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救出活動


 ロエテムを先頭に駆け足で進軍していく。

 遭遇する度にロエテムがマッチョポージングを決めて幽霊爆散していくから、お陰さまでドルチェットもノクターンも魔力を温存できていて凄く助かっている。

 それにゴーストの方も気持ちよく消えているみたいで、こちらとしても罪悪感がない。

 消え方が悲鳴とかではなく、「あふン…」みたいな気の抜ける感じのだ。きっとファブリーズ除霊に似ているんだろう。


 それにしても、と、俺は先頭でマッスルポーズでゴーストを霧散しているロエテムを見た。

 何処で覚えたんだろう?それ。

 この世界でもボディービルダーがあるとは思えないし、あるとするならばきっと俺の記憶を見たマーリンガンが面白がってロエテムに覚えさせたんだろう。

 誰得?


「次は右です!」


 ジルハの案内のもと角を曲がると、そこには大量のゴーストに襲われている冒険者達を発見した。

 まだ生きている。ただし、あまりの寒さに声も出せない様子だ。


「ロエテム!!ゴォォォー!!!!!」


 俺の合図と同時にロエテムを先頭に炎剣を振りかぶったドルチェットと光音叉を持った俺がゴーストへと突撃し、ノクターンが光の玉で援護をする。

 するとこちらに気付いたゴーストが一斉に逃げ出した。

 早かったな。

 ゴーストの間でロエテムの話が広まっているんだろうか。


「大丈夫ですか!?今温めます!」


 クレイが冒険者に駆け寄り声を掛けて初めて、冒険者達は俺達に気付いたみたいだった。

 頬まで凍り付いているのに、ホッとした表情を浮かべる。


「あ…ああ…。助かった…ありがとう…」

「とりあえず一旦温めよう。ノクターン、頼む」

「はい…」


 ノクターンの防寒の魔法で体温を戻してやると、ようやくきちんと呼吸が出来るようになったらしい。

 だけど、これだけではまたゴーストに囲まれてしまう。

 あ、と思い、俺は鞄を探った。

 取り出したのはグラーイを彫り出したときに余った木片。その内の長さのあるものを三つほど取り出した。


「ドルチェット、ちょっと炎ちょうだい」

「ん?いーぞ」


 剣の炎を木片に移して、それを顔色の良くなった冒険者へと手渡した。


「これがどのくらいゴーストに効くか分からないけど、無いよりはましだと思うから」

「…ああ、ありがとう…」

「そうか…確かに火は有効だったな…」

「忘れてたよな…、迷宮は明るいし…」


 そういえば確かに迷宮は明るかったし、火を使う場面があまり無い。

 というか推奨されてない。事故が起こると怖いからだ。

 だから、ご飯を温める事もないし、お湯を作るのだってそれ専用の魔法や魔法陣がある。

 だけど今回は緊急事態だ。

 三つほど炎を灯して渡しておいた。

 スキルで出した炎だ。普通の炎よりも消えにくいと思う。




 此処に居てもきっと事態は悪化する一方なので、彼らは地上へと逃げるらしい。ついでに同じように生きているパーティーを広いながら炎を大きくしていく計画を立てているらしい。

 炎を大きくするのはいいけど、火事にならないかだけ心配。


「この方向はますますゴーストが酷くなるから、逃げるんだったら反対側に逃げた方がいいよ」

「本当に逃げないのか?まじでゴーストヤバイんだぞ」


 本気で心配していくれている。

 どうやって言えば良いのかと思っていると、クレイが代わってくれた。


「オレ達は他にも襲われている人達を助けに行きます。手段のある人の務めですから」


 わあー、スッゴい格好いいこと言ってるー。

 何処からそんな言葉が沸いてくるんだと感心していたら、俺達に避難を促していたパーティーリーダーらしき人が、ふ…、と笑った。


「わかった。確かにそりゃそうだ。強きものは弱気ものを助ける。当たり前の事だ。よっしゃ!こっちも避難がてら頑張ってゴーストを追い払ってやるさ!」

「ああ、そっちは頼んだ」

「お前らも気を付けろな」


 そういう感じで互いの無事と健闘を祈りつつ、俺達は別れた。


 こういう交流はやっぱり良いなと思う。

 タイムリミットがなければの話だけど。


 カウントを見てみると、もう残り半分になっていた。

 ボスの場所もあと少しなのだが、果たしてちゃんと着けるのだろうか?


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