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ターミネーターみを感じた


 翌朝。

 いつもの噴水前で待っていたらアスティベラードが一人でやって来た。

 ノクターンいないとちょっと違和感がある。


「おはよう」

「待たせたか?」

「いいや? ん?」


 違和感の正体が判明した。

 肩に乗っている筈の派手派手鳥のトクルがいない。


「トクルは?」

「少し離れさせておる」

「ふーん」


 辺りを見回してもそれらしい鳥は見えない。

 あんなに派手なのに凄いな。


「変か?」

「ちょっとね。なんか黒いのもピリピリしてるし」


 アスティベラードの背後にいる黒いのも、今日ははじめから全体が出て、しきりに辺りを見回している。

 とはいえ、周りには見えていないらしいからそこは安心。


「クロイノ?」

「後ろの子の事」

「ああ…」


 アスティベラードが黒いのを見ると、黒いのは甘える猫のようにアスティベラードにすり寄ってきていた。

 かわいいな。


「こやつも辺りを探っておる。先日よりなにやら妙な感じがするのでな」

「そうだったんですか」


 全く気が付かなかった。

 特に意識してなかったけど【千里眼】シリーズ発動した方がいいのかなとも、思ったが、保持している千里眼は主に戦闘特化のしか持ってない。


「とにかく行ってみよう」


 もしかしたら杞憂かもしれないし。






 アスティベラードとギルドへとやって来た。

 いつも来ている此処だけど、いつもよりも空気が固い気がしたが、中はいつもと変わらず活気に満ちていた。

 気のせいだったのかな。


「私は此処で待つ」

「うん」


 アスティベラードが少し離れて立ち止まる。

 受付がアスティベラードが苦手なのを知っているっているのもあるけど、今回は警戒とかいっていた。

 総合受付へとやってきて、受付の人に声を掛ける。


「呼ばれてきました。ディラです」

「あ、はい。お待ちしておりました」


 なのに受付の人はいつもとは違い、ぎこちない笑顔で返答する。

 視線も泳いでいて、なんとなく気まずい感じだ。

 受付の人が奥へと声を掛けた。


「ディラさん来ました。案内お願いします」


 バックヤードから見たことのないスタッフが出てきた。

 受付には要らないだろう筋骨隆々な肉体にサングラスがよく似合いそうなスキンヘッドだ。

 ビックリするほど職員の制服が似合わない。

 むしろこれ黒スーツのが似合うだろう。時速70キロとかで走ってきそうだ。


 ジェットばばあを追い抜いていく黒スーツスキンを脳内で再生していると、顔に似合わない落ち着いた声で「こちらです」と、とある通路に向かって歩き始めた。

 何処に向かうんだろう。

 受付を振り返っても視線をさりげなく逸らされるばかりなので、ディラは黒スーツスキンの後を追い掛けた。



 案内されるままに着いていく。

 その途中で背後から視線を感じて見てみると、黒いのがいた。


「!!!??」


 声こそ上げなかったものの、盛大に肩が跳ねた。

 あまりにも予想外すぎて、俺は大混乱した。

 なんで後ろにいるのだろう。しかも、いつから後ろにいたのか。

 するとスキンがこちらを振り返る。


「どうされました?」

「い、いえ、なんでもないです」

「そうですか。もうすぐ着きます」


 アスティベラードはいないのに居るとはどういう事なんだろうか。

 それともこっそりと付いてきているのか。

 ならあまりキョロキョロするのは良くないなと、必死に平然を装った。

 その内とある扉の前でスキンが止まる。


「この中でお待ちください」


 扉を開けて中に入ると、応接間みたいな所だった。

 頑丈そうな机を挟んで大きめなソファーが向かい合うように配置されている。

 その中の一つに腰かけた。


「お。めっちゃ椅子フカフカじゃん。すげー寝やすそう」


 こっそりと色んな座りかたで遊んでいると、扉が開いて先ほどのスキンの職員が飲み物をもって現れた。


「お茶です」

「ありがとうございます」


 机の上にお茶を起き、そのまま出ていった。

 なんでこんなに待たされているんだろうか。

 やっぱりカウンターに重大な問題が発見されたとか。


「……喉乾いてきた」


 緊張すると喉が渇いてくる。

 折角なのでお茶に手を伸ばすと、黒いのが妨害してきた。

 手を避けて取ろうとすると頭突きをされる。

 実際にぶつかっている訳じゃないんだけど、当たっている場所が塗り潰されたように黒くなるから見えなくなる。


「……ちょ……やめろ、猫みたいなことすんな。頭突きやめい……っ」


 小声で黒いのに止めてと訴えても止める気配はない。

 一瞬の隙をついてなんとかお茶を取ると、ふわりと花の臭いが漂う。


「おお、凄い甘い臭い」


 紅茶系か、はたまたハーブティーか。

 口に含むと濃厚な花の香りと共に、炭酸みたいなビリッとした感覚が舌に走った。


「……炭酸?お茶なのに?」


 特に甘くはないから、変な感じだった。

 もう一口飲んでみるが、やはり舌にビリッとくる。だが不思議なことに、喉には一切来ない。


「炭酸ではない??」


 なんだこれ。でも癖になるな。


「お前も飲む?」


 後ろの黒いのに近付けたら、表情がわからないのに凄い引いた顔をされた。

 嫌いなのか。だから妨害したのか。

 そのままチビチビとそのビリビリを楽しみながら飲んでいると、足音が近付いてきた。


「お待たせしました」


 顔に微笑みを張り付けた男性と、やたら体格の良い男性職員が複数がやって来た。

 え、なになに??


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