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新人歓迎ハレンチ会、開催につき

さーてと・・・。



「新しいハーレム娘も仲間に加わったことだし・・・“アレ”やるとしますか?」



お待たせしました、観測者諸君!

そうです!ハレンチのお時間でえぇーす!



「「え・・・?」」



俺は二人に手をかざすと、片目を閉じて、二人を視る。



「【凍結の鎖(フリーズ)!】」



突然、地面から無数の鎖が伸びると、可愛い秘書さんと、可愛い鬼娘を縛り上げる。


おぉー・・・なんと、扇情的な光景だろうか・・・。



「ええぇ・・・!!?」


「そんな!?これは、私のスキル!?なんで、主様が使えるんですか!?」



できる、できないでは無い・・・!


やるのだ!そこに浪漫(ハレンチ)があるのならば!



「ここは俺の頭の中だぞ?ここで起きたことは、ぜーんぶ、記憶してる。再現もできる。再現できれば・・・くふふふ!!ハレンチに応用するしかあるまいてー。」



俺は縛られた二人に近付くと、にっこりと笑って答える。



「うわ・・・最低。このマスター、絶対に能力を手に入れたらダメな人だ。」


「なんでしょう・・・。先程の戦いよりもすごく、恐怖を感じるんですけど・・・。」



二人は逃げようとするが、当然、鎖は外れることは無い。


「さてと、まずは・・・リライアちゃん。君だぁ。」


「ひっ!?な、なんで私まで!?」


「俺を守るといいながら、結果、不意をつかれて、鎖に捕まり、挙句にハッキングとは・・・。んー。良くない。良くないねー。」


「す、すみません・・・マスター・・・。」


「だから、お仕置き(ハレンチ)します。いいですね?」


「っ~~!!は、はい・・・お願い・・・します。私を・・・お仕置き・・・してください・・・。」


「ムフー!よろしいー!」



俺はリライアに近付くと、その美しく長い脚を、指でツーっとなでる。



「ふっ・・・うんん!!く、くすぐった・・・い。」


「綺麗な脚だな。この見た目も、俺がヤル気になるように、俺好みにモデリングしたのかい?」


「は、はい・・・。記憶には多くの人が居らっしゃいましたが、その皆さまとは、被らないように、かつ・・・んん!はぁはぁ・・・好みから外れないように・・・この見た目を選ばせて頂きました・・・。はぁはぁ・・・。」


俺は指で触れるのでは無く、次はさらにレベルを上げて、撫でるように、リライアの脚、腰、腹部、腕、肩、首筋、顔、うなじ、髪と滑るようにゆっくりと、撫でていく・・・。



「待って・・・ください・・・。手つきがとても・・・んん!あん!や、やらしくて・・・んん!お話に集中が・・・。」


「あぁ・・・。悪かったね?いっそ、触れて欲しいかい?一番感じる場所を?でも、俺はあえて触れないよ?この胸もココもね。」



制服のスカートをチラリとめくると、その薄い布に包まれた黒いレースの下着を見つめ、意地悪に微笑む・・・。



「んん!あ、あぁ・・・意地悪です!マスター!」


「はは・・・。お仕置きだからね。もう二度と、ハッキングなんてされて、主を見間違えないように、しっかりとこの身体に教えこまないとな・・・。」


「あん!ごめんなさい、マスター!も、もう、マスターを間違えたりしません!誓います!この温かな手も覚えました!エッチな視線も、意地悪な声も全部覚えましたから・・・どうか・・・ここにお情けを・・・ください。」



僅かに股を開き、真っ赤になった顔を背けつつ、リライアは懇願するように、触れて欲しい場所を伝えてくる。



「すっかり、ヤラシイ子になっちゃって。あのクールなリライアちゃんがねー。マスターとして、とても嬉しいよ。リライア。」


「あ、あぁ・・・!ありがとうございます、マスター・・・。」



リライアの耳元でそう呟くと、リライアは俺を見つめ返し、褒められたことがとても嬉しかったのか、蕩けた顔で微笑む。

そのまま、俺の手に愛おしげに頬を寄せると、スリスリと頬を擦り付けた。


くっ・・・可愛いなぁ・・・!



「でも、今回はそれはダメ。これは、お仕置きだからね。」


「ん!やっ!待って、マスター!もう少しだけ、もう少しで、私・・・!」



手を離すと、リライアは鎖に繋がれたことなど忘れたように、俺の手を求めて踏み出す。


しかし、願い虚しく、俺の元まで辿り着くことはできなかった・・・。



「あ、あぅー・・・マスタァァー・・・。」



もの欲しげに俺を見つめ、リライアは甘えるような声をこぼす・・・。


どこまでも愛おしい子だね、君は。



「だーめ。今回はここまで。そして次はキミだ。」


「っ!?わ、私も!?」


「当然でしょ。俺の頭に入り込んでくるわ、大暴れするわ、挙句に生活指導させられるわ、主様は大変にご立腹ですよ?」


「あ、あの・・・それは、すみませんでした・・・。」



腕を組んで、プンプンと怒ってみせると、しょんぼりとなった鬼娘ちゃんは、鎖に縛られたまま、小さく頭を下げる。



「だから、君はもっと酷い罰を受けて貰いましょう?」


「え?えー・・・?」


「リライアちゃん!コレを出して!」



俺はリライアを見ると、コツコツと自身の頭を示して見せた。



「え?頭?あ、記憶ですか?今思い浮かべている物を、ここに・・・?一体、何を・・・・・・なっなななー!!?」



俺の頭に浮かんだ物を読み取ったリライアは、真っ赤になって口をパクパクとさせていた。



「へ、変態だあぁーー!?それは、マズイです!マスター!来たばかりの子に、さすがにそれは酷すぎますよ!」


「コイツの場合は、これが一番、ダメージデカいんだよ。」


「いやいや!誰であろうと、ダメージは大きいですよ!下手したら、黒歴史です!」


「え、えー・・・?なんか、すごく怖いんですけど、それはなんですか?」


「わ、私の口からはとても・・・。すみません!本体へ伝達!後はお願いします!」



真っ赤になって首を振るリライアは、質問にすらも答えることができず、ついには、判断を本体に委ねることにしたようだった。



▷了承しました。マスターの要望を確認。構築を完了しました。


目の前にクリスマスプレゼントのような見た目の紙袋が現れる。


俺はそれを手に取り、ゴソゴソと中身を確認すると、想像通りの物品に満足気に頷いた。



「うん。これだ。二人ともありがとう。では、俺の可愛い鬼娘ちゃん。お仕置きといこうかな?」


「うっ!?一体、何を・・・。」


「リライアと違って、キミは性癖があるだろう?」


「え?そ、そんなもの、私には・・・あれ?なんで?知らない情報が・・・追加されてる!?」



目を閉じ、状態を確認した鬼娘は、驚愕したように俺を見る。



「俺の【スキル】さ。相手の性癖を書換える、使い方によっては、飛びっきりクレイジーな技さ。終盤、正体不明の快感に襲われたのも、このスキルせいだよ。」


「そうだったんですね・・・。しかし、『露出』って・・・。すごい、趣味・・・。」



小さく笑うと、鬼娘は自身の着ている服を見て、思わず、身を震わせる。



「あ、え?待ってください、主様・・・。私、この服の下は何も着てませんが・・・。」


「あぁ。つまり、服を脱ぐだけで、君は一気に、あの状態に逆戻りになるってことさ。」


「っ!!?な、なんて、馬鹿げてるけど、恐ろしい技!?ま、まずい!このままじゃ!」



自身の状態を確認した少女は、鎖を引いて必死に逃げようと画策するが、捕まった時点でキミのお仕置きは半ば完成したと言える。


俺の思惑に気付いたとしても、今更もう遅い。



「ふははは!どこに逃げようというのかね?この場所は、完全に隔離された部屋だというのに。さぁ、諦めて、俺に身を委ねろ。最高の快感に連れて行ってやる。いやぁ?行き過ぎた快楽は苦痛と同じかもしれないねぇ?」


「・・・そ、それは?」



貰ったプレゼントの袋から、俺はその物品を取り出し、目の前の少女に見せる。



「ヒモのついた小さな布?それは・・・眼帯か、何かですか?それか、髪を結わうためのヒモ飾り?」



一見しても、正体が分からない鬼っ子は小首を傾げつつ、目を細めて、俺が持つ“ヒモ”を見つめていた。



「ぶぶー、不正解です。罰追加します。」


「えぇ!?そんなご無体な!」


「正解は“下着”です。」


「・・・・・・・・・・・・・・・え?ヒモですよね?」


「いえ、それは“紐パン”と呼ばれる、列記とした下着です・・・///」


「ええぇぇー・・・!!?」



俺がわかりやすいようにと、ヒモを掴んで広げて見せる。


全体象が見えた鬼娘とリライアは真っ赤になって俯いてしまう。


二人の目の前には、一般の下着など比にならないほど、とーっても布部分が少ない下着が広げられた・・・。



「む、無理です・・・!!ごめんなさい!許してください!それだけは無理です・・・!」


「え?ダメ。つけます。ちなみに、これからも、ずっと、これです。」


「ムリ~!いや!それだけは、ムリぃ!」



鎖に繋がれた少女は、顔を真っ赤にして、首を振って懇願してくるが、俺はバッサリと切り捨てる。



「金輪際、あんなことができないように、しっかりと身体に教えこんで差し上げます・・・。」


「う、うぅ・・・!!」



俺は少女に近付くと、コートの中に手を入れて、ボディラインを確認する。


触れられたことで、もう逃げられないと悟ったのか、鬼娘はすっかりと大人しくなると、目を閉じ、唇を噛み締めて恥辱に耐える。



「っ!んん!やぁ・・・恥ずかしぃです・・・。」


「ふふ・・・。可愛いこと言うなって・・・。誤って、深く触れたくなってしまうだろ?」


「んん!はぁはぁ・・・。それは、まだ・・・今は・・・。」


「今は・・・ね?」


「あっ・・・あの・・・うぅ・・・!」



思わず漏れた言葉に、自身も驚いたのだろう。

目を丸め、真っ赤に染まった顔で、俺を鬼娘は見つめ返した。



「ふふ・・・。楽しみにしてるよ。それじゃ、着けるね?」


「は、はぃ・・・。」



もう抵抗は無意味と悟ったのだろう。


大人しくなった鬼娘はコートの中で着けられていく下着と、それを着ける俺を見下ろしながら、息だけを荒らげていた。


「はぁ・・・はぁはぁ・・・結構、小さいんですね。」


「少し食い込むくらいに、キツめに絞めてるんだよ。そうしないと、動いた拍子に脱げたり、ズレたりして・・・恥ずかしいことになるからね?」


「は、恥ずかしぃことに・・・。」



想像したのだろうか、ぽつりと呟いた鬼娘は、少し息荒く、自身の身体を見回す・・・。



「はぁはぁ・・・ズレちゃうんですか?」


「ズレるだろうなー。きっと。」


「んん!・・・今、くい込んでるんですか?」


「見えてないけど、間違いなくくい込んでるだろうね?」


「あ、あぁ・・・!なんて、酷い仕打ちを・・・。」


「罰だからな。」



絶望したような言葉を吐き出しつつも、その顔はどんどんと、艶やかなものへと変わっていく・・・。


まるで、心の奥底では、羞恥に満ちた姿を晒したがっているようにすら見える・・・。



「(なんて、艶やかな顔をして・・・。本当にこれが、あの甲冑を来て、私を襲ってきていた強欲の王の姿なの?まるで、別人だわ・・・。)」



隣で見せられているリライアは、赤面しながらも、目だけは二人に釘付けだった。


ー ぽた・・・ぽた・・・。


自身も、内腿を伝う雫がぬらぬらと輝き、床を濡らしていることも気付かずに・・・。


二人を見つめるリライアの顔もまた、誰が見ても劣情を駆り立てられるほど、艶やかな顔をしていた。


「さぁ、できた。どうだ?着け心地は。」


「とても・・・はぁはぁ・・・窮屈で・・・締め付けられている感覚が・・・はぁはぁ・・・とても・・・気持ちいい・・・です・・・。」


「ふふ!気に入ってくれて何よりだよ。じゃあ、せっかくだし、じっくりと見させて貰おうかな?」


「へ・・・ぇ?」



熱に浮かされた虚ろな目で、鬼娘は俺を見上げる。


その瞳と唇は濡れそぼり、艶やかに男を求める顔をしていた。


なんて、綺麗な顔だろうか・・・。

もっと、もっと見せてほしい、その先を。



「今から、着ているそのコートを奪ってやる。」


「服を・・・奪う・・・?え?え?やら、やら、やめれ・・・。これ以じょうはらめなの、おかしくなる・・・。気がふれちゃう・・・。」



ゆっくりと首を振って、鬼娘は俺を見上げているが、その焦点は既に定まっていない・・・。


想像だけで、もう何回もトンでいるようだった。


確かに・・・これ以上は可哀想・・・。


なんて言うと思ったか?


俺は全てを見たいんだ。君たち女の子の輝く、最高の瞬間をこの目で見たいんだ。


だから、俺は笑顔で、答える。



「果てろ・・・。思う存分、気の触れる限界まで・・・。」



パチン!と指を鳴らす。

その瞬間、鬼娘の来ていたコートは魔法のように消えてしまった。


後には、紐のような下着をつけた、美しい黒髪の鬼娘が鎖に繋がれ残されるだけだった・・・。



「んっ!?やぁ・・・んんん・・・ああぁぁー!!やら、やら!みないれ!こんな、恥ずかしぃ姿、みないれ!わらし、醜いから・・・自分が嫌いらから!こんな姿、られにも、見れ欲しくないのぉおお!」



ビクビクと身体を震わせ、必死に立っているが、その顔は艶やかさを通り越して、まるで獣のように舌を出し、虚ろな目で俺を見ていた。ぽたぽたと、その口元からは、雫が落ちる・・・。


全身を火照らせながら、緩急を繰り返し痙攣しながら、踏ん張って立つ股からも雫が、垂れ落ちる。



「あぁ。綺麗だ。すごく、美しいよ・・・。」


「んんっ!・・・きれ、い?わらしが?」


「あぁ・・・綺麗だ。すごく、綺麗だよ。やっぱり、魅力的じゃないか・・・。」


「わらし、うぅ・・・!ぐっうぅ・・・!ひっく・・・うぅ・・・そんなこと・・・言われたこと・・・なかった・・・。」


グズグズと泣きながら、それでも身体は感情など置き去りにして、快感に打ち震える。



「あ、らめ!もう、らめらめらめ!何も考えられない!はてる・・・とんじゃ・・・らめ!主様!主様あぁー!」


「いいよ、果てた姿を魅せてくれ。俺の前で、はしたなく、気高く、美しく咲き誇れ・・・!」


「あっ、あああぁぁ・・・!!イッ~~・・♡♡」



混乱する頭が、ついに限界を迎えたのか、最後に大きく鬼娘は弓の如く背を仰け反ると、静かにくったりと跪く・・・。



「・・・二人とも、いいものを見せて貰った。ご褒美だ。」



俺はくったりとなった二人に、近付くとそっと、その濡れた唇と口付けを交わす。



「んん・・・。ちゅ・・・!はぁ・・・マスタァー・・・。」


「ん・・・綺麗だったよ。リライア。次は、もっと深く繋がろうな。」


「は、はい!その時を心からお待ちしてます・・・。」



リライアの鎖に触れ、拘束を解放すると、次はくったりとなった鬼娘の元へ。



「ん・・・んん・・・。ちゅ・・・!主様ぁ・・・。」


「ん・・・とても、良かった。また、綺麗な姿を見せてくれよ。」


「はぃ・・・。主様だけに、お見せします・・・。」



鬼娘の鎖を断ち切り、拘束を解くと、再びコートを出して・・・すぐに消した。



「え・・・?あ、あの・・・主様?」


「いや、コートって、可愛いくないなって思って。完全に露出魔の格好だもん。なんか、可愛いのがいいよな・・・。」


「・・・ふふ!たしかに。せっかく可愛い姿が見れましたもんねー?可愛いお洋服を着せて上げたいですよねー?」



俺を見上げて、口元に手を当てながら、くつくつとリライアは笑う。

ちょっと、意地悪っぽい笑い方が可愛い・・・。


ほんと、まぁ、感情豊かになったねー、キミ。



「何かないかな?」


「記憶ファイル、ご用意しましょうか?カタログのように、整理してお持ちしますよ。」


「お、それは助かる。」



リライアが手を広げると、そこに数冊の本が現れる。

俺とリライアは、図書館の机に向かうと、二人であーでもない、こーでもないと意見を出し合う。



「あ、あの、とりあえず、コートでいいので、着せてくれませんか?この状態は露出度が高くって・・・んん・・・!スキルの影響で快感が上乗せされてくるんですけど・・・あん!」


「罰だからね。」


「罰ですからね。」


「そ、そんなぁー!主様ぁー!リライアさぁーん!」


涙目で衣服をお願いしてくる鬼娘に俺たちは苦笑すると、とりあえず、コートは不格好ということで大きいYシャツを構築して手渡した・・・。



「ふふ・・・♪大きぃー!」



嬉しそうにクルクルと回る鬼娘に、俺は再びむくむくと色欲が鎌首をもたげてくる。


エッロ・・・!


健康的な素足が眩しい。

余る袖がヒラヒラと可愛いらしい。

鬼の角と切り揃えられた黒髪が美しい。


まるで、鬼の姫さまが、現代にタイムスリップしてきたみたいだった・・・。



「むー・・・。マスター?」


「はは、大丈夫。そんな睨まくても、リライアも可愛いぞ?」


「本当ですか?私はちゃんと、マスターのお眼鏡にかなってます?」


「あぁ。もちろん、かなってるよ。ちゃーんと。」



ジトリと睨んでくるリライアを抱き寄せて、膝に乗せると、ぎゅっと抱きしめ、思いを伝える。



「これ・・・落ち着きます。」


「そりゃ、良かった。」



ポンポンと背中を撫でると、深く息を吐いて、リライアはそのまま、動かなくなった。

耳元で、規則的な呼吸音聞こえる・・・。


え?あれ?もしかしなくても、寝てる?



「寝る情報体っていうのも、珍しいー・・・。つくづく、この娘は変わってますね?」



隣で見ていた鬼娘は、寝入ったリライアを眺めて、小さく息を苦笑する。



「珍しいの?」


「珍しいですね。情報体は、怪我知らず、病知らず、疲れ知らずですから。それだけ、この図書館という膨大な量のデータは、彼女に負担をかけるんでしょう。一旦、本体にお返しした方がいいでしょう・・・。バックアップも取らせないと。」


「やっぱり、そういうのも、あるんだな。」


「情報体ですからね。ちなみに私のバックアップは、ありません。私自身が本体ないので。」



大事に扱ってくださいよ?と、鬼っ子ちゃんは笑う。


散々、乱れた女の子が、何か言っている。

むしろ、めちゃくちゃにされたいタイプだろ、キミ。



「すまないが、リライアをお願いできるかな?」


▷リライアのスリープを確認。転送します。



天に向けて声をかけると、リライアは俺の腕の中で、消失した・・・。


じんわりと、リライアの温もりと重さが身体から消えていく。


んー・・・。なんか、少し寂しい気持ちになるな。

「あっ、そうだ。キミの名前を決めないと・・・。」


「あ、ようやく、思い出してくれたんですね。良かったー。このまま名無しの鬼娘で行くのかと、不安でした。」


「名無しの露出鬼な。」


「酷い!主様が、付け足した性癖なのに!」



ぷりぷりと怒ると、腰に手を当て、鬼娘は俺に向けて手を差し出した。



「では、脱・露出魔のためにも、命名して頂いても宜しいですか?醜女(しこめ)らしい名前でお願いします。」


「実はもう、決まってるんだよ。」


「そうなんですか?ふふ・・・」



嬉しそうに笑う女の子に俺は頷くと、その手を握って真っ直ぐに見つめ返しその名を呼んだ。



「キミの大切な特徴である、美しい黒髪と鬼は残したいと思ってた。魅玖(みたま)だ。」


「ミタマ・・・・・・。“魅”は言わずもがな、人を引きつけ、心をまよわすこと。“玖”は黒く艶かなつやのある美しいものこと。・・・ですね。ふふ・・・名前負けがすごい!ふふ・・・嫌がらせですか?」



自身を醜いと嫌う女の子は、名前を聞いて、自身にはとても似合わないと笑う。



「君はそう思うのか。だけど、俺はピッタリだと思ってるよ。」


「主様・・・。」



俺の表情に、込められた真剣な想いを感じたのか、女の子も笑うのをやめて、俺を見つめ返す。


「本当に・・・・・・?」


「あぁ、本当だ。」


「っ・・・どうしましょう・・・。なんと言っていいか。さっきも、言いましたが、私、そんな風に言われたことことがないので、正直、困ってしまいます・・・。でも、主様が言うのなら・・・。本気でそう思って下さるのならば、私はそうなれるように努力するつもりです。」


「・・・努力なんて必要ないくらいに、君は魅力的なんだが・・・まぁ、それは君自身の心の問題だしな。」


「えぇ・・・。永く、自分は醜い姿だと思っているので、なかなか・・・。ですが、主様がそう思って下さるだけで、私は幾分も救われた気持ちです。少しずつですが、変わっていけたら・・・本当に自分に自信が持てたら・・・私は心から、この名を好きになれると思います。魅玖(みたま)。いい名前をありがとうございます。」



胸に手を当て、女の子は・・・魅玖は少しばかり頬を染めて微笑みを浮かべた。


「ふふ。やっぱり、似合ってるよ、その名前。」


「もう・・・///」



照れる魅玖に、俺は微笑み返すと、気を取り直して、服を見ていく。


魅玖は黒髪のセミロングの姫カットだ。

胸は少し小さいが、ないという訳では無い。手足はスラリと長く、身長は観月より少し高いくらいで、リライアと同じくらいだな。


ふむ・・・。


どうしよう、なんでも似合う素質があるぞ・・・。


なんなら、Tシャツジーンズのラフな格好ですら、綺麗に着こなしそうだ。


着物は当然、似合うだろう。


あ、豪族のドレスはさすがに、種別が違うか。それは、リライアのカテゴリに入ると思う。


ヒップホップ系?うん、似合う。

OL系?うん、似合う。

ワンピース?似合う似合う。

コスプレで、巫女さん。サンタ姿すら似合う。


グルグル・・・!ぐるぐる・・・!



「あ、ダメだ、決まらない・・・。」


「すみません、スタイルが悪いもので・・・。」


「バカ言うな。スタイルがいいから、迷ってんの。似合う服が多すぎて、困ってんだよ。」



俺は頭を抱えて、机に突っ伏すと、手元の時計を見る。

二時間・・・向こうでは20分ほど経過してるようだ。

さすがにこれ以上は、観月にも悪いか。



「よし分かった!リライア先輩戦法で行こう!」


「リライアさんが、どうしたんですか?」


「彼女は会う度に、変化する特殊な存在だ。それに習って、魅玖も俺に会う度に服を変えてくれ。その中でいい物に決定しよう。」


「は、はい。承知しました・・・。頑張ってみます。」



俺はカタログを手渡すと、席を立って、部屋の出口に向かう。



「それじゃ、また、夜にな!リライアと図書館のこと、頼むよ。」


「あ、はい。お任せ下さい。」



魅玖は頷くと、ワイシャツの袖を捲って、手を振る。


後ろの荒れた本たちだけど・・・魅玖もちゃんと、協力して片付けてくれるかな?


リライアが一人で片付けているのを想像すると、少し申し訳なくなる。


俺も壊した一人だから、手伝いたい気持ちもあるが、なにぶん、あちらの世界の状況ももあるわけで・・・。


「心配しなくても、大丈夫ですよ。夜には綺麗さっぱり元通りにしておきます。元はと言えば、私がいけないので。責任持って、片付けておきますよ。」


その細い腕をまくり、ん!と力こぶを作る魅玖に、俺は苦笑を浮かべる。

その細い腕には、まったく、力こぶなんてできてなかった・・・。



「無理しない程度でいいからな?夜になれば、俺も手伝いに来るから。」


「えぇ。どうしても無理な時はお願いします。」



素直に、魅玖は頷く。


壊した1人として、罪悪感から後ろ髪を引かれる思いで、俺は扉を開く前にもう一度振り返ると、ニコリと笑った魅玖が、もう一度、強く頷いて見せた。



「大丈夫ですよ、主様。信じてください。」


「何いってんの。もう、とっくに信じてるよ。」


「っ!?もぅ・・・もぅ!主様・・・どうしてそんなに・・・貴方は・・・///」



俺も強く頷き返すと、扉にかけた手に力を込めて、一気に扉を開くと暗い意識の中へと踏み出した。



扉が閉まったことを確認した魅玖は、「頑張ります!」と小さく頷くと、自身の位置から振り返り大量の本棚を眺める・・・。



「うわー・・・。改めて見ると、なんて量。圧迫感がすごい・・・。これ、私の持ってた情報量なんて比にならないくらいあるわ。」



足元に落ちている本を拾うと、中を覗いてみる。


「え?真っ白・・・?」


「ふふ・・・驚きました?」


ー びくっ!?


「お、脅かさないでくださいよ、リライアさーん。」


「ふふ・・・。そういう、仕様なんです。すみません。」



急にかけられた声に驚き、魅玖が振り返ると、後ろ手に腕を組んだリライアが微笑みを浮かべて立っていた。


脅かしたことを軽く謝罪すると、リライアは魅玖の持っている本を受け取る。



「この本の内容は、マスターしか読めません。マスターが手にして初めて、マスターの見える形で、文字が現れるんです。そういうプロテクトがかかっているので、実際、貴方が乗っ取りを完了したとしても、この知識を奪うことは不可能だったわけです。」


「ということは、乗っ取りが成功しても、この本の分の無駄な容量を埋めつくされるだけで・・・」


「えぇ・・・。何も得ることはできなかった。それどころか、無理にこの量のデータを押し込めば、その可愛い頭は・・・BOooN!!」


「っ!?」



リライアが少し貯めて、いきなり大きな声を出すものだから、話に集中していた魅玖は再び、ビクリ!と身体を震わせる。



「吹っ飛んでいたでしょうね。」


「吹っ飛んで・・・。主様は大丈夫なんですか?」


「マスターは特別な存在の方ですから・・・。そうですね・・・。片付けをしながら、話しましょう。この世界について。マスターのことについて。そして、本当の目的について・・・。あなたは、マスターのものになったんですから、それを知る権利がある・・・。」


「は、はい!」



そうして、二人は壊れた棚や破損した本を修復し、本を元通りに整理しながら、色々な話をしていった。


どれも、俄には信じ難い話だったが、人間である主人が、魔王である自分を打ち倒し、隷属を結べたこと。

そして、実際にこの膨大な情報を、頭に抱えていること。

それらを加味すれば十分に信憑性の高い話だと思うことができた。


自分は本当にやばい人物に出会い、挑み、大敗を期したのだと、その時、改めて実感できた。


更には、よく消されなかったとも・・・。



「マスターが優しい人で助かりましたね。」



小さく笑うと、リライアは抱えた本を手に本棚へと向かう。これももう、何度目だろうか。


彼女は背表紙を見ただけで、何処に本をしまうべきなのか分かっているのか、迷いなく本を整理をしていく。


手際がいいのは分かるのだが、気になるのは、その人格だ。


管理だけなら必要ないはずのデータを、目の前の情報体は搭載し、更には主人と抱き合えるほどの肉体まで持っている不可思議。


首を捻らずにはいられなかった。



「私のこの見た目や感情は、本体によりマスターが勉強にヤル気を持たせるために、造られたものです。マスターの勉強があらかた終われば、私も御役御免というわけですね。だから・・・。」



僅かな時間でも、マスターと過ごせることは自分にとって、とても幸せな時間なのだと、リライアは呟く・・・。


その横顔は幸せそうにも、少し寂しげにも見えた・・・。



「それは・・・主様がこの図書館を訪れなくなったら、リライアさんがいなくなるってことですか?」


「ゆくゆくは・・・そうなると思います・・・。」



小さく頷くと、リライアは手元にある最後の本をしまい、もたれるように本棚に頭を置いた。


深いため息が、リライアの口から漏れる。



「そんなの、酷いじゃないですか。一人前になった主様を見届けて、自分は最後にさよならなんて、そんなの・・・あまりに酷すぎる・・・。主様はきっとそんなの許しませんよ?」


「ふふ・・・。でしょうね。私も本体も、それは、予想しています。だから・・・どうか、魅玖さんも、最後までこのことはご内密に。マスターのヤル気が損なわれてしまいますからね。」


それでは、私の生まれた意味がなくなってしまうと、リライアは笑うと、スタスタと歩いて、次にしまう本を集め始める。



「全てを知った時、きっと、主様は怒りますね。」


「えぇ。ふふ・・・お仕置きがこわいですね・・・。」


「・・・お仕置きなんて、生温いもんですか。きっと、もっと恐ろしいことになりますよ?覚悟しておいた方がいい・・・。」


「・・・その時には、全てが終わっているでしょう。私もきっと・・・だから、その時は貴方が代わりに怒られてください。ふふ・・・。」



スッ・・・と本を元のあった場所に戻し、「お願いします。」とリライアは振り返る。

その笑顔はとても、寂しげで、とても儚げだった・・・。



「・・・分かりました。約束します。その時は、怒られてあげますよ。」



魅玖は後ろ手に手を組んで、にこやかに微笑む。

その拳は、自身の爪がくい込むほど強く・・・強く握られていた・・・。



次の本棚へと歩き出すリライアに続き、魅玖も続いて、大量の本を抱えて歩き出す。



それの背中は、まるで自身の死に場所へ向かって、十字架を背負って歩む聖人のようだった・・・。



「(リライアさん。主様・・・相当、お怒りになりますよ?それはもう、運命を塗り替えるほどに・・・。あなたの未来の演算には、そのことも入ってますか?私の予想は違う。主様には、その力がある・・・そう、私は信じてます。)」



リライアの背中を眺め、小さく息を漏らすと、ふと視線を感じ、魅玖は主人の出ていった扉を見る。


僅かに空いた扉の間から、ひょっこりと顔を覗かせてる猿の姿がそこにはあった・・・。



「え・・・?」


「どうしました?」


「え、今、扉に猿が・・・。」


「ん?何もいませんけど?」


「あ、あれ?気のせいかな?」



再び見ると、そこには閉まった扉しかない。


首を捻りながら、魅玖は扉を眺めていたが、その後はとくに変わった様子もなかった。


気のせいだったのだと自身を納得させると、魅玖はリライアに駆け寄り、作業に没頭していくのだった・・・。




ー キィ・・・キぃ・・・きぃ・・・








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