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本日の投稿はラストの予定です。
2人称の統一がしっかりできてないかもしれません。キリいいところまで描き終わったら修正します。報告いただければ、優先しますのでよしなに。
「あれ、ウンディーネじゃないか?」
「そうみたいね。本当にこんな中央にいるなんてね。」
翌朝まだ日が顔を出したくらいの時間にレイとフェリが湖の辺りまでやってきていた。
「この演習場では最上位の精霊じゃないか?噂を聞いてここまできてみたが、苦労が報われたな。対して苦労はしてないが…。」
「どうするの?エリス達を起こしに行く?」
「いや確実にしたいからまずは俺が話をしてくるよ。レヴィ。」
『どしたの?ご主人久しぶりじゃん!』
「精霊人化して現れてくれ。」
『オッケー!』
『キャー!!!まじご主人ぢゃん!!!!あー好きー!!!!』
突然現れた美少女ギャルがレイに抱きつく。
「レ、レイ?誰その子?」
突然現れたギャルに驚きを隠せず引き気味に尋ねるフェリ。
「おいこら邪魔だ。一旦離れろ。」
『えー、何でよー!』
レイはしがみつくギャルを引き剥がすとフェリの問いに答える。
「こいつはレヴィ。水精霊リヴァイアサンだ。そのまま出てこられるとこの場がとんでもないことになるから精霊人化で人の姿で顕現してもらっている。」
「リ、リヴァイアサンですって?水精霊最強格よ?あんたフェンリルのパートナーじゃない!?」
「あ、あぁ。色々あってな。昔ちょっと助けてやったことがあってそしたらこんな状態だ。」
「リヴァイアサンが人にベタベタするなんて聞いたことないわよ。しかも精霊人化って…。」
(私の予感は外れてなかった。確実にまだ隠している精霊がいるはず。光精霊のね。)
強大すぎる精霊はその力を抑えるために人の姿を型取り、低出力で顕現することができる。
能力が高すぎるが故の行動のためランクが低い精霊は使えない。
この状態であれば出力が低いため魔力量で素性がバレるようなことはないのだが、精霊人化している時点でその精霊の格がわかってしまう。
そしてこのレヴィの登場により、フェリがレイに初めて出会った時の違和感が確信に変わる。確実に隠している精霊がいる。それもこのリヴァイアサンやフェンリルよりも強大な。
レイとしては隠してるつもりはないが他の精霊の登場タイミングとうまく噛み合ってしまっているだけで色々明かせずしまいでいる。
(隠しているのには理由があるはず。でもレイがセラフィムより強力な精霊を使役しているのだとしたら私のコロネは…。)
「…どうした?」
「いえ、なんでもないわ。それよりどうするの?」
「同じ水精霊だしレヴィに話してきてもらおうと思って。」
「なるほどね。ウンディーネの警戒心を下げてからエリスと逢わせることで確実に契約できるようにすると。」
「そういうことだ。レヴィ、頼めるか?」
『えー、いいけどご主人久しぶりにこうやって話せたんだし…あーしご褒美欲しいな!ご褒美!!』
「ご褒美??リヴァイアサンだから魚とかか?」
『ご主人なーーーーんもわかってない!あーし別に主食魚じゃないんだけど!!』
「レイ、それはさすがに可哀想よ。」
「え?じゃあ何が欲しいんだ?全く検討がつかん?」
『決まってんじゃん。ちゅーでいいよちゅーで!あーしご主人とちゅーしたい!』
「は?」
「はぁ!!?!?」
「そんなことでいいのか?それなら今してやるが。」
「そそそそそそんなことって!!あんたそんな簡単にちちちちちちちゅーなんて!!!」
「何言ってるんだ。相手は精霊だぞ?人化解いたら泣く子も黙る最強の水精霊だぞ?」
「いくら精霊でもそんな簡単にすることじゃないでしょ!みてこの子の顔!すごい乙女な顔してるじゃない!どこが最強の水精霊よ!」
『い、いいの?あーしついにご主人と結ばれちゃうんだ…!ちゅーしたら子供できちゃう!?』
「ほら、明らかに様子がおかしいわよあの精霊。全くリヴァイアサンの威厳ないんだけど。」
「精霊も生き物だってことだ。ほれ。」
そういうとレイはレヴィの頬に軽いキスをする。
『ほぁぁぁぁぁあああああ!!!ご主人!好き!愛してる!行ってくるね!!!!!』
頬にキスをされたレヴィは水精霊とは思えないくらい顔を赤く染めると駆け足でウンディーネへと向かっていく。
「可愛いもんだろ。」
「はぁ、なんとなくレイの本性がわかった気がするわ。」
「何だよ本性って。人聞きが悪い。
よし、レヴィが帰ってきたらウンディーネとエリスを逢わせるからな。フェリ、エリスを任せられるか?」
「わかったわ。起こしてくるから待ってて。」
その後戻ってきたレヴィと共にパーティーの4人はウンディーネの元に向かう。
「ウンディーネ、俺からもお願いする。エリスはいいやつだ。必ずお前を使いこなせる。いや、そう出来るように俺が師となろう。」
「ウンディーネ、お願いします。ぼくに力を貸してください!!」
そういうとウンディーネはこくんと頷く。
「やった!ありがとう!ウンディーネ!レイくん、フェリちゃん、それにレヴィちゃんも!!!」
「よかったな。でも大切なのはこれからだ。ウンディーネを使いこなせるかはエリス次第だ。
なんでも聞いてくれ。可能な限りサポートするから。」
「う、うん、そうだよね。これからだよね。レイくん、フェリちゃん、リナちゃん。これからもよろしくお願いします。」
エリスは本当にいい子だ。
精霊が反旗を翻すことはないだろう。安心して力の限りを教えることができる。
「それじゃ、戻るか。あと1日あるし、戦闘経験値をあげてシルフとのシナジーを考えるところまで行けたらいいな。」
「ええ、私も戦いたくてウズウズしていたわ。」
「レヴィもありがとな。助かったよ。」
『ご主人が喜んでくれて嬉しいよ!で・も!またすぐにあーしを呼んでくれなきゃいやだからね!寂しいもん!』
「悪かったよ。またすぐに頼ることになると思う。よろしくな。」
『うん!待ってるよご主人!』
レヴィはレイに向かって投げキッスをすると姿を隠す。
「フェリ、あれってもしかして?」
少しよそ見をしていたリナが何かを見つけたようだ。
「ようやく見つけましたよ、ティーナス嬢。」
「げっ…」
【登場人物プロフィール】
名前:フェリ・ティーナス
年齢:16
得意属性:光
得意武器:弓
属性適応率:火62水0風13土0光87闇50
使役精霊:セラフィム(天使・光)、コロネ(バーンキャット・火)
王立アストルム学園1年生。学年首席。学力も実技も学年トップのとんでも才女。
出自が不明なため入学前に話題になることはなかった。少し闇を抱えているようで…。