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ハーレム一行、顔合わせにつき

「さ、ハレンチもいいけど、観月。」


「え?ハレンチはよくないけど、どうしたの?」



さっきまで、あんな、悦びに満ちた顔してたのにそんな、ばっさりと・・・。


ちょっと・・・悲しい・・・。


でも、あの時の観月は綺麗だったな・・・。



「ユーちゃん?エッチな顔してる・・・。もぅ・・・やだぁ///」


「まぁ、仕方ないよ。今の観月ちゃん、綺麗だもん。」


「うぅ・・・!も、もう!」



風呂から上がった観月と俺は、浴衣に着替えて、過ごしていた・・・。


制服と下着類は、仲居さんが預かり、クリーニングしてくれるという話だったので、そのままお願いしたからだ。


浴衣姿の観月は、綺麗だった。


お風呂で火照った肌と、白い浴衣のコントラストは、とても美しく、ゴムで結わえて上げた髪のうなじはとても美しくかった・・・。


本当、まぁ、綺麗なこと・・・。



「そ、そんな見つめないでよぉ!」


「うん・・・。観月、綺麗だよ。」



俺の視線を感じて、思わず身を捩った観月。

その大きな胸は薄い浴衣の中で、ふにに・・・と形を変える・・・。

さらに浴衣のラインは綺麗にまーるいお尻の形を強調していた。


下着をつけてないから、身体の形がハッキリ分かる・・・。


なんと、素直でやらしい身体つきだ・・・。

幼なじみとして、とても、誇らしい・・・。


俺は胸いっぱいに息を吸い込むと、惚れ惚れとする観月の身体を眺めて深く息を吐く・・・。


「はあぁー・・・。いいねぇ。」


「きゅ、急にどうしたの?」


「誰の手にも渡らず、俺の彼女になってくれた奇跡に、心から感謝しているところだ。ありがとう、観月。君に出会えて、君と結ばれて、本当によかった!」


「も、もう・・・///どうして、そんな恥ずかしいこと、まっすぐに言えるかな・・・。本当、すごいと思うよ、その素直さ・・・。ふふ・・・でも、うん。とっても、嬉しい・・・!そういう風に言ってくれると、私も心から貴方と一緒になれてよかったって思えるよ。ありがとう、ユーちゃん。」



観月は頬を染めながらも、俺の言葉に満面の笑顔で頷いてくれた。



「う!う!」


「うん!もちろん、シルクもだよ。」



布団から抜け出したシルクは、少し落ち着いたのか、まだ少し赤い顔で、俺の腰に抱きついた。


ふにふに・・・むにむに・・・。


「うー・・・///」



お返しにと、胸を揉みしだくと恥ずかしそうにシルクは身をよじり、上目遣いで俺を見上げる。

明らかに前とは違う反応に、俺は小さくほくそ笑んだ。


そうそう・・・。この反応だよ。

俺だけに見せてくれるこの顔がとても、俺の男の部分を(くすぐ)ってくれるんだ。


“恥じらい”って大事だなー、やっぱり。



「うん。恥じらいもちゃんと、機能してるみたいでよかった。これなら、街に行っても、違和感なく過ごせるだろう。」


「ほんと、それは救いだよ。悪い人に知らないうちにハレンチされてたかもしれないもんね?」


「あぁ。恥じらいは防衛本能の一種だもんな。何も知らなきゃ、変なことにも巻き込まれかねない。特に、こんな、可愛いとな~!」


「うぅ~!」



しゃがみこむと、シルを抱きしめて、頬に頬を寄せて擦り寄せる。


シルも嬉しそうに、頬を擦り寄せた。



「あ、あぁ・・・。ユーちゃんが取られちゃう~。強力なライバル登場だよぉ~!」


「なーに言ってんだ、観月。」



わなわなと震えながら、観月は俺たちの触れ合う様を見るが、俺はその手を取ると、引き寄せる。



「この栄咲遊助さんの前では、女性同士のライバルなんていない。みーんな仲良く、俺に愛でられるられるのだー。あっははは!」


「ふふ・・・もう・・・。」


「ぅうー・・・くすくす・・・。」



観月を抱きしめて、シルクも抱きしめて、まさに両手の華という状態だ。

両手の中で、一瞬キョトンとした観月とシルクだが、俺が大声で笑うとつられて、二人も笑っていた。



「さてと。恥じらいついでに、人間の生活習慣の勉強もしないとな。てことで、シルク、お風呂のお勉強しておいで。」


「そうそう!シルクちゃんは女の子なんだから、いつでも綺麗にしてないと♪」


「う?」



食事の合間に相談していたのだが、シルクはまだ人間社会には慣れてない存在だ。


変なことで、人に迷惑をかけるのも、かけられるのも本人のためにならないので、これからしっかりと勉強させていこうという話になった。



「さてと、シルクと観月がお風呂に行ってる間に、俺も図書館に行ってくるかな。様子を見とかないと。」


「図書館、大丈夫?大分、荒れたんでしょ?」


「あぁ、大丈夫だ。安心していい。今頃、前魔王が片付けてると思うから。」


「へぇ、魔王さんが・・・!それなら、安心だね!ウンウン!」


「う〜!う~!」



観月は笑顔で頷くと、シルクの手を引いて、お風呂へと向かって歩き出した。

二人を見送ったら、俺も図書館に向かおうかな。


姿勢を安定させるために、座椅子に腰掛け、風呂に向かう二人に手を振って見送る。



「そっか~!魔王さんがねぇー!・・・って?」


「うーうー!・・・っう?」



扉に手をかけたところで、観月とシルクはハタと立ち止まり、そのままドタバタと戻ってくると、椅子に座る俺に飛びついてきた。



「なななっ!?まままおおぉー・・・!?」

「うううっ!?うううおおぉー・・・!?」


「え?うおぉー!?あぶねっ!?」



二人は叫びながら俺を転がすと、俺の全身をまさぐりはじめる。



「おぉー!まさか、二人からこんなに求められるとは・・・よーし!こい!俺とムスコは逃げも隠れもしないぞ!」



大の字に寝転ぶと・・・

二人に向かって“(屮°▽°)屮カモーン”と手招いた。



「え!?あ、ち、違う!そうじゃないでしょ!ちょっと!ナニ立ててるの!バカ!」



ーペチン!



「痛ぁっ!?うおおぉー・・・。」



テントの存在に気付いた観月は、テントを思いっきりハタいて、顔を真っ赤に染める。


俺は急な股間の痛みに、部屋を転げ回り悶絶した。



「痛ってー・・・!ナニすんの!?折れたらどうしてくれるんだよ!」


「も、もう!ユーちゃんが変なことしてるからでしょ!?そうじゃなくて、魔王さんだよ!どういうこと!?倒したんじゃないの!?」


「あぁ、魔王は倒したけど、今では、ハーレムの一員だぞ?」


「えぇ!?し、知らない間に、一人増えてる・・・!?私とシルクちゃんの二人だけじゃないの?」


「え?四人だけど?」


「四人!?魔王さん含めても、一人多いの!?どういうことぉー!?ねぇ!」



キーッ!と怒り狂った観月は、俺の胸ぐらを掴むとブンブンと振り回す。


グルングルンと回る視界の中で、俺は言ってなかったっけ?と疑問の声をもらす。


まずったなぁー、色々重なってて紹介が後回しになってしまった。


これは良くない・・・。

非常に良くないぞ、栄咲遊助。


これだと、愛人を隠れて作ったみたいじゃないか。

そりゃ、観月には怒られて当然だわ。



「わ、悪かったよ。隠すとか、そんなつもりは一切なかったんだ。色々と重なって伝え損なってたんだ。許して欲しい。」


「まぁ、今回は色々とバタついてたから仕方ないけど、次からはちゃんと教えてね?知らないのは嫌だから。」


「すまない、悪かったよ。」



俺は頷くと深々と頭を下げる・・・。


たしかに気持ち悪いよな。

知らない間にハーレムが増えていったら、観月だって気分を害するというもの。


ハーレムを作るつもりなら、こういうのは、余計に気をつけないとな。



「今もその人たちって、そこにいるの?」


「あぁ、ここにいるよ。」



観月はチラリと俺の頭を見て、口を尖らせている。

俺も頷くと自身の頭を指さして頷いた。



「私も会いたい。やっぱり、ハーレムの一員として知らないのは嫌だもん。」


「それはいいけど・・・俺の頭の中の存在に会わせるなんてできるのかな?」


ピコン!▷『可能です。観月さんも図書館への入室権がありますので、図書館を通じて会うことは可能です。』


「え・・・?頭の中で声が・・・この声・・・図書館の天の声さんの声だ。」


「う?うう?う?う?」



突如、電子音と共に頭の中で、リライアの声が響く・・・。

それもみんなの頭の中で・・・。

いきなりはやめて欲しい。びっくりするから・・・。



「あれ?シルクも聞こえてるのか?」


「う?う?」



頭を押さえ、シルクはキョロキョロと周りを見渡してした。

声はするけど、正体が分からず、混乱しているようだった・・・。



『マスターの念話スキルで、シルクさんにも、話しかけいます。シルクさんもハーレムの一員ですので、図書館にお招きしましょう 。』


「うう?」


「なるほどね。でも、皆で会うにしても、身体はどうする?無防備だろ?」


『身体の方は、魅玖さんが警戒しておきますので、ご安心ください。では、図書館で。』



そのまま、しーん・・・と皆の頭は静かになった。



「そういうことなら、行こうか。図書館に。」


「うん!」


「うぅ・・・?」



皆で精神統一となると、座椅子ではやりずらいので、二人を誘うように、並べた布団に横になる。向こうではぐれないように、二人の手を握りしめる。たぶん、関係ないけど。



「シルクちゃん、目を閉じて。寝るみたいに。」


「う?うーッ。」


「はは・・・。そんな、ギュッと目を閉じなくていいぞ。軽くでいい。リラックス、リラックス。」


「う・・・。うー・・・。スー・・・スー・・・。」


「「寝たっ!?」」



少しモゾモゾとしたシルクだったが、すぐに寝息が聞こえはじめる。

寝つきがいいとかいうレベルの話かこれ?



「はは。羨ましいな・・・その才能は。それじゃ、行こうか。」


「うん・・・。寝てても、行けるかわからないけど・・・。」


「まぁ、試して見れば、分かるよ。せーの!」


二人は手を再度、力強く握り合うと声を揃えて、入室の呪文を唱えた。


「「《|Magia Memories《魔法図書館》》」」



意識がグーッ!と引っ張られる感覚に身を任せると、意識が向こう側へと連れていかれる。


空気が変わったことを感じ、目を開けると暗い空間にポツンと扉があった。



「観月、シルク。近くにいるか?」


「っ・・・あ、着いたね。」


「う?」



俺の呼び声に反応してか、二人の姿が明確に現れる。



「なんか、なれないなー・・・。この感覚。ユーちゃんが潜って、教えて貰うことが多かったからかな?」


「そういえば、観月が入ったのって、数えるほどだったな。」


「うん。まだよく、使い方が分からなくて。」


「これから合間を見て、もっと来るといいよ。この中には、観月の力になる何かがきっと眠ってる・・・。」


「うん。」



俺は二人を連れて、扉のドアノブへと手をかけた。



ー ギィィ・・・



「昼ぶり~・・・って、あれ?二人とも、どこいった?」


「っ・・・。」


「ぅ・・・?」



真っ白い部屋に沢山の本棚。

その中央に、洋風の丸テーブルを広げ、そこに紅茶やお菓子が置いてある。

まるで西洋貴族のティータイムだ。

ただ、二人の姿は見えない?

もしかして、まだ準備中だったか?

キョロキョロと辺りを見渡していると・・・



「お待ちしてました、マスター。観月さん、シルクさん。お席へどうぞ・・・。」



リライアの声が天から聞こえてきた。

指示に従うように、観月とシルクと俺は用意された席へと腰を下ろす。



「なんか・・・。私の知ってる図書館と違う・・・。」


「こちらは、頭のイメージを元に創られた空間です。ここにある物品も、マスターの記憶を元に再現されたものですね。」


「えっ!?びっくりした!?」



観月の座った座席の横に、落ち着いた声と共にスッと女性が現れる。

本当に驚いたのか、観月は数センチほど飛び上がると傍らに立つ女性を見上げた。


制服姿のブロンドヘアの女の子がメガネをかけて、笑って立っていた。

あ、珍しい。服装、変えてきてないんだ。



「ふふ・・・!すみません、仕様なもので。」


「リライアさん、意地悪しちゃダメですよ?いい印象を持ってもらわないと、ハーレムから追い出されちゃいますからね?ねえ?スライムさん?」


「うぅ!?」



椅子に座ったシルクを横から覗き込むように、スッと魅玖が現れる。

いやいや、キミも同じことしてるからな?



「やっと、お会いできましたね、観月さん。」


「・・・貴女は天の声さん、なの?」



椅子に座った観月に、向かい合うように膝をつけて座ったリライアはにっこりと微笑みをうかべた。

観月もオズオズと覗き込むように、目の前の女の子を見つめ返す。



「厳密には、違います。なんというべきでしょう・・・。私は端末で、本体は別にあります。たしか、本体は観月さんともお話したことがありますね。」



顎に手を当て、うーんと唸ると、伝わりやすいイメージをチョイスして天井を指さした。



「そっか・・・。じゃあ、本体がお母さんで、リライアさんは娘さんってわけだね。」


「そうなりますね。」


「本体が母親?・・・リライアが娘・・・?ふむ・・・。」


あれ?これ、新たなジャンルじゃない?

母娘丼いけるんじゃないか?


ムフ・・・!ムフフ・・・!



「ユーちゃん、なに想像してるの?」


「えっ?ちょっ、マスター!?そのイメージはちょっと・・・///」


《 要望を学習・・・検討します。》


「本体は、変な学習しないでください!」



俺の妄想ひとつで、二人はちょっとした騒ぎになってた。

いつか、本体も姿を見せてくれるといいなー。



《 要望を確認・・・検討します。》


「えぇー!?ほ、本体!?」


「名前はまた、考えとくよ。」


《 承知しました・・・。》



頷くような声が天から聞こえると、現場は更に大騒ぎになった・・・。


ムフフ~・・・楽しみだね~♪



椅子から立ち上がると、リライアと魅玖の手を取り、テーブルに座る二人の前に並べた。

このままじゃ、紹介が進まないからね。。



「じゃ、改めて紹介しよう。こちらの落ち着いた先輩みたいな雰囲気の女の子がリライアだ。」


「リライアです。よろしくお願い致します。」


「彼女は主に、この魔法図書館の管理をしている。」


「何か質問がありましたら、いつでも呼び掛けてください。すぐにお答えしますよ。」



頭を指さして、リライアは頷くと、軽く頭を下げた。



「そして、こちらの下級生の服を着た黒髪が綺麗な鬼っ子ちゃんは、前魔王、そして、今はリライアの補佐をしてくれてる。」


魅玖(みたま)といいます。主様に頂いたこの名前に恥じぬように、誠心誠意、己の役割を果たせるように励んでいきますね。」



にこりと頷き、魅玖は二人に小さく頭を下げる。

あれだけ悩んでいた服だが、今回はリライアに倣い、下級生の制服にしたようだ。

しかも、入りたての子。

スカートが長めで、タイツもまで履いている。

極力、露出を抑えた格好になっていた。


メガネは瓶底メガネ。それ、前、見えないだろ?

君という判断はもはや、その角と綺麗な黒髪しかない。



「へぇ・・・。」



スクリと立ち上がると、観月は二人の周りをゆっくりと歩き回る。



ー コツン・・・コツン・・・


妙に響く靴音が、皆の耳に届く。



「んー・・・・・・。」


「えっ・・・観月さん?」


「うっ・・・こ、怖い・・・。」



観月にジーッと観察されている二人はバクバクと心臓を高鳴らせながら、観月を視線で追う。


まるで、姑が嫁さんを観察するように・・・、いや、虎が獲物を観察するように、ゆっくりと二人を眺めて周りを歩き回る。


少しでも動いたら噛みつかれそうな程の威圧感に、二人はビクビクと震えていた。



「っ・・・!」


「「っ!?」」



二人の前に立つと、観月は眉を寄せて、急に両手を広げる。


二人はぶたれると感じたのだろう。ビクリと身を震わせると、目をキュッと閉じて痛みに備えて身構えた。



「うぅ~!二人とも、大丈夫だったぁ!?怖かったよね~!?ユーちゃんにハレンチされたんでしょう!?」


「へ?」


「えっ?」



身構えた二人を観月は一気に抱き寄せると、その大きな胸に包み込んで二人を慰め始めた。


一体なにが起きているのか、わからない二人はキョトンとした表情で観月を見上げている。



「み、観月さん?」


「あ、姐さん?」


「二人とも、ハーレムに入ったってことは、ユーちゃんにハレンチなこと、されたんでしょ?嫌だったよね?恥ずかしかったよね?ごめんね~?こんな、エロ猿なご主人様で!」



困惑している二人に気付いたのか、観月はパフパフをやめて、“違うの?”と観月は胸の中の二人に問いかける?



「は、破廉恥・・・ですか・・・///」


「あぁ・・・破廉恥・・・///」



二人は自分のされた行為を思い出し、思わず赤面すると、チラリと俺を見る。


え?何?その訴えるような目は?

二人とも喜んでたじゃん!


そんな反抗的な目をされちゃうと、お兄さん、ムフフな気持ちになって、二人にお仕置きしたくなっちゃうぞ?



「ふふ・・・!もちろん、強制はしてない。同意の上のハレンチだ。二人とも、俺の手に喜んで痴態を晒し!快楽に身を委ねて!恍惚な表情を浮かべていた!あんなに、気持ちよさそうに淫れていたのに、そんな風に思われてたなんて、ご主人様はショックだなー?あー、ショックだなぁー?」


「「い、言い方あぁー///」」



二人は顔を真っ赤にして、俺に対して、叫びをあげる。


俺はべーッと舌を出して、二人に悪態をついて見せた。



「ユーちゃん?二人をいじめたら、私がお仕置してあげるからね?女の子は大事にしないと・・・。ね?」


「でも、同意だったもーん!ぷいッ!」


「ね?」


「ぅ・・・すみませんです・・・調子に乗りすぎたことは、謝るよ・・・。次から、もっと優しくする。」



ゴキゴキと指を鳴らし、俺を笑顔で見る観月。


そっぽを向いていた俺も、しぶしぶ頷くと、二人に向かって、ぺこりと反省ポーズをとった。



「これから、よろしくね二人とも。何かあったら、いつでも教えてね。特に、ユーちゃんに酷いことされたら、いつでも言って♪」


「観月さん、ありがとうございます。」


「姐さん、凄いなぁ・・・。見習おう。」



観月は最後にギュッと二人を抱きしめると、元気に自分の席へと戻って行った。


是非とも、この“暴力ゴリラ”は見習わんで欲しい。


今の健気で儚げで、献身的なままでいて欲しい。



「おい、遊助?声に出てるぞ?そんなに献身的な女性が好きなら、マッサージしてあげるようね・・・。うん、そう。抹殺慈威(マッサージ)だよ!」


「ひいぃ嫌!いや!いいです!近付かないで、ください!お願いします!」


「そんな遠慮しないで?次は足だけじゃなくて、腕もしてあげるよぉ。」


「ひっ!?」



俺は、足湯での観月式マッサージを思い出した、震えながら、ヨタヨタと逃げる。

だが、思うように足が竦んで進まない。



「いや!いやだあぁー!こないでぇ!」



逃げられないと悟った俺は、両腕を抱え、足も隠すような体勢で正座する。


対観月用、体術!『亀の構え』だ!(即席)


これなら手も足も出てないから、マッサージは効かないはず!



「ふふ・・・!可愛い・・・亀さんみたい♪」


ー ドカッ!


「あ・・・。」



横腹を軽く蹴られると、そのまま仰向けにひっくり返される。


全身、丸見えの無防備な亀が、そこにはいた。



「アハハ八八ノヽノヽノヽ!!かわいいねぇー!!お腹もお手々も、あんよも丸見えだよぉー?」


「ガクブルガクブル・・・!!」



黒く淀んだ瞳で俺を見下ろす観月さん・・・。


やべぇやべぇやべぇやべぇ・・・!

出てきてる!出てきてる!彼女が!

闇観月(“やみ”みつき)・・・略してヤミツキさんが出ててきてる!?


拗れにこじれた幼なじみの関係で出来上がったサイコパス人格の観月さん。


この状態の時は、本当に何をするか分からないトランス状態だ。


狂ったことを口走り、狂ったことをしてきて、狂った見解をして、狂った笑い声をあげて満足している、まさに狂った存在。


闇観月(“や”みつき)さん】


やだ、やだやだやだやだやだやだ!


最悪、殺される!本当、やだ!



「ごめんなさい!ごめんなさい!調子乗りました!許してください!」


「なんで?そんなに、謝るのぉー?なんでぇー?ワタシ、何も怒ってないのにー?それとも、そんなに謝るほど、やましいことがあるのかなぁー?あるのかなぁー?ねぇ?どうなのー?」


「うぅ!うぅ・・・うぅ!」



あると言っても、追求され、死!

ないと言っても、追求され、死!

黙っていても、追求され、死!


そうなったら・・・逃げるしかない!



「うあああぁ・・・!」


「あれ?逃げるのぉ?でも、ふふ・・・でも、残念。“捕まえましたっ♡”・・・。」




ー ビンッ!



「がふっ!?痛たた・・・。え?なに?足に何か、絡まって・・・。」



扉に向かって駆け出したはずの俺は、足に何か絡まって、派手にすっ転ぶ!



「え?ロープ?なんで、こんなとこに。しかも、足に絡みついてるし・・・。」



見ると、足には縄が、絡み付いていた。

しかも、固結び。簡単には解けそうにない・・・。


ー ぐっ!ズル・・・ズずず・・・。


「え?なにが・・・・・・ひぃッ!?」



グイグイと引かれる先を見ると、そこにはニコリと笑う観月さんがロープを握って立っていた。


いつの間に、括りつけたんだ!?魔法か!?スキルか!?


その背後には般若が、手の巨大包丁をグルングルンと、回してコチラを睨んでいる・・・。


ただ、恐ろしい・・・。



「ふふははは・・・あハハハハハハハハハハハノ ヽノ ヽノ ヽ/ \/ \/ \!!!」


「いやだ!いやだ!いやだ!死にたくない!死にたくない!この歳で!死にたくないよおぉー!!助けて!誰かぁ!誰かぁー!」



観月は怯える俺を大笑いしながら、ジリジリと引きずると・・・やがて目の前まで手繰り寄せきった。



「え?誰か、助けるの?この変態の味方をするの?私の敵になりたいの?」


ー ぐるり!



『「「ブンブンブン・・・!!!」」』



ぐるりと、ヤミツキさんと般若が、残る三人を振り返ると、シルク、リライア、魅玖の三人は大きく何度も首を振っていた。



「う、裏切り者おぉー!お前らみんな、覚えてろよぉー!?無事に帰ってきたら、全員最大級のお仕置してやるからな!!」


『「っ!?」』


「ふふ・・・あはは!面白いねぇ?可笑しいねぇ?帰って来れると思ってるんだねぇー?そんなわけナイ・・・ダロ・・・ユウスケ?」


「あ・・・。」



気がつけば、目の前には、観月さんが、立っていた。

いつも可愛い目が、今では黒く淀み、視点も定まってない目で、這いつくばる俺を見下ろしていた。



「最大級のお仕置きされるのは、お前だよ・・・エロざる・・・。」


「ウキィキィきぃー・・・うきぃやあああーー!!?」



そのまま俺は、盛大なお仕置きを受けまして、最後は本棚に宙ずりにされることになりました・・・。


もちろん、全身の骨は砕かれ、全治六ヶ月は見込みです。


これ、身体の方には影響ないよね?ないよね!?


俺はズキズキと痛む全身に、涙を流し、俺は逆さ吊りにされながら、心の中で反省する。



【 サカエハーレム三ヶ条 】


〇調子に乗る、良くない。

〇女の子には適度にハレンチ。

No.1(観月さん)は決して怒らせるべからず。



今後、これだけは守ろうと、固く心に誓った・・・。




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