【カッパさん】
どうも藤井雪彦{べこ丸}で御座います。
ではお楽しみ下さいませ。
〜カッパさん〜
野原建設の一人娘、野原さくらはとある森を落ち込みながら一人で散歩していました。
「あ〜あ〜、もうすぐこの豊かな森がお父ちゃんたちの手でゴルフ場に変わってしまう…」
昨日の大雨で地面がぬかるんで、支えきれなくなった大木が、さくらの頭上に落ちてきました。
「キャー!!」
さくらはびっくりして、しゃがんで目を閉じました。
「どすこいっ!!」
「……ぇ……!?」
さくらがそおっと恐る恐る目を開けると、頭にお皿の付いた緑色の不思議な生き物が、大木を片手で支え立っていました。
緑色の生き物は「僕はカッパだよっ。もう大丈夫だよっ。怪我はなかったかな?」と言いました。
カッパさんは大木を勢い良くそこら辺に放たりました。
さくらは「カッパさん、あなたは私の命の恩人です。ありがとうございます。実は……この森は……」と言いました。
カッパさんは「知ってるよ。君のお父さんたちの手でゴルフ場に変わってしまうんだろう。悲しいことだね。人間たちは自分たちの利益しか考えずに豊かな森林を伐採し森林で平和に暮らす鳥さんや獣さん、お花さんや昆虫さんたちの居場所を平然と奪う」と言いました。
さくらは「私はこれからいったいどうすればいいんですか?私はとにかく恩返しをカッパさんにしたいです」とカッパさんに質問しました。
カッパさんは「もし君がどうしても恩を返したいと言うのなら、君がお姉さんになってもお母さんになってもおばあちゃんになっても大自然を愛する心を持ち続けたら、それだけでいいよ。じゃあね!!」と言い残すと、すぐ近くの湖に入りそれっきり姿が見えなくなりました。
「私……忘れない……今日のこと一生忘れない……」
そして成長した野原さくらは両親の猛反対を押し切って大自然環境保護団体に参加し、大自然をこよなく愛する男性と結ばれ、子供を沢山授かり、一生涯幸せに暮らしたのでした。
めでたしめでたし♡
チャンチャンバンバカバン!!♡
〜fin〜
御愛読誠に感謝申し上げます。
ではさようなら。