第5話:浮遊するランドセルと、お嬢様の「わがまま」
給食センターを牛耳り、選挙に勝利した蓮。
しかし、九条財閥の裏で動く謎の組織が牙を剥きます。
進化した「ランドセル・マークII」の威力にご注目ください!
「……零。お前、僕の『重い』という苦情をどう解釈したんだ?」
放課後の株式会社ワガママ本部(いつもの公園の砂場)。
俺の前には、怪しく光る四つの大型プロペラが装着された、異形の『ランドセル・マークII』が鎮座していた。
「社長……『重いなら、浮かせればいい』。これが僕の導き出した最適解だよ」
モニター越しの零が、クマのひどい顔でドヤ顔を決める。
俺がスイッチを入れた瞬間、「ゴォォォォォォォ!!」と凄まじい爆音と排気が吹き荒れた。ランドセルが俺の背中で浮き上がり、もはや一人乗りのヘリコプターのような状態だ。
「これ、排気が熱すぎて僕の後頭部がチャーシューになるだろ! あと風圧で砂場が消し飛んでるぞ!」
「我慢してよ社長。その排気熱を利用して、登校中にレトルトカレーを温める機能も付けたから」
「……お前、天才を通り越してただのバカだろ」
そこへ、縦ロールを激しく揺らした九条院が、黒塗りの車から降りてきた。
「一条さん! 一体何ですの、その騒音と熱風は! ……というか、ランドセルが浮いてますわよ!?」
「ふん、院か。これは僕の知性が重すぎて、重力を超えた結果だ。気にするな」
「嘘をおっしゃい! 完全にプロペラが回ってますわ!」
院がいつものように説教を始めようとしたその時、彼女のスマホに緊急の連絡が入る。顔色を変える院。
「……父の管理する給食センターが、何者かに占拠された……!? 給食に『特殊な薬品』を混ぜて、市民全員を操り人形にする計画が動き出した……ですって!?」
「……薬品? 操り人形?」
俺の目が、王子の鋭さに変わった。
図書館で暗記した『化学薬品の禁忌リスト』。そして毒島が持っていた資料の『蛇の紋章』が脳内でリンクする。
「院、お前の父親も奴らに利用されているだけだ。……零、毒島! 準備しろ。これより、給食センターへ『強制買収(殴り込み)』をかける!」
「ええっ!? 占拠してるのは武装したプロの集団ですよ!?」と叫ぶ毒島。
「ふん。武装? こっちには『浮遊するランドセル(排気温度二百度)』がある。……院、お前も来い。お前の家の不始末は、お前自身のわがままで落とし前をつけろ!」
「……わたくしの、わがまま……。いいでしょう! 揚げパンの平和を守るため、やってやりますわ!」
こうして、十歳の少年、お嬢様、そして怯える奴隷を乗せた「浮遊ランドセル」が、夕闇の空へと飛び立った。
第5話、ついに物語がアクションへと発展しました!
排気熱でカレーを温める機能を、蓮がどう戦闘に活かすのか(?)
次回、「第6話:爆風の共闘 〜最強の二人(と奴隷)〜」。
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