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ポンコツと思っていたのか


「つまりはマーリンガンはチクってないと」

「ばっか。君のチクる暇ないよ。僕がその前に縛り首!!」

「だよねぇー、良かった。売られたのかと」

「数少ない共感者を売るような人でなしに見えるのかい?」


 マーリンガンの言葉に俺は、見えないこともない。と思ってしまった。


「やっぱり言わなくて良いよ。嫌な予感しかしない」

「あ、そう?」


 ふう、とマーリンガンが息を吐く。


「そっかぁ、僕てっきり君がポロっと漏らしたのかと…」

「なんで自分で危険を呼び込もうとすると?しないよ?臆病だよ俺」

「だよねぇー」


 あはははははと笑い合う二人。

 そんな二人を「似た者同士だな」「だな」と、ドン引きで見ているクレイとドルチェットの二名。

 なんで引くのだろうか。


 こほんと咳払いしたクレイが挙手をする。


「えー、マーリンガンさん。一つ聞きたいことがあるのですが」

「なんだい?」


 びしりとクレイの人差し指が俺を指す。


「こいつが勇者の関係者っているのは、知ってましたか?」

「知ってるよ。友達が勇者にされたのも、そもそもここの世界の人間ではないってこともね。あと、皿を渡すとすぐに割る」

「それは知らなかった。気を付けよう」


 こっちを見ないでクレイ。最近触ってないから。


「それでですね、ディラが聖戦に参加してしまったんです。それについて何か知っていることはありますか?」

「ああ、なるほど」


 マーリンガンが空中でティーポットを生み出すと、同じく作られたコップのなかにお茶を注いでいく。

 それを俺はみんなに配っていった。は?って顔をされていたけど、このマーリンガンは結構なんでもありジジイだ。慣れて欲しい。


「聖戦の参加資格は勇者と、その仲間と認定されたもの。あとは指定された土地のあわれな一般人だ」


 お茶をすするマーリンガンが悲しげに言う。


「だいたいの聖戦の数は合わせて10回ほど。回を重ねるごとに指定の結界解除の条件であるボスの力が増していき、聖戦範囲も広がっていくんだ。穴もね、増えていくよ。目的はなんだろうね?僕もこれは人から教わったものだから定かじゃないんだけど、前の聖戦では確か聖戦範囲内の村や町が二つ三つは一瞬のうちに消えたんじゃなかったかな?」


 ガタンとアスティベラードが椅子を倒して立ち上がった。


「そんなことは伝わっておらぬ!!」


 そんなアスティベラードをマーリンガンは冷めた目で見上げている。


「もしかしてシャールフ伝の事かな?あれは、ほら、あくまでもお伽噺的に編集し直されているから。本当はもっと悲惨だったね。なにせ瞬きのうちに村が文字通り無くなっているんだからさ。知らないかい?禁域指定の森に慰霊婢建っているの。それは“かつてここに村があった”ってやつだよ」


 全然知らん。と理解不能な会話に置いていかれる俺。

 だけど、俺以外のみんなは知っているらしく様々な反応を見せた。

 やっぱりちゃんと後で詳しく教えてもらわないとダメだな。


「自分は村があったからなんだ?って思っていたけどそーゆー事だったのか」


 ドルチェットはほんとうに感想が直球だな。

 マーリンガンの視線がこっちを向く。


「最初の戦いはどうだったかい?」


 どう?か。聖戦を思い返してみた。

 巨大なボスだった。色々あったが、まずはボス戦の感想だ。


「んー、まぁ俺の知っている敵よりは強かったけど、でもそんなには…」


 相性が良くなくて功太は苦戦してたけど、俺も相性次第では格下の相手にも不利になるし。どう言えば良いんだろう。


「推定、敵のレベル幾つくらいだい?」

「んー、50いくかいかないかくらい?でも多分一人でいけたかな」


 みんながどよめく。なんですか?と思わず振り向いた。

 なんでもないようにマーリンガンは話を続ける。


「こんな感じだよ。通常一人で相手できるのは手練れでもギリギリ20レベルだ。30で危険レベルに《超》がついて数人で掛かる感じになり、60越えるのは聖戦を除いて記録にもあまりない。ドラゴン種でも平均45だからね」


 そうなんだ。あれ?でも。と、俺は首をかしげた。


「人間はちょいちょいいるんじゃないの?だって限界突破があるし、80のとかいるんじゃないの?」

「いねーよ」


 間髪いれずにクレイに突っ込まれた。


「人間の平均値レベルが18から25だ。限界突破してもだいたいが40から50が限度。おれの知ってる限りでもそれを大きく越えて90に迫るレベルなんて化け物は、今んところお前と」


 クレイの視線がマーリンガンへと向けられる。


「お前の横にいる人くらいだ」


 まじで?と俺は驚いた。

 そういえばそこそこ付き合いはあったけれど、マーリンガンのレベルを知らなかった。

 そもそも当時はレベルという概念すら無かったのだから当然だ。


「レベルはおいくつで?」

「前測ったときは95だったかな」

「最高ですねマーリンガン」


 ブリテニアスオンラインならあとレベル5で新たなステージ進出だ。


「ということで、次のボスのレベルは60を越えてくる事になるわけだ。このポンコツくんに付き合うのは良いけど、君たち今のままだったら、


 死んじゃうよ?」


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