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ロワジュへの疑惑

「そう、ですね…あ…、私たちは貴族から王の玩具(ロワジュ)と呼ばれています」

「「「っっ!?!?」」」

ロワジュ………

この人がロワジュなのか…?

でも、ロワジュって王の玩具?って意味なの?

なんか酷くない………?

七大守護者をズィーベンクラントってのはなんかカッコいいけど、王の玩具(おもちゃ)でロワジュってのは………

響きは良いけど、意味が最悪というか、かわいそうというか……

「…あなた、今失礼なこと考えてましたか?」

ルシエルさんがジト目で僕を見つめていた。

この人テレパシーでも持ってるのかな?

「『ロワジュ』という名前は私たちのお義父さんが考えた素晴らしい名前なのですよ?それを貴方は侮辱するようなことを考えていたとしたら私たちが黙っていませんよ?それにまずまず貴方たちがお義父さんが考えた名前をどこで仕入れたのかさえ訊いていないんですよ?確証もないまま優しくしてあげている私に感謝を示すなり色々あると思うのですが?まぁそこはあまり気にしていませんがあえて言うなればお義父さんが………」

ルシエルさんが真顔で。しかもとてつもない早口で。喋りながら近づいてくる

。恐怖。

顔には出てなかったと思うけど…いや、考えるのをやめよう。

「それよりさ、なんで永さん達を追いかけてたのかな?もしかしてだけど、捕まえにきたとかじゃ…ない、よね?」

そんな中綿毛が助け舟をだしてくれた。

しかし後半ものすごく尻すぼみしていたが……綿毛は何がそんなに不安なのだろう?

「コホンッ…そうですね、捕まえにきたと言えば、まぁ、間違ってはいないと思います……」

一同絶句。

その中でも永さんが燃え尽きた様に真っ白にやつれている様に見えた。

「…でも、私は別に牢屋に放り込もうとは思ってませんよ。衛兵も持ち場に帰らせましたし、今皆さんを追いかけているのは私だけかと…」

ルシエルさんはそう続けた。その言葉に反応し、

「よかった〜!一人だけなら逃げるのはどうにかなりそう…」

由希が言った。

そしてそれに反応するのは……

「絶対無理絶対無理絶対無理」

綿毛だった。渾身の全力否定。

「由希、エルちゃんって本当はスゴイ人なんだよ?七大守護者(ズィーベンクラント)の筆頭は普通こんな永さん達を追いかける様な雑務はしないからね…しかも永さん、1000年前から模擬戦で勝ったことないし……」

……ん?また出てきたぞ1000年。

ルシエルさんって人間だよね?

「綿毛さん、正確には975年前です」

「よく覚えてるね正確な年数…」

「ちなみに正式な模擬戦で私が勝ったのが975年前、遊びの模擬戦なら985年から私が勝っています」

「「「………」」」

なんだろこの会話、年数がおかしいって……

「…ルシエルさんは、その、人間…なんですか?」

すずも同じことを疑問に思っていたらしく、質問してくれた。

「その、私は人間では……」

ルシエルさんは心配そうに綿毛を見やると、

「大丈夫だよ。心配いらない…みんないい人だから」

綿毛はにっこりと笑ってルシエルさんの表情に答えた。

「…私は人間ではありません。普段は魔法道具(マジックアイテム)で隠蔽していますが…」

そう言いながらルシエルさんは、服に隠れていて見えていなかった首にかけていたネックレスを外した。

すると、耳の形が変形していき……

「…私はエルフです」

と、告げられた。

マジかエルフかよ、と思った者は多分いないだろう。薄々予感はしていたからね、1000年という単語から………。

「話が脱線してしまいましたね。私の目的ですが、皆さんの保護と言ったところでしょうか?」

何故に疑問系?

「…本当に保護なんだよね?」

綿毛が恐る恐る訊く。

「はい、とりあえず他の弟妹(きょうだい)に会っていただきますが…手を出されることはないと思いますよ?怪我をさせてしまったら、私達はお義父さんとの約束を破ることになってしまうので」

他の兄弟は優しいのかな?

いや、でも最初に私以外なら切り掛かってたかもって言ってたから……かなり気性は荒っぽそう。

てか、話しの感じルシエルさん含む兄弟だけど………もしかしてファザコン?

そんなに娘さん達に愛されてるルシエルさんのお父さんのこと、めっちゃ気になるんですけど!

とりあえずお父さんだからエルフってことだよね?

だから先代勇者はエルフってことで………

でも800年前にはもう先代の勇者は死んじゃってるから戦死?間違いなく寿命で死んだという線はない。綿毛の感じ、千年以上経った今でも20代くらいの年齢にしか見えないし、実質不老なんじゃないかと踏んでいる。

僕はルシエルさんの話を聞きながら一人、先代勇者及びエルフについて考えていた。

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