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まさかのタイミング

「……どうしよう……俺だけワープしちゃった。しかも……」


 地図の現在地が訳のわからないところに表記されている。

 そこは何処か?地図の端だ。日本地図の収まりきらないからって無理やり詰め込んだみたいな配置で、更に辺りには道も何もない。

 つまりは完全に予想外のところに出てしまったらしい。

 俺は盛大に頭を抱えた。


「あああああぁぁぁぁ………やっちまったぁぁぁ………」


 まさか関係ない魔法陣も起動するなんて思わなかった。

 いや、思うわけ無いじゃんよ。地図に書いてないもん。

 絶望しながら俺は力無く仰向けになり、ついでに足もバタバタしてみた。

 こんなことやったって状況は変わらないが、衝動のままに暴れたお陰で少しだけ頭が冷めた。

 少し考えれば解ることだ。


「……いや、ゲームじゃないもんな!それぐらい考えておくべきだったな!」


 ゲームでも隠された罠とか、部屋とかあるじゃん。ブリオンにもあったし、むしろそれを見つけることが目的になってたりしたじゃん。

 マーリンガンは悪くない。正しい道の情報はちゃんと記載してくれてた。

 ただ、今回の事は完全に予想外だった。


「よし、切り替え完了。よっと!」


 立ち上がり状況を冷静に整理する。

 ワープしたとはいえ、同じ迷宮内。スキルを封印されている訳でもない。なんだったら、俺よりもみんなの方がパニックになっていることだろう。


 何故ならば、迷宮唯一の地図を迷子の俺が持っているからである。


 迷子の俺が地図を持っててどうする。

 なんの活用もできない。

 こうなるならずっとクレイに渡しておくんだったなぁと思いもしたが。


「まー、今さらか」


 後悔したところで迷子なのは変わらない。

 ここは意識を切り替えて戻るしか無いだろう。こう見えてもみんなよりは迷宮の経験値はあるんだ。

 そうと決まれば即行動。


「さーて、みんなの位置はー……と」


 俺はとあるスキルを発動させてみた。

 ブリオンで使っていた仲間の位置を知らせる“パーティーマーカー”。ブリオンでは基本スキルとして全員持っていたスキルだけど、はたして此処でも使えるのか。

 ピーンと弦が張るような音をさせて斜め上の方に赤紫色の点が浮かび上がった。


「出来た……けど、遠いーなー」


 しかも色が赤紫だとすると50キロ以上先の地点という意味になる。

 しかも斜め上ってことは俺は今下層に居るらしい。

 せめて同じ階層ならよかったのに。階段なのかスロープなのかは知らないけれど、余計な時間が掛かる。

 せめて連絡手段があればよかったんどけど。

 ブリオンではパーティー同士で連絡ができるのだが、試してみたけどできる気配がなかった。

 できるスキルとできないスキルの違いが解らない。


 鞄に突っ込んでいた携帯食糧を食べながら地図をもう一度確認する。

 地図のはしっこにマークが留まっているのを見て、思った。これ移動すればこれも何か変化があるのだろうか。

 ……物は試しだ。


「さーて、いきますかぁ」


 扉を開けると廊下が暗かった。

 薄暗いなんてもんじゃない。暗い。なんにも見えないレベルで暗い。

 いくら手を振っても光が灯る気配がない。ここの階層の光を灯す魔法具は壊れたらしい。


「うーん、そういうこともあるか」


 とにかく気を付けて進むか。地図が小まめに確認できないのは残念だけど。

 しばらく壁伝いに歩き続け、ふと、光音叉を思い出したが、それはクレイに渡していたのを思い出した。

 逆ならよかったのになぁーと思った瞬間、ぶにっと変な感触のものを踏んだ。


「ん?」


 固すぎず、柔らかすぎず、まるで生き物を踏んだような感じだ。

 嫌な予感がし過ぎて其処から動けずにいると、ぐるるるると彼方此方から唸り声が上がりだした。それと同時にブオンブオンと、真っ暗空間で光るものが増えていく。

 多分目だな、あれ。

 ウルルルルルルと真下からも聞こえ始め、視線を下に向けた。

 暗闇の中で光るモノが2つ、此方を見ている。


「あ、ははは……。えっと、ごめんなさい?」


 ずぬぬと影が起き上がる。

 思ったよりも大きいその影に、俺は後退りした。

 光は更に増えていく。目玉と、あれはなんだ?頭から提灯鮟鱇のような謎の突起物が豆電球のように輝いて周囲を照らし出した。

 そこで判明した現状は最悪だった。

 四方八方を大型の蜥蜴のようなモンスターに囲まれていたのだ。


「あー……、なんだっけ?エングラードラゴンだっけ?」


 提灯鮟鱇のような飾り羽を持つオオトカゲで、その特性は周囲の光を奪い、自らの光で誘き寄せて狩りをするモンスターだった気がする。

 目の前にいる蜥蜴の頭には飾り羽のようなものがあり、それの先端が光っている。

 間違いなくエングラードラゴンだ。


「……」


 どうやらちょうどエングラードラゴンの巣に紛れ込んでしまったようだ。暗かったのはコイツらが光を食い漁ったから。納得した。

 通路の途中が広く開けて部屋みたいになっているらしいが、モンスターの数が多すぎて狭く感じる。

 地獄か。

 無言で弓を組立て、矢を生成すると同時にモンスターが襲い掛かってきた。


「いやああああああーーー!!!!ごめんなさいいいいいい!!!!」






 鐘がなる。

 一つ二つと鐘がなる。



「!」



 モンスターの動きが止まり、え、と思った次の瞬間に目の前にみんながいた。


「えっ!!??」




ここまで読んでいただき、ありがとうございます!!

この作品が面白い!!続きが気になる!!ディラ頑張れ!!と思った方は、


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よろしくお願いします!!

作者のやる気に変換されます“〆(^∇゜*)♪

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