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評価、ブクマありがとうございます。嬉しいです。







「レイく〜ん!!!」



少し離れたところからエリスが走ってくる。とても可愛らしい。



あの様子だとテストは問題なかったようだ。


一緒に演習ができそうで何よりだ。






しばらく待っていると、全生徒テストが終わったらしく朝集まっていた場所に再度集合する。



「おつかれさん!!!ここにいるやつらは校外演習は全員問題なし!上位クラスとしてより実のある演習に励んでくれ!!!」




今はクレアではなくライツが前に立ち話をしている。




「5日以内に4人でパーティを組んで5日以内、俺かクレア先生に提出してくれ。校外演習は2週間後だ。それまで準備を怠らないように!以上!」





(………4人…だと…?)










フェリの元にはたくさんのパーティ希望者が訪れていた。




「どいつもこいつもパッとしないわね。

リナみたいに相性のいい人なんて何人もいるなんて思ってないけど、せめて役に立ちそうな人くらいいないのかしら。」




「フェリは理想が高いのもあるけどフェリ自身のスペックが高すぎるんだよー。私なんて家建てるか料理するかくらいしかできないんだから。」




「それが大事なのよ。あなたは私にできないことができるんだからパーティメンバーとして文句なしだわ。もちろん親友としてもね。」



リナと呼ばれたおっとりした口調で喋る彼女はリナ・ヴァロライン。小さい頃からのフェリの幼馴染でフェリが戦闘。リナがサポートと役割を分けて長い付き合いである。



フェリがいるためリナ自身が戦闘を行うことは珍しいが水準以上の戦闘力と使役精霊であるノームの能力によって1年時からSクラス生徒として入学している。



「はぁ、もういっそ邪魔にならなければ誰でもいいかなぁ……。」




「おお!こんなところにおったか。ティーナス嬢。随分と探しましたぞ!」




「げっ…」




フェリがため息をついていると遠くからフェリを探す男性の声が聞こえてくる。





「昨日の戦いぶりは見事でございました。流石は神童フェリ・ティーナス嬢。

聞けばまだパーティメンバーは決まってないと言うではないですか。貴方ほどの実力なら引くて数多でしょう。

にもかかわらずまだメンバーを探していると言うことは、このピエル・フラゾワを探してたということですかな??」




「近いわよ。」



「あはは…。」




早口で捲し立てる1-Sクラス。王国随一の商家、フラゾワ家の次男ピエルがフェリとリサの話すテーブルまでやってきた。




今まで以上に大きいため息をつくフェリであるが状況には慣れているのか、目も合わさずに舌打ちをかます。




「今回の演習は4人パーティ。魔物を倒しながらより強力な精霊と邂逅。あわよくば契約までが演習の目的。

であれば強いメンバーであればあるほど充実した演習になるのは、ま・さ・に!自明の理!

私の使用人であるノアとリナ嬢を含めた4人パーティなら必ず成功で終わることができると思うのだが…いかがでありましょう?」




「昨日断ったでしょ。しつこい。」




そう言ってフェリはピエルの後ろに目を向けるとフェリと同じ制服を着たノアと呼ばれた使用人が主に見えない角度でぺこぺこと頭を下げている。

可愛い。あの子をなんとかピエルから引き離せないものか。



そんなことを考えながら、ピエルから押し寄せる言葉の波をうまいこといなしていた。







レイにとっては絶望的な人数を言い渡されてから3日後。




レイとエリスはそれぞれの属性の授業に参加した後2人で食堂に来ていた。



「ま、まずい。このままだとあまりもの同士で気まずい感じになるか最悪パーティも組めないようなコミュ障は演習から外されるかもしれん。

エリスがいる手前それだけは絶対に回避しなければ。

……クレアさんあたりに言えばなんとかしてくれないだろうか…。」




「そう言えば聞き忘れちゃったんだけどクレア先生とはお話だけだったの?」



「話した後にちゃんとテストをやったよ。ギリギリ問題なかったよ」



苦笑いを浮かべながら答える。嘘はついていない。


 


同時刻。同じ食堂の5つほど離れたテーブルではあいもかわらず勧誘を続けるピエルを尻目にフェリはいつもと違う違和感を感じていた。




(私の精霊がおかしい。完全に息を潜めて何かから隠れてる?それに微かに光属性の魔力を感じる。私以外に光属性の使い手がいるってこと?)




「ねえ、ピエル。」



「いかがなさいましたか?ティーナス嬢。パーティ申請期限は明日までですぞ?そろそろ申請しないと間に合わないのですが…。」



「黙って私の質問にだけ答えなさい。

貴方が持ってるデータのなかに今年の1年生で光属性を操る生徒はいるかしら?」



「えっ?それはどういう…?」


「いいから答えなさい。パーティを組みたくないの?」



「は、はい!先日のテストを見る限り1年生の中に光属性の精霊術を操る生徒はティーナス嬢以外にはおりませんでした。」




「そう。ありがとう。」





(3年生はここにはいない。2年生は何人かいるけど光属性を使おうもんなら私が知らないわけない。つまり1年生の中に光属性を隠してる生徒がいるということ…。)




「そういえば、先日のテストを1人だけ別演習場で受けた生徒がいるみたいな噂がを耳にしましたが…」



(それだ!!!!!)




「ピエル。」



「は、はい!」



何かに気づいたフェリは満面の笑顔でピエルに微笑みかける。

それは天使と見間違えてもおかしくないほどの美しさで。



「ありがとう。貴方にいいパーティーメンバーが集まることを祈っているわ。」



「えっと…その……?」




戸惑うピエルの返事も待たずにフェリは立ち上がる。ついに見つけたパーティーメンバーを探すために。







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