知ってた。


「よし。じゃあみんな、予選と本戦の日はちゃんと休みをとって、その前日はきっちり飯食って風呂入って寝ておけよ。やるからにはベストを尽くす」

「おっけー」

「あわよくば優勝したいもんだな。10万は大きい」

「で、今日はどうすんだ?」

「俺は今日は読書な気分。悪いな」

「俺も疲れててなぁ。このまま自由行動ってことには?」

「構わんぞ。じゃあ解散、また来週!」


 ということで。また来週に決定しました。リーダー、ナメクジくん、ガンナーは出撃。ボンバーマンはログアウト。彼らを見送ったら自分はのんびり読書と洒落込む。

 今日読むのはバトルアクション系の小説。ガラの悪い大男が如意棒的な伸び縮自在の武器をぶん回して暴れて、その師匠を貧乳と詰ってはボコボコにされるシーンで毎回笑ってしまう。


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― 新着の感想 ―
[良い点] 会話の流れセリフが面白いです ご自身の作品の二次創作としてもとても面白いです 社会人生活描写もリアルでいいです [一言] >許す。ただし次はない もしかして、空白日記をお読みでした?
[一言] わかってしまった自分は立派ななろう(ノクタ)読者ですかね、、、
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