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魔王城で生まれた人は  作者: シグマ
魔王城で生まれた子供。
2/16

魔王城の新たな命。

他でシグマの作品を知っている人はネタバレになるので注意!


 本来なら[人]は既に死んでいた。


 それでも今は13歳になり、魔王城で暮らしている。


 何が[人]に起こって死なずに生き残り、魔王城に住むことになったのか説明することにしよう。


■■■


 かつて[人]の母親はAランクの冒険者をしていたそうだ。


 その時はまだ本人も気付いていないぐらいに、[人]という命が宿ったばかりだった。

 なので、普通に魔王城での闘いに参戦したのだろう。


 しかし善戦も虚しく、魔王に刃を届かせる前に敗れて死んでしまったそうだ。


 それ自体は別に何も珍しいことでもない。


 だがそこには[人]という命がまだ生き残っていたのだ。


 それに気付いた魔王は何を思ったのか、そのまま放っておけば今すぐにでも死んでしまう[人]の命を助けた。


 それが本当はどういう理由だったからなのかは、教えてくれないので知るよしもない。


 だが[人]はどんな理由であろうと魔王様には感謝しかない。


■■■


 確かに[人]は自分の親を殺されたので、魔王が仇ということになるが、それは冒険者と魔王という立場の上での宿命で仕方ないことだ。

 魔王が自分を殺しに来た冒険者を殺さずに助けろという方がおかしいな話だろう。


 それでももし[人]が普通に生まれいて、その上で自分の親が魔王に殺されたのであれば、恨んでいたとは思う。


 だが[人]は物心つく前から、魔物達に囲まれて育ってきた。


 そして日々、命の取り合いをして冒険者達に傷つけられた魔物達が魔王城に帰ってくるのをみているので、魔物をまたは人を殺そうとする者は自らも殺される覚悟があって然るべきだと思うようになっていた。


 だから魔王様から、[人]の出生に関わる真実を打ち明けられた時も別に怒りなどの感情などわかなかった。


 それよりも魔物達に混ざって、魔物の[人]として成長してきたので、[人]があの嫌いな冒険者と同じ真人族だったということに驚いたぐらいである。


 だから魔王様が[人]に、今後どうしたいか聞かれた時も、『このまま魔王城を守る魔物の[人]として生きていく』と即答した。


 もしかするとどこかに、[人]の父親が生きているかもしれないし、その時に殺された冒険者の中にいたのかもしれない。

 だがそんな知らない人の事など、考えるだけ無駄だし、[人]が魔物で無い生活をするイメージは湧かない。


 むしろ[人]にとってはゴブリンやスライムに囲まれているのかま当たり前で、メイドのサキュバスにイタズラをされたりドラゴンの背中で昼寝をするのが日課だ。


 今さら普通の人間に混ざって生活したいなんて、これっぽっちも思わない。


 魔王城が[人]の家なのだから。


■■■


 ということでこれが[人]が生き残って、魔王城に住んでいる理由だ。


この時はまだ置かれている状況、そして環境が如何に普通では無いのか、[人]には良く分かっていなかった。

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