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Aランクの水精霊であるウンディーネ。




Aランクに振り分けられているもののそのポテンシャルは高く、魔力が非常に高いことで有名な精霊である。

ある程度基盤が出来上がっている3年生すらウンディーネを求めて演習場を探し回るほど。




決して希少というわけではないが強さも相まって1年生レベルの学生が探すのにはかなり苦労をするが、今回レイ達がわざわざ中央付近まで足を運んだのはそこにある湖に比較的出現しやすいからである。




湖にはウンディーネ以外にも水精霊が多く棲家としておりエリスが求める水精霊を探すのにはうってつけの場所である。




「よし、アクシデントもあったがなんとか今日中に着きそうだな。この辺りで野営するか。」



「暗いと何も見えないからね。わたしに任せて!ノリスお願い。」



そういうとリナは小さな土精霊のノームを顕現させる。



「土精霊?なにをするんだ?」



「リナのノリスは器用だからね。まぁ見ていなさい。」




「クリエイトプロパティ!」



少し大きめな魔力が動く。




「ほう、なるほど。器用だな。」


「す、すごいね。」



5分も経たないうちに簡易的な住居が出来上がる。



「長居するわけじゃないから凝ったものではないけどね。」



「リナの精霊はこういうことのプロなのよ。」



「こりゃSランクだ。どちらかといえば攻撃寄りの土属性でこのサポート能力は高すぎる。」



本人は簡易的といっているが、十分クオリティの高いものができている。

例えばもっと時間をかけるのであれば要塞のようなものも創造可能ということである。



現時点で器用さだけでいえば現役の騎士団員や冒険者より上かもしれない。



いつも野営といえば野晒しの状態だったレイとしては初めての体験でこの演習の何もかもが新鮮である。




「うわ!中もしっかりしてるな。部屋まであるじゃないか!」



「もうリナ無しのパーティなんて考えられないわ。感謝なさい。」



「あぁ、リナにもリナに出会わせてくれたフェリにも感謝してるよ。」





その後4人は持ってきている食料で夕食を囲み暗くなる前に眠りについた。

本来なら見張りが必要な野営ではあるがしっかりとした作りの建物であること、レイが独自に結界を張るなどし寝ていても守りは万全である。








数刻前。





「ピエル様魔力反応が見つかりました。」



「よくやったぞ。どこにいる?」




「それが…。」



「どうした?早く言いたまえ。」



「かなり中央付近です。そこでティーナス様の魔力を感知いたしました。」



「そうか。さすがはティーナス嬢であるな。入学したてにも関わらず中央付近を演習場所に選ぶとは。我らも向かうぞ。」




「お待ちください、ピエル様。残りのパーティーメンバーは疲弊しております。

いくらピエル様の力を持ってしても中央付近の魔物や精霊と戦闘になれば大怪我する可能性もございます。」




「ふむ。そこそこ戦えるメンバーだと思ったら体力がないとは。鍛錬が足りんな。

ノア!此奴らはここに置いていく。隠蔽の魔法でもかけておいてやれ。」



ピエルのパーティーメンバーは度重なる魔物との戦闘で疲弊していた。

属性適応率を上げるには精霊を使役し戦闘を行なって限界値を引き出す方法が最も効率的だ。


しかしこの方法では体力の消耗が激しく連続した戦闘には向かない。


それでもこの状態戦闘体制をキープできるピエルが優秀なのであって、残りのメンバーが弱いと言うわけではない。仮にもSランククラスパーティーである。



「待ってください。ピエル様お一人では危険です!!」



「?何を言っているのです。ノアも行くのですよ?」




「…チッ。だとしても2人で中央付近は危険です。ティーナス様には優秀なパートナーであるリナ様がいらっしゃいます。それに合わせて4人のパーティーなのですから私達とは前提が違います。」



「ノアの能力があれば問題ないでしょう。魔力探知で接敵せずに向かいます。

ほら、モタモタしていると置いていかれますよ。」



「お、お待ちください〜!

………全く。無茶がすぎます。お二人とも申し訳ありません。魔力隠蔽をかけますので安全なところまでお戻りください。隠蔽は2時間ほどで解けてしまいますので少しお休みいただいたら早めに動いていただけると。」




「感謝する。君も大変そうだな。」

「ありがとね、ノアちゃん。」




「いえ、主人の不手際を拭うのは使用人の仕事でございますので。」






ノアは2人に魔力隠蔽をかけると足早にピエルを追いかける。





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