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風景から魔力を  作者: hato-ryuji
港街編
14/52

潮の香

 村から旅立って五日後、メグルとエデューはイナーボー地方に来ていた。

 イナーボー地方は、この国の最東端で、海に面している。


 メグルたちのいる地点と海の間には高台があり、現在地からは海を望むことはできない。


 だけど、風に乗る潮の香が、海がすぐそばにあることを伝えていた。


「ここからでも、潮の香がしますね」


 メグルがエデューに話しかける。


「そうだな。ここの高台を超えれば、港町はすぐそこだ」


 二人は高台の頂上にたどり着いた。


 眼下には港町が広がっている。


「港町南東に、真っ白な灯台が見えるか。港町の南東に位置する岬に建っている灯台だ」


 エデューが指さしながら告げる。


 メグルがうなずくと、エデューは続けた。


「あそこに私の弟子だったブーリアンが住んでいる」


「確か、おれの部屋を以前使っていた人ですよね。今は灯台守なんですか?」


「本職ではないのだが、海が一望できる場所に住みたいとの理由で、敷地内に家を建てさせてもらったらしい。

 本来の灯台守が動けないときは、代わりに仕事するときもあるようだ」


 エデューは説明を続ける。


 ブーリアンは三年前から、地元の子供たちに魔法塾を開いている。

 塾の設備は灯台付近に新しく建築したらしい。


 本来の灯台守が許しているのか、そんな疑問をメグルは持った。


 エデューに質問すると、灯台守とは幼少期からの友人で、魔法塾も灯台守のアイデアから始まったとエデューは答えた。


 そして、その魔法塾でメグルを訓練させる計画だと告げる。


「その話って、ブーリアンさんには伝えているんですか」


「多分大丈夫だろう。あいつも私の弟子だから、言うこと聞いてくれるだろ」


 メグルはこれといった反論はせず、話を終わらせた。


 多分、文句を言うが、なんやかんやで兄弟子は受け入れてくれるだろう。

 そう期待した。

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