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「ようやく見つけましたよ、ティーナス嬢。」



「げっ…」




フェリが苦い顔をして振り向くとめちゃくちゃ息切れしているピエルと涼しい顔をしたノアがこちらに向かってきていた。



「ぜえぜえ…あの後、貴方の大きな魔力を感知してから行方が知れず…探すのに苦労いたしましたぞ。」



「そりゃ、必要ないのに魔力なんか使わないでしょ。」



「そういうことを申しているのではありません。私という最良のパーティーメンバーがいるのにも関わらず、別の方とパーティーを組んでいるというとのことで。」



「ええ。いいメンバーが見つかったわ。今後は基本この4人で動くことになりそうね。」




「そうでございましたか。しかし納得いきませんな。実力で判断するのであれば同じSクラス所属の私とノアのほうがいいでしょう。」




「実力だけで判断してるわけじゃないからあなたではないのよ。

そもそも、実力もあなたより上だしね。」



「なんですと…?」



ピエルはそういうとレイをギロリと睨む。



「なんだ?」



「みたことない顔です。私、そこそこ情報には通じてるんですが、あなたの情報は持ち合わせていませんね。なぜでしょう?

ティーナス嬢と同じパーティーを組むほどの方です。なにか弱みでも握ったのですか?」





「好き放題言ってくれるじゃないか。人聞きが悪いな。なんなら声かけてきたのはフェリだぞ?」




「…まさか。ティーナス嬢が私の誘いを受けてるのにも関わらず貴方とパーティーを組む理由がないと言っているのです。ほかに理由なんて考えられないでしょう?」



「やるか?」

「受けて立ちますよ。」



2人は一触即発の状態になる。





「待ちなさい!」




そこに待ったをかける声をかけるフェリ。




「止めるなよフェリ。」



「あんたは熱くなりすぎよ。あんたの実力は痛いほどわかってるからそんなにポンポンと表に出すようなものではないわ。」



「あれだけ言われて黙ってろと?」



「そうは言ってないじゃない。まぁ聞いてなさい。」




「ピエル、あなたの言い分はわかった。勝手に実力の上下を決めつけたのも悪かったわ。

なら正々堂々と正式に決めましょう。

私とリナは2人。パーティーに入るのはあなただけじゃない。ならもう1人の実力も大事よね?」



「ええ、たしかに。では2対2で戦うということでよろしいですか?」



「そういうことよ。でも今じゃない。うちのパーティーのエリスはサポートタイプに加えて今新しい精霊と契約したばかり。練度も足りなければ契約で魔力もほぼ使い切っている状況。

フェアじゃない事くらいSクラス所属のあなたならわかるでしょ?」



「ティーナス嬢のおっしゃる通りでございます。では如何様に?」




「1ヶ月後、学園の教師に判定についてもらって正式に勝負しなさい。

それであなたが勝ったならあなたのいうとおり一緒にパーティーを組みましょう。」



「わかりました。では今日はこの辺りで失礼します。楽しみにしていますよ。」




踵を返してピエルとノアがその場を後にする。



「これでいいでしょ?正式にぼこぼこに出来るわけだし。」



「あ、あぁ…。容赦ないなお前。」



「頭が切れるといいなさい。エリスも聞いてたわね?頑張りなさい。」



「う、うん。レイくんと一緒に戦えるんだね!怖いけど楽しみだよ。ぼくがんばるね!」



「その意気だ。ウンディーネと契約して少し自信がついたか?」



「そ、そうかな?でもワクワクしてるよ!」



「わたしも2人とこれからもパーティー組みたいからね!頑張ってよ!」



「おう、リナのいないパーティーはもう信じられないからな。しっかり勝つぞ。」



「私も同じ気持ちよ。巻き込んで申し訳ないけど、あんたなら問題ないでしょ。」



「まぁな。ピエルって奴より後ろにいた使用人の方なら気になるが…。」





1ヶ月の時間ができたレイとエリスはウンディーネの信頼度を上げつつ複数人戦闘での練度も上げていくことになる。




「最終日は帰るだけにしたいし、今日は魔物を倒して小遣い稼ぎといこうか。」




「そうね。やたら邪魔される演習だったけど飽きなくて悪くなかったわ。」







その後、中央から少し外れたところで魔物相手に実践練習兼小遣い稼ぎを終えた4人は無事に初の大規模演習を終えるのであった。















「よし、揃ったな。少し長い旅行になるが楽しんで行くとしよう。」



「長すぎんだろ。大丈夫なのか1週間も学園をあけて。」



「問題ない。アストルム学園は優秀な教師ばかりなのでな。私の人望といったところか。」



「あー、はいはい。…で?今日は3人なのか?」



「いえ、4人ですよ、レイさん。4人目は後から合流とエミリアさんに伺っています。

私もどなたかまでは聞いてないんですよね。」



「合流は明日の予定だ。クレアが会ったことない奴だからな、誰か伝えても仕方ないだろう。」



「俺のことは知ってるのか?」



「知ってるも何も私よりもお前の方が詳しいやつだ。」



「あー、なるほどな。なんとなくわかった。」



「どなたなんですか?」



「会ってみたらわかるさ、楽しみにしておけ。」




演習終了2日後にレイ、エミリア、クレアの3人はアストルム学園の門前に集まっていた。



「もう一度確認しておこう。

今回のクエストは封印されている古龍エンシェントドラゴンの封印を解き、無力化もしくは討伐。そして封印が弱まった原因の究明だ。

協会は自然に弱まったものではないと考えている。人為的な理由があればそちらにも手が回ればいいのだが。」




「今回は1週間ですものね。目的地まで2日半往復5日の旅です。仮に討伐できたとしても1週間は相当ハイペースでことに当たらなければなりません。

私久しぶりなんですけど大丈夫でしょうか?」



「全員久々なんだ。それは仕方ないだろう。

それにうちの教師陣は優秀だと言っただろう?1日2日遅れが出ても問題ないさ。」




エミリアはクレアの不安を払拭する。

クレアは胸を撫で下ろしたが、その言葉で今度はレイが不安を募らせる。





「それフラグになってないか?」




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