表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
87/215

簡単クロイノ収納


 光音叉で照らしながら注意深く進んでいく。

 洞窟内は結構下り坂で、気を付けないと足を滑らせそうになるのだ。まぁあんな角度に穴が開いているんだ。雨風が吹き込んでいたんだとしても不思議ではない。


「んー…。ん?」


 結構歩いたところで地図が突然道が二手に分かれていた箇所に辿り着いた。

 歩いている道は真っ直ぐなのに何処を曲がるのか。しかも真っ直ぐの方は途中で途切れている。

 行き止まりにしては変な書き方に、頭を傾げた。

 しばらく考え、ふと思い付く。もしや抜き道がある?

 辺りを見回すが特に変わった様子は見られないけれど。


「何してるんだ?」


 クレイが訊ねてきたので探しながら答えた。


「多分、近くに抜け道があるはず」

「抜け道?」

「壁に穴ない?」


 皆で壁を手分けして探すと、ジルハが少し奥の方に穴があると見付けてくれた。

「此処にありました!」と手を振って教えてくれるジルハの元へと急ぐと、そこには人一人がギリギリ通れそうな穴があった。穴というよりも隙間といった方が正しいかもしれない。

 何ならピッケルで拡張した形跡もある。

 地図を確認してみると、ちょうど分かれ道の目の前に立っている表記になっていた。間違いない。


「ここだね」

「だな」

「うん」


 俺とクレイとジルハで確認完了。

 マジか。ここ通らないといけないのか。というか、本当にここは通って良い場所なのか?


「誰が先に行く?ジルハか?」


 なぜだかアスティベラードがジルハを指定した。


「なんで僕?」


 ジルハの意見はごもっともである。


「細身で、かつ、何かあった時に対処出来そうではないか」

「……確かにそうですね」


 アスティベラードの返答にジルハが納得した。

 確かにこのパーティーの中では細身枠で、身軽。それにアサシンという職業柄こういう場所でのスキルなんかは持っているだろう。

 良かった、俺が指名されなくてとホッとしたのは内緒だ。

 それじゃあ行ってきますと、ジルハは穴に潜っていく。

 しばらく待つこと5分ちょいでジルハから連絡が来た。


「明るいところに出ましたよ!」


 穴の中からジルハの声が聞こえてきた。

 その穴に向かってクレイが声を掛けた。


「ずいぶん掛かったな!結構距離があったのか!?」

「途中で匍匐全身の場所があったから時間が掛かりましたが、そこまでの距離はありませんでしたよ!」

「わかった。少し待っててくれ!」


 ジルハにその場で待機の指示を出すと、クレイは困ったように呟いた。



「匍匐前進か…」


 クレイが腕を組んで「うーむ」と唸る。

 一体どうしたんだろうか。ジルハとの会話は特に何もなかったはずだけど。


「どうしたの?」


 そう訊ねると、クレイが本気で困った顔のまま答えた。


「ジルハで匍匐前進しないといけないところだと、確実にオレとノクターンは詰まるんだよ、どうしたもんかと思ってさ」

「ああー…」


 想像しなくたって、その言葉だけで理解が出来た。クレイは肩幅が、ノクターンは出っ張りがですね。

 俺は細身だからいけて、ドルチェットも小柄だからセーフだろう。

 アスティベラードは、どうなんだろうか。わりとギリギリアウトなのでは?


 はてなを浮かべていたノクターンがアスティベラードの視線を感じてそれを追い、自らの胸に向かっているのに気付いた。ハッとしたノクターンは、恥ずかしそうに縮こまっている。

 意図せずしてセクハラみたいになってしまった。

 しかし、体躯の良い人はこういう時には大変だな。

 ゲームなら何ともないのにな。


「なぁーなぁー!」


 そこへドルチェットがロエテムの背中をバンバン叩きながら割り込むで来る。


「ロエテムもじゃね?確実に皆よりもタッパあるし、引っ掛かる場所だらけだぞ」


 そんな最もな意見はクレイが即解決してくれた。


「ロエテムは分解してディラに持っててもらえば良いだろう」

「そりゃそうか」


 クレイとドルチェットの会話で俺は名案が浮かんだ。


「通れないんじゃ仕方がない。一旦ジルハに戻ってもらって回り道を」

「ねえ」

「ん?なんだ?」

「クロイノに収納してもらえば良いんじゃない?」


 そうすれば安全に何の問題もなくこの隙間を抜けられる。そう思ったのだが、クレイの何言ってんだ?の顔を向けられてしまった。

 あれ?もしかして忘れてる??

 慌てて俺は説明を続けた。


「ほら、検問抜ける時にやったじゃん。クロイノの格納スペースに入ってもらって、さらに俺がそのクロイノに収納してもらってやり過ごしたやつ」

「……、ああ!」


 ワサワサと必死に説明すると、ようやく思い出したらしい。

 良かった。思い出してくれて。これで話が続けられる。


「その応用でさ、こう、隙間にクロイノが良い感じにハマってくれればクロイノ空間を通過して楽に向こう側にいけるんじゃないかなーって」


 頭の中に簡単ピタゴラスイッチ的なイメージが浮かんだ。

 からだ全体で表現した為、皆にもすんなりと伝わったらしい。クレイはしきりに頷いてくれたが、ドルチェットがやや引き気味の表情をしていた。何故。


「お前、今日冴えすぎてて怖いわ。なんか変なもん食べた?」

「俺に対する印象ってどうなってるの???」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ