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速度VS火力①

 



 動いたのは二人同時だった。

 二人とも一気に距離を詰め、先制攻撃を仕掛けようとしたのだろうが、速度が上なバルベーラが勝った。

 盛大に火花が散る。

 いや、光の加減でそう見えただけなのかもしれないが、二人の間でバチバチと激しく光が瞬いているのが見える。


「おお?これは互角なんじゃないか?」


 見ている限りは速度は拮抗しているように感じる。

 しかし、ジルハは「いえ…」と否定した。


「まだ、上がります」


 ジルハの言う通り、ぐんとバルベーラの速度が上がった。

 まるでギアを切り替えたような上がり方で、ドルチェットの反応が遅れ始めた。


「しっ!!」


 ドバァン!!!という効果音と共にドルチェットが後方へと軽く飛ばされた。


「くっ!」


 崩されかけた体制を立て直そうとするドルチェットへ、バルベーラは追撃し、圧倒的な速度でドルチェットを圧していく。

 神速の名は伊達じゃないようだ。

 再びバルベーラの速度が急激に上がり、ドルチェットの服が刺突によってあちこち裂かれた。

 血は出ていないが……、もしかしてまずいか?


「これは小手調べ。

 ちなみに俺は一切手加減しないから、そのつもりで」


 バルベーラは笑顔でドルチェットに宣言した。

 言葉の通り更に速度が上がる。一体どこまで上がるのか。

 一方ドルチェットは防戦一方。

 むしろよくぞ受けきれていると感心する。


「一応聞くけど、あの人はスキルは持ってないんだよね?」


 この世界にはスキルが一般的ではない。


 スキルのようにその人の技術が著しく優れたものはあるが、【スキル】として確立していなければ、どんなに超常していても基本は人間ができる範囲の行動しかできない。

 ちなみにスキルといっても分類がされており、だいたい大まかに五つ。


 肉体強化系

【筋力強化】【防御力増加】【攻撃性増加】等

 感覚向上系

【気配探知】【千里眼】【隠密】【威圧】等

 属性付与系

【火炎属性付与】【アイスエイジ】等

 物質創造系

【弓矢生成】【弓矢改造】【巨大盾】等

 行動補佐系

【人間ロケット】【山羊の蹄】【瞬身】等


 が挙げられる。


 もちろん未分類も存在しているがだいたいはこれらに当てはまる。

 ちなみに功太のビームは属性付与系の【電撃属性付与】形態のツリーに属する行動補佐系スキル【圧縮光穿】というものらしい。

 俺が前に花火を打ち上げたあのスキルと似た感じ。


 ちなみに前にも説明したと思うが、スキルを発動すると気力と引き換えに超人的な行動や不可能な事まで可能にしてくれる。

 しかしスキル無しでは体力を消費し、出力も不安定なものになる。


 これらを前提にジルハにもう一度確認をとると、ジルハは頷いた。


「もちろん持っていません。

 しかし、兄達の中でも特にあの二人は特異でして、スキルを発動しているかのように動けてしまいます。


「あんな感じに」と、ジルハの視線を追えば、バルベーラが常時【高速剣】スキルを発動しているかのような動きをしている。

 なんであの動きで息切れしないんだ。


【高速剣】スキルはレベルによって速度──つまり一秒間に何回モーションを取れるか、が変わるが、バルベーラの動きはまさに功太と競えられる程の早さだった。

 視認した時には5回刺されているという噂は誇張では無かったわけだ。

 それにしても…。


「ドルチェットはなんであれで動けるんだろう」


 大剣を盾のように持ち上げてバルベーラから繰り出される攻撃を凌いでいた。

 バルベーラは突く速度だけではなく機動力も結構あり、素早い足裁きでドルチェットの死角からの攻撃以外にも背後に回り込んだり手を狙ったりと変幻自在な攻撃を仕掛けていた。

 そのどれもが無駄の無い動きで、かつ音もない。

 今でこそ日の光があるから見えているが、これが夜道の薄暗い中で来られたら確実に反応が遅れるだろう事は容易に想像がついた。

 そんな攻撃をドルチェットは間一髪とはいえ全てに反応して対応している。


 ふむ、とアスティベラードが腕を組んだ。


「立ち回りがクレイに似ておるな」

「言われてみれば確かに…」


 ドルチェットが大剣を利用して防ぐ動作がクレイにとてもよく似ている。

 例えば重心の位置とか、足の基点(きてん)や流し方も似ていた。


「ドルチェットはオレと頻繁に組手をしていたからな、といってもドルチェットの打ち込みをオレが受けるみたいなやつだったが。

 おそらくそれで覚えたんだろうさ」

「なるほど」


 確かに至近距離でクレイの動きを見ていれば、自然と分かるようになるか。

 それに、と、クレイはドルチェットを見る。


「ドルチェットはとても目が良いからな」


 視力云々の話ではなく、動きの細部までを見取り、更には模倣する術に長けている。

 だからこそ人間ロケットスキルを真似することができるようになったのだ。


 そんなドルチェットが冷静にバルベーラの動きを“見ている”。


「ええ、そろそろ“動く”と思います」


 そうジルハが言った次の瞬間、ドルチェットは口許に笑みを浮かべた。



ここまで読んでいただき、ありがとうございます!!

この作品が面白い!!続きが気になる!!ディラ頑張れ!!と思った方は、


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よろしくお願いします!!

作者のやる気に変換されます“〆(^∇゜*)♪

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