魔法の属性について
メグルが魔法塾に通い始めて二日目。
メグルは塾の教室で、ブーリアンの授業を受けていた。
「今日の授業は“魔法の属性”についてだ」
ブーリアンが話を始める。
「まずは復習から始めよう。すべての属性を答えられる子はいるかな?」
塾生たちが、元気よく手を挙げる。
ただ一人、メグルを除いては。
「はい。ではメグル君、答えは?」
ブーリアンが視線をそらしていたメグルを指名する。
「えーと……、木、火、土、金、水ですか?」
「残念、違います。――次、シリラさん」
ブーリアンが銀髪の少女に視線を向ける。
「まずは青。それから赤と白」
少し考えてから、「そして緑です」
「正解! ちゃんと復習しているようだね」
ブーリアンは満足げにうなずいた。
「ここからは、新しい内容だ。各属性の“役割”について説明するぞ」
「まずは青。これは君たちにすでに教えているものだ」
「打消し魔法!」
塾生たちが一斉に声を上げる。
「その通り。先生の得意技でもある“打消し魔法”が、青属性の代表的な呪文だ。
その他にはテレパシーなど“精神”に関わる魔法も青属性に含まれる。翻訳魔法も該当するぞ」
「総じて、魔力や精神そのものに干渉するのが青属性の特徴だ。
その反面、直接的な攻撃手段がないのもまた特徴だな」
ブーリアンがどことなく上機嫌に見えた。
自分の専門分野だからだろう。メグルはそう感じた。
「次は“赤属性”。この属性は炎や雷を発生させ、相手を攻撃するのが得意だ」
「“白属性”は防御魔法――光の壁を作ったりするのが有名だな――や身体強化を得意とする」
「“緑属性”は自然に作用する属性で、動植物を強化したり、使役することに長けている」
ブーリアンが一通りすべての属性を説明し終えたそのとき。
一人の少年が、おずおずと手を挙げる。
「どうした。ネグラ?」
ブーリアンが促す。
「先生が話していない、“黒”って属性があるのは本当ですか?」
「……本当だよ」
ブーリアンの声が少し低くなる。
「“黒属性”は戦いに特化した属性で、命そのものを奪うことに焦点を当てている。
今となっては《魔法使い反戦協定》によって、黒属性そのものが禁じられている」
一呼吸おいて、ブーリアンが尋ねる。
「それはそうと、君はどこでそれを知ったんだい?」
「先生から借りた本からです」
「貸したのは子供用の入門書だったはずだ。そこには黒魔法のことは書いてなかったと思うが……?」
「入門書じゃなくて、一緒に借りた辞書に書いてありました」
「……そっちはノーマークだった」




