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魔王に敗北すること、につき①

皆との挨拶を終えたミラを連れて、俺は敗北した皆のいる場所へと案内する。


真っ白い布で仕切られた部屋の向こう。

そこに皆が眠る場所があった。



「ここだ。」


「ここにみんながいるんだ……。」



カーテンを開け放ち、中へと入ると手にバインダーを持ったウリエスが立っていた。



「あ、魔王くん。ちょうど良かった。呼びに行こうと思ってたんだ。」


「そうか。任せてしまって悪かったね。ありがとう、ウリエス。」


「うんん、大丈夫。ハヤーとシルクも手伝ってくれてたし。人手が足りないんだし、仕方ないよ。それよりそろそろ、最初の天使たちが目を覚ましそうだったんだ。立ち会うでしょ?」


「あぁ……。」



頷く俺から目を外すと、傍らに立つミラに目を向けてウリエスは目を細める。

アンタがなんでここに?というような目で、ミラを見ている。



「そうだ、紹介しよう!こっちはウリエス。天使だけど、美神教(カリテス)のやり方に異議を唱えて共に闘ってくれてる仲間だ。一緒に天使族の未来に光を刺そうと頑張っているんだ。」


「私は“堕天使”ウリエスだよ。あなた、勇者ミラウェイドだよね?なんで、こんなところにいるの?魔王くんとバトって、倒されたんじゃないの?」


「私はそもそも、サカエくんと刃を交える為に今回の件に首を突っ込んだわけじゃないよ。サカエくんとの約束を果たすために、私の夢を叶える為にここに来たんだ。」


「約束……?へぇ……その様子じゃあ、あんたも魔王くんに“ほ”の字ってわけか。」


「ほっ……!?そ、それ……は、うん///はい……。」



意地悪そうにニヤリと笑ったウリエスは、ジロジロと固くなったミラを舐めまわすように眺めながらその周りをグルグルと回る。



「天使が意地悪すんなって。ミラは俺のお嫁さんになったの。あんま虐めんなよ。」


「お、お嫁さん……!?あ、あぁ……///」


「ふはっ!顔真っ赤じゃん!もぅ!いいね!この初々しいカンジ!キュンとしちゃうね!祝福あげたくなっちゃうよ♡」



自称堕天使 ウリエスはニッカリと笑うと、その純白の羽を広げてミラの手を取る。

突然のことに呆気に取られていたミラは、キョトンとした顔で目の前の天使を見つめ返していた。



「ふふ!〈 この幸せ者に光あれ……♪ 〉」


「え?あ……。」



ウリエスの言葉には魔力が籠っていた。

じんわりとした温かな光がウリエスから発せられると、ミラの身体を優しく包み込む。



「なんだろう……温かい……。なんか、護られてる感じがする……。聖魔法かな?」


「正真正銘、天使に伝わる〈 加護 〉を送らせてもらったよ。これで病気も怪我もしばらくは大丈夫。身体を大切にして、人類の未来のため、何よりも自身の幸せのために頑張ってね。」



『勇者だから、不要かもしれないけどね?』と小さく苦笑すると、ウリエスは俺に目を向けてバインダーを手渡してくる。



「お膳立てはしておいたんだ、今夜辺りから思いっきり励めよ、ニンゲン。」


「励めって……!お、おい!大の天使様が下品だぞ!」


「うぅ~……///励むって……キスしたんだけど……。それから先は知らないんだよぉ……。」


「ふふ!下品結構。ボクは堕天使様だからね!ほらほら、立ち止まってないで歩みを進めよう!羽はなくても、君たち人間はいつまでも、どこまでも歩みを進めるためにその足があるんだからね。知らないなら、共に並び共に学び、共に進むんだよ。そうやって人は繁栄してきたんだからさ。」



俺たちの反応に、ウリエスは満足気に微笑むと先導を切って歩き出す。

俺たちの照れ隠しなど見透かしているように、相手にすることも無く軽くあしらった。


コイツ……子供のくせに随分と面白いことをいうな。


堕天使と名乗り始めてから吹っ切れたのか、出会った頃にみせた子供っぽい様子は何処へやら。


今ではまるで、どんな天使よりも天使らしく、とても大人っぽくみえた。

いや、見た目は子供なんですけどね?


まぁ、鳥類はほら、成長早いし。

成人まであっという間なのだろう……。



「魔王くん、すっごく失礼なこと考えてたでしょ?なんなら、魔王には天使特製の〈 スーパーデバフ(下方ステータス効果) 〉をお見舞してやろうかな?」


「ふふ!俺に挑むか、堕天使ウリエス!よかろう!我も貴様と雌雄を決したいと思っていたところだ!さぁ来い!貴様のプチデバフなど我のなんの足枷にもならんことをその身に教えこんでやるわ!」



ー ガチン!



挑発的に振り返るウリエスに、俺は瞬時に魔王の鎧を着込むと拳を打ち鳴らし構える。



「はぁ……何度見ても、見事な早着替えだなぁ。サカエくん、今度、教えて貰ってもいい?」


『いいぞ?指導一回につき、ハレンチ一回だ。』


「ハ、ハレ!?えぇー!?何する気!?」


『もちろん、おパンツ様鑑賞会だ。ミラの恥ずかしがる姿を楽しみながらスカート捲りイベントを行う。』


「パッ!?な、なにいってんの!?しないよ!」


『おいチミーチミチミー……。サカエハーレムに入ったんだろ?一日一回、パンツを献上するのは当たり前じゃないかー……。だいたい、未来の奥さんなんだし?』



ワンピースの裾を抑えて狼狽えるミラの周りを魔王アスモデウスに扮した俺がしゃがみこんであちらこちらと捲りながら眺めて回る。



「や!もぅ!あぁー!み、見ないでよぉ!」


『ふむ!ふむん!むふん!白!白だ!レースの可愛いショーツ様だ!お、女の子だ!ちゃんと服の中も女の子してるぞぉ!ミラウェイドちゃん!勇者ミラちゃん!ハレンチ勇者、可愛い!可愛いよぉ!』


「やぁー!ハレンチ勇者言うなぁー!えっち!すけべ!変態魔王!サカエくんのばかあぁー!うわぁーん!リアの言ったとおりになったぁー!助けて、リアー!変態魔王に襲われるー!」



俺とミラはしばらく、キャッキャウフフなハレンチタイムに勤しむのだった……。



「はぁー……。(ほんと、なんでこんな変態に惹かれちゃったんだろ……。)」



そんな俺たちを眺めて、心底呆れた顔を浮かべたウリエスは深くため息を吐いていた。


恥ずかしさに耐えかねたミラが、俺の頭に聖剣をぶっ刺したところでハレンチタイムは一旦の終わりを迎える。



「あー、色欲魔王も落ち着いたところで、そろそろ本当に本題に戻っていい?ただでさえ、後がつかえてるんだから。」


『「すみません……。」』



トドメに天使の槍で頭を殴られ、俺は瀕死の重症を負うことで何とか正気を取り戻した。


そうでした、そうでした。

こんなところで遊んでいる場合じゃない。


悪魔アスモデウス(白猿)の協力で生まれた奇跡の道具【 サカエ特製☆人生変わっちゃうかも悪夢装置 】の性能を確認しなければ!



俺はミラとウリエスと共に、最初に天使が放り込まれたという箱を確認しに足を向けた。


箱には中を覗ける窓が着いており、そこから中の様子を確認できた。


ウリエスと見た目がそんなに変わりない子供が中で息を荒らげて悶えている。



『少し、魘されているようだな。』


「今は少しだけに見えるけど、さっきまでは相当に苦しそうだったよ。この中に閉じ込められると、悪夢に襲われるらしいんだよね。」


『悪夢か……。どんな内容になってるんだか。』


「悪夢……?」



三人で箱を覗きながら、見悶える天使の様子を見守る。

その中で一人、ミラだけは中の天使の様子に何か既視感めいたものを感じていた。



「ね、ねぇ、サカエくん?この箱って何なの?彼らは何をされてるの?」


『仲間と一緒に協力して創ったお仕置用の装置なんだ。度重なる悪夢をみせることで、価値観を矯正することができるらしい。』


「らしいっていうのは?」


『実は今日が初めての運用だから、夢から覚めたあとはどうなってるか分からないんだよね。』


「なんだか、怖いね?本当に大丈夫?」


『まぁ、全く別の生き物になるなんてことはないと思う。ただ、協力者曰く、価値観が劇的に変わるらしい。』



ーん、んん……!


箱の概要を説明したところで、箱の中の天使が目覚めようとしていることに気付く。



『起きそうだな。二人とも、俺の後ろに下がってくれ。急に襲われても大丈夫なように。』


「う、うん。」



俺は二人を庇うように前に出ると、なるべく相手を刺激しないように、そーっと……そーっと……箱を開けた。

刺激しないように、刺激しないように……。

そーっと……。



「ん、んん……。」



人の気配に気付いたのか、悪夢から目覚めた天使がゆっくりと目を開ける。



『目覚めたか?』


「っ!?ぎゃっ!?ぎゃああぁぁーー!!!」


『ハイッ!失敗ですねこれ!!』



天使は俺の顔を見るなり、絶叫をあげると箱から飛び出て物陰に隠れてしまった。


微かに見える肩が、ガタガタと震えており、天使がどれだけ怯えているか目に見えて伝わってきた。


あまりに怯えるものだから、声をかけられずにいると、後ろにいた二人が脇からひょっこりと顔を出して天使と俺を交互に見やる。



「殺さないで!許してください!お願いします!死にたくない!死にたくない!」


『(あ、あー……。どうしよう。どういうスタンスでいったらいいんだ?覚醒に立ち会おうとは思っていたけど、悪夢の影響もどうなっているかも分からないんだよなー。だけど、ここは魔王らしく威厳を示すためにも厳しく……いやいや、ちょっと待て?あの肩見てみろよ。すごく震えてる……。やっぱり、少し可哀想じゃないか?いくらなんでも、捕虜になった子をそんな脅してばかりじゃ……いやでも、今は魔王だし……。)』


「あ、あはは……。立場があると大変なこともあるんだね。混乱しているのが、隣でもすごく伝わってくるよ。」


『あ、あぁ。なんだか、少し可哀想に思えてきてな……。』


「わかったよ。ここは影響の確認もしたいからボクが話すね。魔王は後ろで静かに見てて。なるべく、威圧は抑えてよ?」


『う、うむ。わかった。頼むよ。』



魔王の甲冑を着込んだ俺の横をすり抜け、ウリエスが前に出ると、ゆっくりと天使の隠れる物陰に近付いていく。


申し訳ないと思いつつも、今の自分の格好では何も出来ないと考えた俺は素直にウリエスの協力に甘えることにした。


何時でもウリエスを守れるように構えだけはしておこう。



「ねぇ……大丈夫?」


「え……?き、キミは……?その姿は天使なの!?」


「うん。天使だよ。」


「よかった!仲間なんだね!ここはどこ!?ボクはどうなったの!?」



縋り付くようにウリエスの腰に抱き着いた天使は、怯えた様子で周りを見回す。

自分たちが入ったダンジョンの壁と同じ質感の部屋。

沢山の箱……。

そして、睨むように無言で立ち尽くす魔王……。


全てが異質で恐ろしく感じた天使は、身を震わせながらウリエスに状況を確認する。



「キミは魔王とその仲間に負けたんだよ。敗戦して、瀕死の重症を負ったキミは……キミたちは皆、ここに収容されて治療を施されていたんだ。」


「負けた……?ボクたち天使が?魔王に……?そんな……。」


「最後、覚えてない?」


「最後……?真っ暗な部屋で魔王が突然、背後に現れて……気がついたら胸に矢が刺さって……。痛くて寒くて怖くて……そこから……記憶が……。」


「キミは一度、瀕死になったんだよ。」


「死にかけた……?ボクが?死に……う、うぅ……うわあぁー!」



記憶を遡り、ゆっくりと途切れた記憶を思い返していくと、天使は自身の最後を鮮明に思い出したのか絶叫をあげて泣き崩れる。



「ねぇ、サカエくん……。あの子、すごく怯えてるけど、どんな最期だったの?」


『ん、うむ……。最初の真っ暗な部屋で部屋に残った子だな。嬉々として自分が一番〈祝福を授けた〉と自負していた子だ。だから、飛びっきり痛い方法をと、至近距離から矢を三本ほどその腹に受けてもらった。』


「さ、サカエくんの矢を三本も受けたの!?むしろ、よく死ななかったね!?」


『手加減はしていたからな。二割程の力で射ったから原型が残ってるんだろう。あと二本当たれば、確実に死んでいた。』



ちなみに十割で射れば、下級天使レベルの防御力では一発で上半身は無くなってしまうだろう。

〈 天使キラー 〉のスキルも相まって、その威力は何倍にも膨れ上がっているから尚更だ。


かなりの激痛を伴っていたはずだ……。

トラウマにもなるよな。

まぁ、そうなるように惨たらしく、全員を痛めつけてやったわけだけどね。

別に彼らの行いに腹が立ったから一方的に嬲ったわけじゃない。


アイツが……魔王アスモデウス(白猿)が、今回の作戦を成功させるために、そうするようにアドバイスしてきたからだ。



『 キキィ……!サカエ……。なるべく、心にお前の存在が強く残るようにしろ。そうしないと、悪夢の発動が難しくなる……。お前という存在を起点に悪夢を生み出すんだ。そうすることで、悪夢はより強く現実を塗り替えていく。強く強く。お前が絶対の強者であることをその身に刻みつけるんだぁ……。 』



俺は実直に守ったつもりだったが、結果として、ただ怯えられるだけになってしまったわけだけどね。


恨むぞ、白猿ぅ……。


堕天使ウリエスが泣きじゃくる天使の背中を優しく撫でて落ち着かせようと笑顔で対応に努める。

もう、どっちが天使か分からない。



「大丈夫、大丈夫だよ。キミは生きてる。今は治療を受けて、傷も塞がってるよ。」


「グスッ……うぅ……!大丈夫なの?ボク、死なない?生きてる?」


「うん。確認してみて?傷口ないでしょ?」


「……うん。」



ウリエスに言われるまま、服を脱いで確認しようとした天使は急に手を止めると、周りをキョロキョロと確認して俺を見る。



「ま、魔王……」


『うむ?なんだ?』


「あ、あの……見ないで、見ないでくださぃ……!」


『はっ!?はあぁー!?コイツぶっ飛ばすぞ!』


「うぇ……うえぇーん!怖いよぉー!」


「どーどー!落ち着いて、サカエくん!」



突然おかしなことを言い始めた天使に、堪らず怒りを覚えた俺は拳を振り上げて今にも殴りかからんとする。


何かと思えば、可愛い女の子みたいなこと言い出しやがって!

強姦魔が一丁前に、恥じらいなんて持ってんじゃねえ!


俺の腰にミラは抱き着くと、何とか俺を落ち着かせようと優しく声をかけてきた。



「ちょっと!魔王!バカ!怖がらせてどうすんのさ!」


『いや、だって!そいつがおかしなこと言い出したから……。』


「いいじゃん!少しくらい!混乱してるんだから、優しくしてあげてよ!」


『くっ!野郎に優しくしたところでなんのメリットがあるっていうんだ。野郎の裸なんか見たって……裸なんか見て……あれ?なんだ?これ?おかしいな……?』


「う、うぅ!やぁ!魔王、怖いよぉ……!」



男の裸など微塵の興味もない俺は、恥ずかしがる天使に呆れを通り越して怒り気味に睨みつける。


だが、すぐに何か得体の知れない違和感を感じて一歩大きく下がった……。



『裸……野郎の裸……。っ!?嘘だ……。そんな、ありえない……。』


「サカエくん……?」


「魔王……?」



俺が……この俺が……!男嫌いのこの俺が……!

天使の裸に思わず、胸が揺れ動いているだと!?

バカな!そんなバカな!

相手は強姦魔の変態ヤローだぞ!?

そんなヤツに俺は興奮を覚えているのか!?


ま、まさか、元男の娘のミラウェイドを許容したことで、趣向が書き換えられてしまったのか?


俺が?この〈色欲の魔王 〉栄咲遊助が!?

天使を“性の対象(護りたい存在)として意識している”だと!?



『そんなバカな!バカなあぁー!!』



俺は頭を抱えてその場にしゃがみこむと、この世の終わりを目の当たりにしたように絶叫をあげる!

叫ぶ俺に明らかな異常を感じたミラとウリエスは首を捻ると、互いに顔を見合せ、未だに赤面して震える天使に目を向けた。



「ねぇ、ウリエス。天使って、男なんだよね?」


「……う、うん?なんで断定なのか分からないけど、この子は男の子だと思うよ?」



ウリエスはウリエスでなんともハッキリとしない言葉で頷くと、しゃがみこんでいる天使を見る。

少なくとも、“祝福(生殖)”を行ったことがあるということから、目の前の天使は男で間違いない事実らしい。



「男だと思っていた相手に……サカエくんが反応し困ってる……?んー。もしかして、私と同じなのかな?」


「キミと同じって、どういうこと?」



ミラは混乱する俺の手を取ると、泣きじゃくる天使の前まで連れてくる。



「ねぇ、天使くん。」


「ぐすん……うぅ……キミは勇者?なんで、魔王と一緒にいるの?」


「私のことはいいから、少し協力してくれないかな?場合によっては、この魔王が君に優しくしてくれるかもしれない。命も絶対に取らないようになるかもしれない。」


「ほ、本当に?」


『お、男相手に《 サカエくんは黙ってて! 》……うぃ。』



ミラは反抗しようとする俺を強い口調で一喝すると、手を取り天使と手を繋がせる……。


ー きゅ……。



天使の手の感触が、手から腕、そして脳へと伝達された瞬間、俺は条件反射というかなんというか、じっとりと嫌な汗が甲冑の中で流れるのを感じた……。


ちょっ!?そ、そんなことされちゃでちゃう!でちゃうよ!蕁麻疹!

男相手には問答無用で出てくる俺のアイデンティティ!男嫌いのシグナル信号が出てきちゃう!



『って、あれ?』


「う、うぅ……怖い……怖い……怖い……。」



俺は手に感じる感触に思わず首を捻る。

柔らかく、小さな手だ。子供だからじゃない。確かに感じるのは紛うことなき、【女の子の温もり】……!



『ミラ……こ、これ、どういうこと?俺、【性癖】が書き換えられたのか?男の娘もいけるようになった感じか!?』


「……あ、その様子だと、やっぱりそういうことなんだ。じゃあ、たぶん大丈夫だね。キミはこれから、魔王に殺されることはないよ。同じ境遇の私が保証する。」


「ほ、本当?」



ミラは俺の様子に苦笑すると、天使に向けて身の安全を約束した。

一体、何が何やら。



「うん。ウリエス、他の子もたぶん、同じように混乱すると思うから、今はサカエくんは影で大人しくしてもらった方がいいと思う。サカエくんは別室に移動してもらっていいかな?」


『え?俺、退場?』


「うん、EXIT(退場)♡」


『ムフン!?嫌味な言い方を……!でも、可愛いから許す!』


「ふふ!とりあえず、みんなと隣の部屋で待ってて。暴れそうになったら、私が取り押さえるから。」


『ふーむ……。無用な混乱は避けるべきか。わかった。何かあったら、すぐに呼ぶように。』


「うん!」



俺は混乱する頭で、装置を見ると次々に覚醒しようとする天使達に堪らずため息を吐くのだった。



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