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『レイ様』



『わかってるよ』




「エリス悪い。少し急用ができちまった。お前はゆっくりしていてくれ。」



「う、うん。わかったよ。行ってらっしゃいレイくん。」




ミカエルから促されてその場をあとにするレイ。




『広い場所にいこう。面倒だがあの生徒会長と似た匂いがする。』



『私ほどではありませんが、同じ私と同族の匂いがします。』



それぞれが別の匂いを嗅ぎとり、誰にも見られない場所まで移動する。






「貴方ね。」



「誰か探してるのか?」



「とぼけても無駄よ。わざわざこんな場所まで移動してついてきてくださいって言っているようなものじゃない。」



「はぁ…それで、なんのようだ?」



学園外れの演習場の1つで2人は向かい合う。



「単刀直入に聞くわ。私のパーティにはいら「入ります!」ない…え?」



食い気味に答えるレイ。



「なんだよー。警戒して損したぜ。ついにパーティメンバーが3人になった!後1人ならなんとかなるかもしれん!」



「え?あの!ちょっ!!」



1人で勝手に話を進めるレイに戸惑いながらもフェリはなんとか自分のペースを取り戻そうとする。



「わ、私は1-Sクラスのフェリ・ティーナス。貴方をパーティに勧誘しに来ました。

私のパーティーメンバーに見合う生徒がなかなかいなくてね。そこに貴方を見つけた。

何を隠してるの?実力も知りたいからせっかくだし模擬戦でもしない?」



レイはそう上手くいかないよなと思いつつも



「俺はレイ。聞いての通り後2人パーティーメンバーを探している。模擬戦なんてそんな血生臭いこと言わないでとりあえずこの用紙にサインしてくれたらいいからさ。」



そういってレイはパーティーメンバー表をフェリに差し出す。



「Aクラス…?貴方…いえ、失礼。レイから溢れ出る力を見る限りどう考えてもSクラスレベルなんだけど…。なにか訳ありってことね?

いいわ。私そういうの好きだもの。

でもね、パーティーメンバーになるのはちゃんと戦ってからよ!

私こう見えても人気でね?最悪、レイと組まなかったとしてもいくらてもメンバーに当てはあるわ。

それに私のパーティーも今2人よ。レイのパーティーメンバーと合わせるとちょうど4人なのだけれど。」



「こいつめちゃくちゃ理詰めしてきやがる。」



だが、レイにとっては願ってもない提案だ。模擬戦さえすればフルメンバーが揃う。



「ちなみにレイが勝ったら私に何をしても構わないわよ。」



「な、なんでもだと…?」



この一言で危うくミカエルが飛び出しかけるがなんとか抑える。



「なんでもって。なんでもか?」


「ええ、なんでもしてあげるわ。」



万が一にも同学年に負けるとは思っていないフェリは自信満々にそう答える。



「じ、じゃあ………友達になってくれないか?」



「え?そのくらいなら私が勝っても構わないけど。」



「いいのか!よし!やる気出てきた!やろう!ここで構わないか?」



「よくわからないけどなぜかやる気になってくれたのは好都合だわ。いいわよ、ここなら誰も見てないし始めましょう。」





戸惑いながらも結果的に希望通りになったフェリも戦闘体制に入る。



「セラフィム、来なさい。」



そう告げるとフェリの目の前に天使が顕現する。



ミカエルほどではないがそれでも他を圧倒するような圧力。

3メートルはあろうかという翼をはためかせてレイを見つめる。ただ、その瞳は少し怯えているようにも見えた。



(なるほどな。これだけの精霊を使役していれば強気になるのはわかる。

ただ、こいつの上位精霊であるミカエルの足元にも及ばないだろう。)



言い方は悪いが、単純にミカエルの下位互換であるセラフィムでは勝負はすでに見えている。


何より涙目でこちらに訴えかけてくるセラフィムが少しかわいそうになるレイであった。



「フェリが強気な理由がわかったよ。いい精霊だな。」



「あら、驚かないのね。テストで手合わせした3年生はビビりちらしていたのだけれど。」




「まぁな。」



「…ん?」



そんな会話をしているとフェリは違和感を覚える。



(少し寒い?気のせいではなさそうだけれど)



「…雪?」



チラチラと季節外れの雪が降り出し、それに気を取られたフェリが再びレイに視線を向けるとすでにそれは佇んでいた。





「…フェンリル。そういうことね。」



「ほう、よく知っているな。」



氷属性の最強格。


【白銀狼 フェンリル】


ランクはSでセラフィムよりも格が上。ただその姿をみてもフェリの頭から疑問が離れない。




(おかしい。フェンリルも確かに強力な精霊。学生なんかが使役できる精霊ではない。

でも私が感じた精霊は光属性のはず…。フェンリルは氷属性。この違和感はなに?)



『なんで私ではないのですか!!』


『お前だしたらあの天使失神するぞ。これから友達なるかもしれないやつの精霊にそんなことできるか。』




実際はあまりに可哀想な状況になっているセラフィムに同情してしまい、出たがるミカエルを無理やり止めた結果なのだが、フェリにはそこまでの考察はできない。



それに唯一気づいているセラフィムは主人にバレないように目線だけでぺこぺこしている。







『久しぶりだな。主よ。我の相手はあの小僧で間違いないか?』



「あぁ、絶対に殺すなよ。なんかこういい感じに勝ってくれ。」











【登場人物プロフィール】


名前:アカリ・レイリーク

年齢:18

得意属性:水

得意武器:刀

属性適応率:火15水88風50土29光63闇8

使役精霊:セイレーン(水)、???(?)


王立アストルム学園生徒会長。アストルム学園歴代最強の生徒会長で学生の身でありながら次期王国騎士団長の呼び声も高い。

本人はかなりの戦闘狂で自らの成長に繋がるのであればなんでもするような性格。

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