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新年度になってから仕事がえらい忙しく、まともにスマホもさわれない状況でした。
GW明けまで忙しさ続きそうですが、なんとか隙間を見つけて書いていきます
魔の森を抜け近道を通ることに成功したレイ、エミリア、クレアの3人は合流地点手前の町まで辿り着く。
「今日はこんなとこかな。肩の凝りもほぐれたしいい一日だったな。はっはっはっ!」
「実際に動いてたのはエミリアさんだけですけどね。私とレイさんはお話ししながら歩いてただけですし。」
「私が好きでやってたんだから気にするな。
それより飯を食べよう。さすがに少し腹が空いたな。」
「わかりました。食事処は私のほうで探しておきますのでお2人は宿の確保をお願いいたします。」
レイとエミリアはクレアと別れ宿探しを始める。
「そういえば4人目生徒会長じゃないんだな?来たそうにしてたのに。」
「生徒に怪我させるわけにもいかんだろう。あの子の将来も考えたら当たり前だ。」
「いや俺も生徒なんだが?」
「お前は怪我しないだろ。」
進路希望が騎士団であるアカリにとって、重要なのは魔物の討伐実績ではなく対人戦大会の結果だ。騎士団入りが決まった状態ならまだしもこれから最後の大会を控えている彼女をここに連れ出してくることがいかにナンセンスであるかエミリアは理解している。
「明日はさらに危険な区域に入る。流石に私でも今日みたいな余裕はないと思うから前に出ろとは言わないが援護は頼む。苦戦することはないと思うが、私も怪我したくないからな。」
「任せてくれ。もう昔みたいに後ろをついて回るガキじゃないからな。」
「アカリとの戦いで久しぶりにお前を見たがただの生徒として学園に呼んだのを後悔する程度には驚いたな。
お前が初めてミカエルを連れてきた時は将来どうなってしまうかある意味心配だったがいい方向に成長してくれてよかったよ。」
次朝が早いこともあり夜は早めに眠りにつくことにしたレイ達3人であったが気配に気づきレイが目を覚ます。
『レイ様』
「ミカか?」
『はい、すこし距離があるようですがいかがいたしましょうか?』
「対処する必要あると思うか?」
『レイ様や私達が目標というわけでも無さそうです。ですが、明らかに方向はこちらへと向かっております。
結果的に面倒ごとになる可能性もありますね。』
「だよなぁ、仕方ない。ミカは万が一のためにここに残ってくれ。」
『ご命令とあらば。』
「任せた。少し行ってくる。」
『お気をつけなさいませ。』
そういうとレイは宿屋からでて明日の目的地の方面へと足早に消えていく。
「まだ、少し距離があるな。なにがいるのかわからん。かなり大きい魔力だが、これ下手したらエンシェントドラゴンより強いんじゃ?」
レイは遠くから感じ取れる魔力を頼りにスピードをあげて現場へと向かう。
「レヴィ」
『なーにご主人!?』
「悪い、少しおつかいを頼まれてくれ。ミカに伝言を頼みたい。帰りが遅くなるかもしれない。後で合流するからミカが付いて先に向かってくれと」
『わかったよー!じゃあ行ってくるねー!』
ものすごいスピードで移動しながらレヴィに伝言を託す。たかだか伝言に使われるリヴァイアサンであったが、本人は頼られて嬉しそうなので問題ないだろう。
レイが宿屋をでて30分後、エミリアも巨大な魔力を感じ取り目を覚ます。
「なんだこれは?エンシェントドラゴンが目覚めたのか?」
『あら、起きてしまわれたのですね。朝まで眠ってもらってもよかったのですけど。』
『あーしはもう戻っていいかな?ご主人のお手伝いしてたくさん褒められないと!』
エミリアは声のするほうに目を向けると2つの人影が話をしていた。
「ミカエルにリヴァイアサンか?なぜ私の部屋に?」
精霊人化でエミリアとそう変わらない身長の2人は対して興味もなさそうに目線だけエミリアに向ける。
『じゃあ行くからね!頑張ってね!』
『頑張るのはあなたのほうかもしれませんよ。レイ様にお気をつけてとお伝えください。』
『わかってるって!じゃあねー!』
目の前のエミリアを完全に無視してリヴァイアサンが飛び立つと10秒後にはすでに窓の外には見えなくなっていた。
『さて、起きてしまわれたのであればお話ししましょうか。』
「あぁ、頼む。お前がここにいるってことはレイはどうした?あとはこの魔力はどこからきている?」
『レイ様はこの魔力をいち早く察知し、事態の収拾に向かわれました。
エンシェントドラゴンとの関連性は不明ですが、エンシェントドラゴンよりはめんどくさいだろうと。
朝までに戻れる確証がないため戻らなければ私を連れてクエストを進めてほしいと伝言を預かっています。』
「エンシェントドラゴンよりめんどくさい?強いとは言わないのだな。」
『レイ様にとってエンシェントドラゴンだろうとその他有象無象に序列をつける意味などありません。レイ様より圧倒的に弱いのですから。
心配はご無用です。
おそらく少し距離があるのでしょう。今回時間がかかりそうな理由はそれだけです。何も考えずに貴方は貴方のやるべきことを済ませれば何も問題はありません。』
「とは言ってもな…。クレアは兎も角、あいつにはどう説明しようか…。下手したら私でも止められないぞ。」
『あいつですか?』
「お前も知っているだろう。コトネだよ。」
『あぁ、あの小娘ですか。懐かしいですね。』
「明日合流予定なんだが、レイがいないと知ったらなにをしでかすかわからん。エンシェントドラゴンよりめんどくさいことになりそうだ。」
『私は知りませんよ?危害がこちらにくれば対処しますが、それは貴方がたでなんとかしてください。』
心底面倒臭そうに目を細めるエミリアと、エミリアに一切顔を向けずに話すミカエル。
そのまま言葉を交わさずに朝を迎えるのだった。