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風景から魔力を  作者: hato-ryuji
農村編
13/52

まだ正式ではないとのこと

 休日のある日、メグルとエデューはエデュー宅の書斎にいた。


 エデューが話を切り出す。


「正式に魔法使いになりたいと思わないか」


「正式?」


 メグルが聞き返す。


「魔法使いにも正式な奴とそうじゃない奴がいるんですか?」


「いるぞ」


「――となると」


 メグルは自分を指さして、


「おれはモグリの状態ですか」


「グレーゾーンだ。弟子として正式な魔法使いの目が届くところで魔法を使う分には違法ではない。

 魔法使いとして認められるためには、魔術師協会で登録する必要がある」


「魔術師協会があるのがこの国の首都だ」


 エデューは本棚から地図を取り出した。


 地図を机に広げ、中央に位置する、四方八方へ道路が伸びた大きな街を指さして言う。


「ここが首都だ」


 そして、南方の農村が点在するエリアから、赤い丸が書きこまれた場所を指さす。


「ここがこの村だ」


 首都と今いる村の間に、バツ印が記載されている箇所がある。


「師匠、ここは埋蔵金か何かですか」


 メグルがバツ印を指し示しながら質問する。


「そこは戦場の跡地だ。七年前に停戦し、それから今日まで魔法使い間での戦いは発生していない。……まぁ、表面上はな」


「よかった……。こっちに来たのが戦時中じゃなくて」


「それはそれとして、首都にはもう一つある。国立図書館と魔術師協会に所属している研究者達だ」


「お前さんが元の世界に戻る方法を探るなら、この辺の協力が必要になるだろう」


「この世界で残る。元の世界に戻る。どちらにしても首都に行く必要があるってことですね」


「そういうことだ。魔術師協会での登録には、色々な魔法を身に着けてもらう必要があるが、旅の最中にでも覚えてもらうさ。先生役にはいくつか候補がある」


***


 メグルを首都につれていくと決めた次の日から、二人は旅の準備を開始した。


 初めに手を付けたのは足の確保だ。


 馬売りを訪ね、馬小屋の中から旅の相棒となる馬を選び出す。


 メグルは栗毛の牡馬、エデューは黒鹿毛の牝馬を選んだ。


 糧食として、市場から買い込んでいく。


 メグルの使用する用具の一部は、アプレンが残していたものを利用することにした。


***


 出発の日になった。


 二頭の馬と、それにまたがる二人。


 それを見送る人々は、見送りの言葉を贈る。


「故郷に帰れる方法が分かるといいな」


「駄目だったらいつでも、この村に戻って来いよ」


「行ってきます」


 手を振りながらメグルが応える。


 メグルとエデューは馬に拍車をかけ、旅路を駆けていった。

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