黒と闇夜の伽噺～1人の人間と、周囲で起こる幾つかのこと～

百瀬綾人は能力持ちである。真っ黒な服を着て、『化物』と呼称され蔑まれる者たちの仲間である。

文明開化に沸き立つ町の隅っこでは、生まれながらに稀有な能力を持つ者、この世のものではない存在が見える者、妖と共に生きる者がひっそりと暮らしていた。
何故なら、一般人が彼ら彼女らを蔑視し、陽の当たらぬ影の方へと押しやっていたからだ。

そんな中、稀有な能力者のみで結成された日本異師蓮に所属する綾人は、同僚の竹原とともに日々任務に励んでいた。
しかし彼らを嘲笑うかのように、骨と皮だけになった謎の骸がひっそりと濃い影を落としていく———。

普通ではない彼らがたどり着く先は安寧か、混沌か。
波乱の最中に生きた人々について、今こそ語り始めましょう。


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