『【完全記憶】の転生王子、10歳で天下を獲る 〜知識こそが現代の魔法だ〜』
初めまして!
異世界のわがまま王子が、現代日本で「知識」を武器に無双する物語です。
「なろう」の頂点を目指して全力で執筆しますので、応援よろしくお願いします!
「……毒か。よほど、僕のことが怖かったと見える」
薄れゆく意識の中、俺――エドワード・フォン・ルミナスは、不敵に笑った。
かつて「暴君」と呼ばれ、異世界の半分をその手に収めた王。俺を裏切り、ワインに猛毒を仕込んだ側近の顔は恐怖で引き攣っていた。
ああ、いいだろう。
この退屈な世界にも飽きていたところだ。
だが、覚えておけ。俺の『わがまま』は、死ですら縛ることはできない。
次に目を開けた時、俺を待っていたのは「地獄の業火」ではなく――白い天井だった。
「蓮! 蓮、わかる!? お母さんよ!」
……騒々しい女だ。
視界に飛び込んできたのは、涙で顔をぐしゃぐしゃにした見知らぬ女。
俺は体を動かそうとして、その異変に気づいた。
軽い。そして、短い。
視界に入った自分の手は、異様に小さく、白く、柔らかかった。
「……ここは、どこだ? 魔法は……どうなった」
声を出そうとして絶句した。
喉から漏れたのは、鈴を転がすような、あまりにも幼い少年の声だった。
「蓮、しゃべっちゃダメよ! あなた、階段から落ちて意識不明だったんだから……!」
その後の数日間で、俺は現状を理解した。
ここは『日本』という国。
俺は『一条蓮』という名の十歳の少年として、新たな生を受けたらしい。
そしてこの世界には、空を飛ぶ魔法も、地を割る剣技も、何一つとして存在しなかった。
「……ふん。魔法が使えない、か。とんだ欠陥世界だな」
退院した俺は、真っ先に近所の『図書館』へと向かった。
この世界の理を理解しなければ、再び天下を獲ることは叶わないからだ。
「おい、そこにある『六法全書』と『経済学入門』をすべて貸し出せ」
「えっ、あ、ぼ、僕……それは子供には難しいんじゃ……」
受付の司書が困惑した顔をする。
俺は構わず、書架に並んだ本を一冊ずつ、猛烈なスピードでめくり始めた。
その瞬間。
俺の脳内に、奇妙な感覚が走った。
(……これは、なんだ?)
一度目を通したページの内容が、文字のカスレ、紙の質感にいたるまで、脳内の『ライブラリ』に鮮明に焼き付いていく。
異世界では魔法理論を覚えるのに重宝した俺の記憶力が、この世界に来て異常なまでに尖鋭化していた。
本を一冊めくるたびに、俺の知能が跳ね上がっていく。
一時間で民法を掌握した。
二時間でマクロ経済学の基礎を解体した。
三時間で世界の歴史という名の愚かな記録を全て保存した。
「……ははは! 面白い、面白いぞ!」
図書館の隅で、俺は一人、静かに笑い声を漏らした。
魔法? そんなものは必要ない。
この世界には、法律という名の呪文があり、資本という名の魔力がある。
そして何より、俺にはこの【完全記憶】がある。
「見ていろ。僕の『わがまま』を叶えられない世界なんて、存在する価値がない」
俺はランドセルを背負い直し、図書館を後にした。
十歳の少年の皮を被った「暴君」が、現代社会という戦場へ最初の一歩を記した瞬間だった。
第1話をお読みいただきありがとうございます!
転生した蓮が、最初に出会う「家臣」は誰か……?
次回、「第2話:株式会社ワガママ爆誕」。お楽しみに!
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