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思ったよりも大掛かりなものでした

「とりあえず部屋の中に入るか」

「そうだね」


 まずは部屋の魔法陣の確認しないと起動方法もわからない。そう思い、一歩部屋に足を踏み入れた瞬間、持っていた地図が輝きだした。それに呼応するように部屋までも輝きだす。


「え!?」

「やばい!!魔法陣が起動した!!早くみんな部屋に入れ!!」


 急に輝きだした俺の地図と部屋を見たクレイが叫ぶように言うと、みんな慌てて部屋へと駆け込んだ。

 後ろからの衝撃にスッ転びながらも全員入ったタイミングで発光が強まり視界が白に覆われる。

 まるでエレベーターに乗った時のような変な浮遊感の後、ようやく光が収まってきた。


「うあ……、目がチカチカする……」

「みんないるかー?」

「こっちは三人いる」

「ロエテムはいる?」


 ガチャガチャと音を立ててロエテムが返事をしてくれた。

 それにしても強烈な光だった。次に使うときは目を瞑った方が良いかもしれない。


 背中にいた人が退いた。


「すまぬ。潰していた」

「いーえ」


 アスティベラードだったらしい。

 よいしょと起き上がり辺りを見回した。

 部屋は特に何も変わっていなかった。それこそ燭台の位置から暗さまで何もかも同じだ。

 違う点と言えば魔法陣が見えなくなっている事と、扉が閉まっている所。


「えーと、ワープした……の?」

「部屋は特に何も変わらないぜ」

「直接確認すれば良かろう」


 アスティベラードが扉を躊躇無く開け放ち、廊下を見た。


「おお!廊下が変わっておるぞ!」


 アスティベラードの興奮した様子を見て、俺達も扉へと向かう。廊下を確認すれば、廊下の構造もレンガの色も全て変わっていた。


「ということは本当にワープしたのか」


 ゲームでは散々お世話になっていたワープだけれど、実際に体験するのは訳が違う。感動している最中、クレイがトントンと俺の肩を叩いた。


「ディラ」

「ん?」


 なんだと俺は振り返る。


「体に何か異常はないか?」

「いや、全然?」


 突然なんなのか。

 意味がわからずに首を傾げていれば、すぐにそんなことを聞いてきた理由が判明した。


「とすることはディラの魔力は使ってないのか」


 クレイのその言葉で俺は思い出した。そういえばここのワープは魔力使うんだった、と。

 慌てて魔力を使ったかどうかを確認してみたが、とりあえず疲れてもいなければ使った感じもしない。

 ちなみに魔力を使ったかどうかはすぐにわかる。

 それこそ少し前に走ったのかどうかわかる位には。

 感覚自体は似ているからね。


 その時後ろからノクターンが「あの…」と声をかけてきた。


「どうしたの?ノクターン」

「その…、ディラさんの持っている地図の裏に魔法陣があります…」

「魔法陣?」


 持っていた地図を裏返す。そんなものあったかな?という感じでひっくり返して、すぐさま紙全体に複雑な魔法陣が浮かび上がっているのに気が付いた。

 さっきのノクターンの魔法の効果で浮き上がってたらしい。まさか地図にも魔法陣がくっついていたなんて思わなかった。


「ほんとだ。気が付かなかった」

「どうやら…、部屋の魔法陣との魔力の繋がりがあるようです…」

「繋がり?」

「その…、つまりはこれが魔法陣発動の鍵…という感じです…」

「へぇー」


 この地図がキーアイテムか。

 あ、だから俺が部屋に入ったら魔法陣が起動してしまったのか。納得した。

 とするなら、次からは俺は最後に部屋に入った方がいいかもしれない。


「現在地は?」

「ちゃんと変わってるよ、ほら」


 ほら、と地図を見せる。現在地マークはちゃんと移動していた。何回見ても不思議なもんだ。


「あれ?」


 その際に気付いた。地図に記載されていた数字が減っていたのだ。13から12へとだ。

 もしかしてこれはワープできる回数なのかもしれない。間違って違うところへ移動してしまわないように気を付けよう。







 黙々と歩いて、たまに毒蛇やサソリといった危険な生物に遭遇したりもしたが特に問題もなく二つ目、三つ目とワープを繰り返す。


「ワープする度に壁の色が変わるね。迷宮作った人はしゃれてる人だったのかな?」


 きっと迷宮を輪切りにして上から見たら、さぞカラフルなんだろう。

 しかしそれにクレイは予想外の答えを出してきた。


「この壁の色で位置を特定していたとかじゃないか?」

「というと?」

「こういう建物の中では方向感覚が狂うからな。ましてや大迷宮だ。何かしらで変化を付けておけば迷い死ぬ事は無くなるだろう」

「なーるほど」


 確かにそれだったらわかりやすい。いくら似ている光景でも、色が違えばすぐに違う道だと判断できる。

 後ろでドルチェットとジルハも「へぇー」と言っていた。

 やっぱり色々勉強になるな。


「ああ、そうか。そう言うことか」


 突然アスティベラードが納得したらしい。


「なにが?」

「うちにもこう言った通路があったが、時折謎の模様があったのだ。もしかしたらこれと同じように道に迷わぬための措置だったのかと思ってな」

「へぇー、意外とそういう知恵があるもんだね」


 今度同じような迷宮にはいることがあったら積極的に観察してみよう。



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