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詩小説~秘密の花園  作者: ルビリンス


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昏睡の森

挿絵(By みてみん)


昏睡の森で彼は夢を見ていた


病室の天井を突き抜け

雲湧く青空を突き抜け

暗い宇宙へと放り出されてから

どれだけ闇を漂い続けたのだろう


宇宙は人の形をしている

漂いながら

そんなことを想った

ならば

人間の中に宇宙が存在するのか


細胞の最極小の中を潜りゆけば

メビウスの輪のように

最極大の宇宙へとつながっている

かもしれない


そんなことを妄想して

宇宙の暗闇で微笑した


動かない身体をベッドに預けて

思考体だけになった彼は

小暗い森のような空間を

ひたすら彷徨(さまよ)った


銀色の茎をもつ青い光の蕾が

あちらこちらで点滅し

触れるたびに

偲び泣くような音階が奏でられた


あるとき花が開いて

花床(かしょう)から声がした


「どんな夢を見ているの」

懐かしい声だった


彼は自分の指先を意識した


「少し動いた気がする」

花の中の声が歓喜した


彼は少しほほ笑んで力を抜いた



「また来るね」

そう言って

青い花が閉じると

彼はまた蒼い森で

ひとりになった


昏睡の森は

今日も暗くて静かだ


この森の夜が

いつ明けるのかは

誰も知らない

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