②
説明多いです。
明らかにクラスの輪に乗り遅れたレイは絶望した表情を浮かべながらもなんとかならないか思考を巡らせる。
(どこか混ざれそうなグループはないか…?いや、まだ1人でいるやつに声をかけた方が可能性あるか????)
常人では考えられない速度で思考を巡らせるがそれでも時間は過ぎていく。色々考えた結果…
「おーい!席につけー!空いてる席ならどこでもいいぞー!」
とタイムアップ。
完全に乗り遅れたレイはなんとか挽回できないものかと考えながらも席に着く。
「聞いたとこがあるぞ…世の学園では新しいクラスになると自己紹介なるものがあって自分をアピールする時間が与えられると…。」
すると、ぼそぼそとつぶやくレンの後ろから背中を細いゆびがつつく。
「おひょぁぁ!」
少しくすぐったかったようでレンは奇声を発する。
「あっ…ごめんね…。ぼくエリスっていうんだけど、友達このクラスにいなくてさ…。よかったら仲良くしてくれないかな…?」
レイが振り向くと小動物のように小さな少女とも少年とも取れる人物が不安そうにしつつも照れくさそうにえへへっと笑いながらレイを見つめていた。
レイはまだ少しこそばゆい背中に違和感も覚えながらもこんなチャンスが滅多に訪れるものかと前のめりに体を傾ける!
「こ、声をかけてくれてありがとう。俺はレイって言うんだ。俺も友達がいなくてな…。是非とも仲良くしてもらえると嬉しい。」
レイ自身感情があまり顔に出るタイプではないため、これでもかなり頭の中はお祭り騒ぎなのである。
「えへへ…ありがとう。この学園で初めての友達だよ…うれしいなぁ。」
エリスはそういうと嬉しそうに手を差し出して握手を求める。
レイはすぐさま手を握り、よろしくな!と腕をぶんぶんと振り返す。
「おーい!そこの2人!仲良くなるのはいいことだが、これから大切な話だ。しっかり聞いていたほうがお前らのためだぞ。」
先ほど教室に入ってきたばかりの教師が2人を咎める。
「よし、全員座っているな!はじめまして、俺の名前はライツ。ライツ・ガード。お前ら1-Aクラスで1年間担任を務める。
得意属性は土属性、使役精霊はゴーレムだ。授業は土属性の実技になる。授業を受けるやつもそうでないやつも今日中に顔と名前を覚えてくれ!はっはっはっ!!」
豪快な物言いと笑い声ともに自己紹介を行うライツ。
そして話を続ける。
「このクラスにくるレベルのお前らならわざわざ言う必要もないと思うが、この世界で強くなるには精霊と契約しなければならない。1-Bクラス以上の生徒は全員精霊を使役している物言い達のみだ。現にここにあるお前らの入学試験の結果とプロフィールに書いてあるからな!
なぁに安心しろ。使役精霊や得意属性はそいつにとっての武器だからな人にベラベラ喋るようなことはしない!まあすぐに校外演習もあるしそんなに隠す意味はないがな!はっはっはっ!」
そう。この世界では属性適応率と呼ばれる数値によって、自分がどの属性の精霊と契約をするとより力を発揮できるかが決まっている。
適応率が低くとも契約自体はできるのだが、戦闘面で役に立つことが少ない。
つまり不得意属性の高位精霊よりも得意属性の低位精霊のほうが強い場合が多いのだ。
例外はあるにせよ、この事実がベースとなって皆は精霊と契約をしている。
また、1年生の段階で精霊と契約している者は半数以下であり、ほとんどは入学後に学園が用意した契約用精霊、もしくは校外演習で出会う精霊と契約を結ぶパターンが多い。
人によっては得意属性が2属性以上あり高レベルの精霊術を複数扱う者も存在する。
そういう人物がSクラスへ進級または入学することが多い。
属性適応率は0〜100で数字化されており1以上なら理論上はその属性の精霊と契約ができる。基本の属性は4つあり、火、水、風、土属性。またそれぞれの上位属性に爆、氷、雷、地属性の4つが存在する。それぞれ適応率が90以上あると上位属性を扱える基準となる。
さらに、この8つに分類されない属性として光属性と闇属性が存在するが、この2属性の精霊はかなりレアなのと性格に難があることが多いため適応率が高くてもこの2属性を扱うものは少ない。
ちなみにAクラスの担任であるライツは土属性の適応率が92。それ以外が全くの0なため土属性特化タイプ。ここまで特化していると中途半端な複数属性よりもだいぶ強い。
「そんなわけだからこの後は各々自分が受ける授業や入りたい部活なんかを決める時間にしてくれ!決まったやつから帰っていいぞ!
以上!おわり!また明日な!!!
」
それだけいうとライツはそそくさと教室を後にしてします。
「あ〜るぇ〜???自己紹介は〜〜????
」