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邂逅 黒(4)

黒崎の登場と綿毛の煽りにより一触即発だった状態が変わった………

あの~、僕もやるんですかね?

綿毛だけじゃないの?

てか、なんで由希もすずもやる気になってるんですかね?僕だけ仲間外れですか……

やるしかないのかなぁ…友達は斬りたくないんだけどなぁ…

そんな思考を残しながら僕は黒崎のアンデットの群れに向けて走り出した。

一触即発状態だった黒崎との火蓋が切って落とされた。

そして、この戦いは以外っちゃ以外で、当然っちゃ当然な結果となる。


「行け!俺の眷属達よ!目の前の奴らに真の強者はこの黒崎様だってことを教えてやるのだ!」

一斉に襲い来るアンデット達。僕達は正面から迎え撃った。

戦闘に入った途端に僕の思考は澄み渡っていた。

昨日の魔狂の森での戦いの時は焦っていたからできなかったけど、今は出来る。

帝国の訓練場で教えてもらった剣技を!

「基本剣技、抜剣!」

僕は鞘から瞬速の剣を抜き放ち目の前のアンデットを斬り捨てる。手応えあり。

前回も同じような技を繰り出していたが、今回の技は前回の技とは比べ物にならないほどの速度で抜き放っている。

僕は剣を抜き放った勢いでそのまま戦場を駆けた。

同時に他の場所でも攻撃は始まっていた。

「初級無属性魔法、時空連結(ワープポータル)

魔法が発動した瞬間戦場の一角のアンデットが一気に消えた。

すずさんや、初級とか言いました?初級じゃないよね?それ。しかも無属性魔法ってなに?後で訊こう。

「アンデットなら火に弱かったよね!それじゃぁ…技術(アーツ)火炎弓(フレイムボム)

綿毛は弓から火の矢を放った。そして相手の中心に矢がたどり着くと大爆発が起こった。アーツスゲェ……

そしてミュゲさんも戦ってくれていた。

闇刺術第1条(あんしじゅつだいいちじょう)単糸閃光(たんしせんこう)

一度に倒す数は少ないが確実に屠っている。

各自がそれぞれ攻撃を行っているが相手はまだまだいる。

僕もずっと剣を振るっているが減った感覚がない。

「鳴波!アンデットに斬撃は有効だけど、その後燃やさないと蘇るよ!」

すずからのアドバイス。

なんなの!?ゲームとかアニメだったら斬って終わりじゃん!?

慌てて今斬ったアンデットに火球(ファイアボール)を当てる。

だから綿毛は火の技術アーツを使っていたのか。

……地味に面倒くさいの辞めてくれませんかね?

でも…あれ…?ミュゲさんが倒したアンデットは蘇ってきてないよね?

なんか特殊な技なのかな?

これも後で訊いてみよう!

てか、由希は何やってんの?全然動かないんだけど、意識あるのかな?

「由希!ぼーっとしてないで何かやってよ!回復魔法でもいいから!」

由希に声を掛けるが動かない。

流石に1人でこの数のアンデット捌くのは無理があるって……と思っていたら数体由希の方に行ってしまった。

「ちょ、由希…」

危ない、という言葉が出る前に由希がいきなり走り出した。アンデットの群れに向けて……それは別の意味で危ないって!?

「由希!何考えてんの!?」

由希に声は届いていなさそうだ。しかし、由希の表情も困惑していた。あれは自分でも分かってないヤツだ、と直感的に理解した。

本当に何やってんの……

そんな中、由希がいきなり群れの中心で止まった。そんなところで止まったら囲まれて殺される。ていうかもう囲まれていた。

「「「「由希!!」」」」

みんな一斉に由希に向けて走りだす。しかし、誰も間に合いそうにない。

そんな...

由希までいなくなるのか?

そんなのダメだ……絶対に…

「由希~!!」

叫んでも意味がない事は分かってる。でも、何もできない事が嫌で、叫ばずにはいられない。

由希の断末魔を聞きたくないが故に、僕は目を背けてしまった。

「……逆転運命(リヴァーサルフェイト)

しかし、僕の耳に聞こえたのは由希の囁く様な、呟く様な声だった。

そして、この声が状況を変えた。

圧倒的な数で押されていた僕達と勝ち誇っていた黒崎の立場が、まさしく逆転した。

数千のアンデットは跡形もなく消えていた。

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