ところでゴーレムって生き物判定??
地図も残り半分になったころ、他所の冒険者達と遭遇することも多くなった。すれ違い様に挨拶をしあったり、何故か舌打ちをされたりしたが、こう他のパーティーとのささやかな交流は楽しい。
「なんだかモンスターの遭遇率も減ったね」
「やっぱり狩られてるんじゃないか?つまんねー」
後ろでドルチェットとジルハのこんな会話が聞こえてきた。
ドルチェットはつまらないと嘆いているけど、俺としては毒の心配がないから安心なんだけどな。とはいえ今のところそこまで危険なモンスターや生物には遭遇していないから、やはり大型のや危険な奴らは他の人達に狩られ尽くされたのだろう。
罠なんかの警戒も怠らずに地図を確認しながら進んでいけば、なんだか地面が少し薄汚れてきていることに気が付いた。
「?」
注視してみれば、薄汚れているどころか結構な数の染みがこびりついている。一体なんなんだろうか。
俺がぼんやりと地面を観察していると、いつの間にかクレイが地図を覗き込んでいた。
「あと半分か。最後らへんはワープから目的地までに距離があるから、少し探索して稼げるかもな」
「お!ということは狩りでもすんのか?それとも宝探しか??」
ドルチェットがテンションを上げているが、残念ながらここらのお宝は全て取られ尽くされていると思う。
俺の思考を読み取ったようにジルハが「宝はもう無いでしょ」とドルチェットに言っていたけど、ドルチェットは「あるかもしれないだろ!?」と反発していた。
まぁ、ロマンは大切だよね。
「宝かぁ。なんかレアな部位を持っているモンスターならワンチャンあるんじゃないかな」
とりあえず俺はフォローを入れておいた。
モンスターならばどっかしらから沸いてこないとも限らない。
「次は右」
地図の案内に従い曲がり角を曲がって進んでいくと、俺は視界の端に違和感を覚えた。
「ん?」
思わず立ち止まり、俺はその場所に視線を移した。
一瞬解らなかったが、ちゃんと見ればその存在感は凄まじかった。
違和感の正体はレンガ模様のゴーレムだった。それが壁の穴にすっぽりとハマっていた。例えるならば壁に埋め込まれた地蔵だ。
違和感しかないのに普通に居すぎて思わずスルーするところだった。
「……え、カメレオン張りの擬態色」
思わずそう突っ込みを入れてしまった。次の瞬間、ゴーレムの目と思わしき穴がキュピーンと赤く光る。
あ、やば。
俺は即座に行動に移した。なんで忘れていたんだろう。
迷宮にはゴーレムは付き物だろうが!!!
「みんな逃げろおぉーーー!!!ゴーレムだぁぁぁーーー!!!」
「!!??」
俺が大声で警告したと同時にゴーレム立ち上がった。
しゃがんだ形で穴にハマっていたらしく、立ち上がると思ったよりも大きなゴーレムだ。
うぉん、と謎の起動音を発してゴーレムがこちら目掛けて突進してきた。
「うわああああ!!!!」
「結構早いぞこいつ!!??」
ズンズンと凄い足音をさせてゴーレムは一心不乱に走ってくる。おかしいだろ!?なんでその体躯で走れる!?そんな突っ込みはさておき走れるゴーレムは時折腕を振り回して周囲の壁に凹みをつくる。ついでに床も殴って陥没させるのを見て、俺は先程の通路の染みを思い出してゾッとした。
もしかして叩き潰──……
嫌な想像だけど、あながち間違ってはいないのだろう。
それにしてはヒビが無かったなと謎の思考逃避をしそうになりながら俺達は悲鳴を上げながら全力で走った。
「おい何とかならないのか!?盾とか!!!」
ドルチェットの無茶振りにクレイが即座に言い返す。
「無理いうな!!!ゴーレムってのはだいたいみんな腕の方に攻撃力を上げる魔法陣を仕込んでいるんだよ!!それに受け流すにしろ受け止めるにしろ、狭すぎて立ち回れねぇ!!!」
クレイ曰く、盾での衝撃吸収は受けた衝撃を地面に横流しにするスキルらしく、こういった脆い場所や狭い場所だと結構キツいらしい。それに今は少しずつ距離を広げているとはいえ、走る事に集中しないと腕の餌食になってしまう。
ブリオンではどうやったっけ?こんなに走ってくるゴーレムは遭遇しなかった気がするから対処が解らない。
いっそのこと方向転換して隙間を抜けられないかと思ったが、そう思った瞬間にゴーレムがまるで“とうせんぼ”みたいなポーズをしたので難しそうだ。
ブリオンと違って死に戻りはできないし、このまま追い掛けられる訳にはいかない。
何とかしないと。でもこんな狭いところでどうやって???
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皆様、お待たせしました。
とりあえずリアルな多忙が収まりましたので連載開始します!!!!
明日の朝7時に公開開始です!!!




