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詩小説~秘密の花園  作者: ルビリンス


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2/7

鉄の橋の向こう

挿絵(By みてみん)


赤茶けた鉄の欄干の根元に

大雨を凌ぎ切った雑草が揺れていた


一人しか通れない狭い橋の下を

キャラメル色の水が流れている

台風が過ぎ去った後の前線が

この土地にたたきつけた雨の量が

尋常でなかったことがうかがえる


橋の上から眺めると

泥を掃き出した家があり

強雨に倒れた野菜の畑があり


遠いむかしに迷い込んだ

あの場所に似ている気もしたけれど

そうであってほしくない思いもあり

橋を渡り切らずに

引き返した


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


川が干上がった荒れ地には

雑草ばかりが茂っていた

軒下に雨ざらしの洗濯機が錆びていて

小さな畑には萎びた野菜が育っていて


首輪のない犬がやって来て

ついて行った先はどこかの縁側で

暗がりに小さな老女が座っていた


こっちへおいでと手招きするので

靴をぬいで座敷に上がる


「どこから来たの?迷子かね?」


老女はしわくちゃの紙を広げて

帰り道の地図を書いてくれた


「早くおうちに帰りなさい」

そう言って

わたしが帰るべき方向を指さした


老女と犬に見送られて

あちらとこちらを分かつ鉄の橋を渡った


淡金色(あわがねいろ)の太陽が沈みかけていて

雲がラベンダー色に染まっていた


雑草が茂るばかりのあの場所に

ときどき無性に帰りたくなる

空の色は少し恐ろしかったけれど

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