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袋叩きにされている。

明けましておめでとうございます!

今年もどうぞよろしくお願いいたします!!

 あらゆる属性を付加してはバルハニエルへと射出していくが、風の壁を突き抜けて通用したのはやはり雷くらいだった。

 少しいけそうかな?となったのは鋼鉄矢と呼ばれる、打ち込み銛にそっくりな矢くらいだ。

 多分、重さが増す分風の影響を受けにくくなるのだろうが、現在人を易々と上空に巻き上げる威力なので当然こちらも綺麗に狙いが逸れる。


「うーん、どうすっかなぁ」


 砂の属性矢で風の範囲と速度を確認しながら軌道を確認するが、どうやら風の強さは微妙に変わりつつ上に巻き上がっているため当たりそうな気がしない。

 視界が明るくなり、ついで轟音が頭上を通過していく。

 お試しと称して色々射ちすぎて、功太だけじゃなく、俺を完全に敵と認識したのか俺に向かって先程の特大ビームをバコバコ撃っていて、爆音が凄すぎるせいで耳が遠い。

 最強の防御であるクレイの盾でも、さすがに音までは遮断が出来ないからね。


「なぁー、まだ見つかんねーの???」

「うるさいわ。今探しておる。邪魔をするな!!」

「すみませんすみませんすみません…」


 ノクターンが必死に回復魔法を掛けつつ、防音の魔法を必死に探してくれている。

 耳を押さえているドルチェットとアスティベラードの間でノクターンが魔本必死にめくってる姿がシュールだ。

 それにしても、クレイの盾で防いでいるけど、このままだと動けない。本当にどうしよう。


「ディラ」

「ん?」

「お前らん所に、ああいう系の敵とか居なかったのか??対策法方とか??」


 功太と顔を見合わせる。

 いや、いたけどさぁ、という顔を双方していた。


「似たのは居たけど、ずっと纏っている訳じゃなかったし、属性二つ持ちで片方雷はさすがに反則」

「遠距離+遠距離はクレームの嵐だと思うよ。」


 似たのはいたけど、それでも近付ける隙とかはあったのだ。

 例えば遮蔽物があればなんとかなったかもしれないけど、ここはまっさらな更地だ。

 こんなの「どうぞ好きに飛ばしてください」と言っているようなものでしかない。


「せめて竜巻か雷のどちらかを封じることが出来れば、やりようはあるんだけどなぁー」

「ほんとうにそれだよね」


 今回は属性相性が悪すぎるのだ。


「のう、お前の仲間はどうした??今は二人だけか??」

「あ、いえ、ちゃんと居ますけど」

「ラピスラズリが雷鳴で体が硬直してしまって…」


 察した。


「アリマがラピスラズリを回復させ次第ここに来る予定ではあるんだけど」

「えー…さすがに無理はしない方が…、ウサギでしょ??あの子。雷はさすがに厳しいんじゃ…?」


 獣人は総じて雷の音が苦手なものが多い、というのをジルハから聞いた。

 爆音も苦手のひとつだが、個人的に無理なのが毛がぞわつくから、らしい。

 どういう感じなの?の訊ねたら、無言で首から後頭部に掛けて指で撫で上げられた。嫌な気持ちが分かった。

 そんな最悪の環境にいるよりも安全なところにいた方がいいと思うんだけど。


「いや、どっちにしても雷の雨は見渡す限りの大地に降ってるから、それならひたすら怯えているよりも共にいて戦いたいと、彼女は言うだろう」

「ふーん」


 あのビクビクしていたウサギ少女がとも思ったけど。


「見た目なんかよりも強いんだね」

「うん。僕なんかよりもずっとね」


 なかなか動かない俺らに業を煮やしたのか、バルハニエルは雷槍の柄部分を地面に突き立てた。


 なんだ??

 空を見上げるバルハニエルがゆっくり口を開いた。

 もしかしてまた武器が増えるのか?

 警戒をしていると、バルハニエルから奇妙な音が発せられ始めた。


 キロロロロロロロロという、まるで蛙の鳴き声のような音だ

 それがだんだんと大きくなってきて、空気を震わせる。


「おい!!地面がおかしいぞ!!!」

「うわ!!気持ち悪い!!!」


 ネビオーロとプルチアが騒いでいる。

 地面?と視線を向けると、地面からヒキガエルが生えてきていた。


「!? うわ…っ!?」


 それが一匹なら問題ないが、生えてきているヒキガエルは見える範囲百以上の数がいた。

 地面から分離したヒキガエルは、バルハニエルと同調するように鳴き始める。それらはどんどんと増えていき、耳を塞ぎたくなるほどになった瞬間、突然ピタリと止んだ。

 空を見上げたヒキガエルが口から裏返り、金色の珠となって空へと登っていく。


 なんだ?と見上げると、バルハニエルが雷槍を天に向かって掲げ、雷を発射した。

 雲に吸い込まれた雷は雲の中でクモの巣状に稲光を広げ、そのうちの1つが空中に浮かぶ珠に直撃、直後雷が角度を変えてこちらに向かって放出された。

 クレイの盾に防がれて被害はないが、その異常な起動に嫌な予感がする。

 空高く浮かんでいた珠が急降下し、それぞれランダムな位置で停止した。


「なぁ、クレイ。俺すっげー嫌な予感するんだけど」

「うん、すっげー嫌な予感がするな」


 予感的中。

 凄まじい雷の雨が金の珠を通過して凄まじい屈折や湾曲しながら、雷の集中砲火が始まった。




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