表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
友情の証  作者: 青木ユイ
2/10

第2話 美紀

「美紀、なんで見捨てるのよ」

 クラスの女子がそう言った。

 私のチームに入ってる。

 もういいよ。

 私一人でいいから。

 ほんっとにいらないんだけど。

 でも、そんなこと言っても面倒になるだけだから言わないけど。

 余計にこんがらがっちゃうじゃん。

 そういうの、本当に嫌なんだよね。

「別に」

 美紀の声が聞こえた。

 さっきの女子の問いかけに対しての答えだろう。

 私のこと、嫌いになったのかな?

 別にいいけど。

 私そういうの気にしないし。

 あー、面倒くさい。

 私はさっきの女子に加わって、女子たちがぎゃあぎゃあ言い合ってるのを遠目に見ていた。

 そういうのに参加するほど、私はバカじゃない。

 すると、美紀が私を睨んでいた。

 多分、お前が起こした事件をお前が見物ケンブツすんなよってとこかな。

 別に何も言わないけど。

 いちいちそんなこと言ってもまた面倒なことになるだけじゃん。

 そういうのほんとにいらないから。

 すると、さっきの女子たちが「ちょっと来て」って言ってきたから、私は女子の群れに加わった。

 ここで無視すると、またまた面倒なことになる。

 面倒なことは嫌いだ。

 だから、素直に言うことを聞いておく。


「美紀最低じゃん! こっちにはひめちゃんもいるんだからねっ!」

 ひめっていうのは私の名前。

 美紀はまた私を睨みつけながら、「あっそ」と、吐き捨てるように言った。

 美紀、やっぱり私のこと嫌いになったのかな?

 プリンくらいで大げさすぎるよ。

 てか、もう先生来てるんだけど。

 1時間目開始のチャイムなんて、もうとっくに鳴ってるのに、みんなまだプリンのことなんかで言い争ってる。

 先生もあきれてるし。

 注意してくれればいいのに。

 役立たずな先生だなぁ。

 まったくもう!

 私は心の中で叫びながら、同時に女子と一緒にぎゃあぎゃあ言ってるフリ・・もしていた。

こういうとき、私って器用だよね。


「美紀、ほんとに最低! 実留なんかの言葉信じるなんてっ!」


実留は嫌われ者だった。

なのに、美紀が実留を信じた理由が分かんない。

私は、ただただ疑問だった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ