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ギャグ漫画の応用なんだろう多分

 

 アスティベラードの元へ、馬車購入時のお金が戻った。

 まさかこんなにも早く返ってくるとは思ってなかった、とアスティベラードが漏らした。

 

「せっかく出してくれたのに悪いな」

 

 クレイがそう言うと、アスティベラードはお金の入った袋をノクターンに手渡しながら「ふん」と鼻で笑う。

 

「なに、必要になればまた購入すると良い」

 

 アスティベラードは男前だった。惚れそう。

 

 

 

 

 翌日、グラーイを預かり所から引き取った。

 心なしか、グラーイはやっぱり寂しそうな雰囲気を醸し出していた。納得はしても、それはそれ、これはこれだ。

 なにか慰める方法はと思案していると、アスティベラードが「グラーイよ!」と話し掛ける。

 

「貴様は実に善い馬だ。力も強く、運び方を心得ている。よって、私の荷物を運ぶ権利を与える」

 

 どういう慰め方??

 そう思ったが、アスティベラードはさっさと自分の荷物をグラーイの装備に吊るした。

 

「あの、アスティベラード??」

 

 固定を終えたアスティベラードはグラーイを撫でながら言う。

 

「人のために作られたモノは、人の役に立って喜びを得る。見よ、こやつの尻尾を」

 

 アスティベラードがグラーイのお尻を指差すと、グラーイの尻尾がパタパタと振られていた。

 これは喜んでいるのだろうか。

 

「……グラーイ。俺の荷物もお願いできる?」

 

 そう言って、内職用の鞄を見せると嬉しそうにした。ついでに前足で地面を各動作をする。何かを要求する時に良くする行動だけど、これは果たして喜んでるのだろうか。

 ロエテムを見ると早速通訳してくれる。

 

『仕方ねえから持ってやるよぉ!』

 

 とのことだった。

 ロエテムのお墨付きも得られ、じゃあお願いします、とクレイも食糧鞄もお願いして、みんなも小さいものを預けてみたら、荷物フル装備になった。

 心なしか誇らしげなグラーイが馬にしては上手なスキップをしながら歩いていく。

 喜んでいただけて何よりだ。

 これからは余分な荷物を持ってもらうのも良いかもしれない。

 

 

 

 

 

 洞窟に向かって進んでいると、既に何人かの探索者の隊が集まって来ているのが見えた。

 早速挨拶に行こうとしたら、待てとクレイに止められる。

 

「なんで?」

「あの連中、良く見てみろよ。牽制しあってる」

 

 言われてみてみると確かに仲良さそうには見えない。

 

「ここでオレ達のようにノホホンと参加したら袋叩きに会うのは目に見えている。時間をずらして入るぞ。いいな」

 

 みんなの賛同を得て、隊が潜ってしばらく経ってから洞窟へと近付いた。

 

「一旦グラーイを鞄の中に仕舞ってくれ」

「へいへーい」

 

 運んでくれていた荷物を回収し、グラーイを鞄の中に納めた。

 

「さて、このロープであそこまで降りるんだけど…」

 

 クレイがノクターンを見ると顔色を悪くしていた。

 ドルチェットが崖を覗き込む。

 

「……結構高いなここ」

「あの人達はどうやって降りたんでしょうか?」

 

 ジルハもドルチェットと同じようにそう感想を漏らした。

 言われてみればどうやって渡ったのか。

 

「滑車とかもってたとか」

 

 クレイのその言葉に下を見たままドルチェットが「そんなのもってねーぞ!」と言い返す。

 残念なことに俺も持っていない。

 ならばどうするかと頭を捻ると、とある案を閃いた。

 と言うよりも俺がブリオンで良くやっていた方法をやれば安全に渡れる。

 

なので、「はい!」と俺は挙手した。

 

「いい方法があります!」

「なんだ?」

 

 クレイが言葉の先を促すので、俺は弓を手に答えた。

 

「俺のスキルであそこに射ち出す」

 

 一斉にバカなのかお前みたいな視線を向けられた。

 しかし一人だけ何かを思い出したような顔をした。アスティベラードだった。

 

「……もしや、貴様の友人がお前を飛ばしたあれか?」

「そうそれ!」

 

 アスティベラードは覚えていたらしい。

 その言葉でみんなも「そういえば」と思い出していく。

 

「しかし、あやつのは剣だったから何となく分かるが、貴様は弓であろう?できるのか?」

 

 アスティベラードが疑いの目を向けたが、仕方ないと思った。

 こればかりは実践してもらう方が早い。まさに百聞は一見に如かず、だ。

 ならば一番手は誰にするか。

 それはもう決まっていた。

 

「クレイ、お手本お願いできる?」

 

 ということで生け贄を用意。

 生け贄といっても怪我はしないから適切な言葉では無いだろうが。

 

「オレかよ」

「一番防御力強いし、何よりリーダーだし」

「それはそうか」

 

 リーダーを出すとクレイはあっさり納得してもらえた。

 なんて便利なんだろうかこの“リーダー”は。免罪符か。

 

「使うのは【人間ロケット】っていうスキルで、人間を文字通りロケットの様に飛ばすことができる。飛んでいる間はほぼ無敵状態だから、調整次第では着地も安全。崖越えには良く使われるスキルなんだ」

「怪我する奴とは居ないのか?」

「意地悪で崖側面に指定したり、河に指定したりではあるけど、基本大丈夫だよ」

「そうか」

 

 ドルチェットも納得。

 

「じゃあ、やってやるか。リーダーだしな」

 

【人間ロケット】スキルを発動すると、専用の矢が現れた

 赤い矢印みたいな矢だ。

 弓職はこれで人を飛ばす。ちなみにそれぞれの武器に【人間ロケット】スキルは発現可能で、それぞれ飛ばし方が微妙に違った。

 剣とハンマーは同じモーションだが、弓と銃は専用の武器が出てくる。何故か格闘家はナックルがその専用武器に辺り、人間を殴って飛ばす。

 運営は一体何を考えているのだろうか。


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