log:6 黙って飯を食いやがれ
( ^ω^)「無い袖は振れないのです」
('A`)「そのタウリン」
いつの間にやら復活していたブーンが二度説得を試みる。
川; ゜ -゜)「ぐぬぬ……ならば私のこの苦痛はどう処理すればよいというのだ」
( ^ω^)「飯がないなら探せばいいじゃない」
('A`)「と、主が申しております」
川 ゜ -゜)「ほう……そう言うからには当てがあるのだな?」
試すような口調でブーンに尋ねるクー。
( ^ω^)「YES。ここから少し登った先に茸が生えているんだお」
川 ゜ -゜)「ん……? ちょっと待て。おいお前……まさかアレを食うつもりなのか?」
そうして不安げにを見上げた彼女の視線の先には、岩棚に覆い被さるようにして生えている巨大なヒラタケが映る。
直径三十メートル前後のそれらは家屋に加工され、そのまま定住する人々も多いが未だそれを食べるという話は聞いたことがない。
川; ゜ -゜)「……mjd?」
もう一度念のためクーは尋ねるのだが、間違いなく相手の返事は変わらない。
( ^ω^)b「何事も試してみるものだお」
川; ゜ -゜)「なん……だと……」
けろりと言ってのけた相手に彼女は動揺を隠せない。
( ^ω^)「さて、そんじゃさっさと行くおー」
Σ川; ゜ -゜)「おいちょっと待てェェェ!!」
強引に腕を掴まれ、慌ててクーは叫んだ。ところが肝心のブーンはそれに耳を貸すつもりはないようだ。
川 ; -;)「お前は私を殺す気かあああ!?」
泣き叫べども後の祭り。
相手からは「心配ない心配ない」と一蹴され、ますます不安が増大してゆく。
川; ゜ -゜)「うああああ心配だ……」
そうこうしている内に目的地へ到着した模様だ。
( ^ω^)「フム……」
茸の表面を観察した後、ブーンはナイフを取り出しそこに刃をあてがった。そのままぐい、と縦方向に切り裂くとぶちんと繊維が切れ、弾力のある塊が剥ぎ取れる。
( ^ω^)「どうかお?」
傍らのドクオに意見を求める。
('A`)「ああ、いいな。肉厚で色も硬さも申し分ない」
川; ゜ -゜)「えっ……まさかそれを生で食べるんじゃあるまいな?」
(; ^ω^)「いやいや流石にそれは無いって」
クーの発言に苦笑しつつも、続けてブーンはドクオに火を熾してもらうよう頼む。
バーナー状に吹き出す炎でじっくりとロースト。味付けは塩のみで、それを適当な大きさに切り分けクーの前に差し出した。
( ^ω^)「さ、これで完成だお」
川; ゜ -゜)「おお……意外とシンプルなんだな。もっとゲテモノっぽい感じになるかと……」
('A`)「あーみんな最初はそう言う」
まぁ良いから食ってみ? とドクオは彼女を促す。
川; ゜ -゜)「う、うむ……まあそこまで言うのなら……」
そして焼き上がった茸に恐る恐るクーは口付け──
「……美味い!」
一口噛み千切った途端、乙女の表情が歓喜の色に染まった。
川* ゜ -゜)「信じられん……! なんだこの濃厚な味わいは。汁が滅茶苦茶溢れて美味い! 美味すぎるぞ!」
──そう。それは見た目の無骨さに反してとても濃厚でクリーミーなのだ。発酵食品にも似た旨味があり、噛めば噛むほどにそれが口の中に溢れ出してくる。
川 ゜ -゜)「くっ、こいつは驚きだ。嗚呼、酒が欲しくなる美味さだ。畜生、手が止まらないぞ!」
そんな賛辞を送りながら次々と平らげてゆくクー。
やがてあっという間に残りが無くなってしまった。
('A`)「おー良かったなクー。そいつ、少しでも時季が外れるととても食えたもんじゃねぇひでぇ味になるんだわ。ブーンも昔当たったしなぁ」
(; ^ω^)「ドクオ。そういう余計なことは言わなくていいから」
苦い表情を浮かべ相棒に釘を刺した後、ようやくブーンも自分の分へと取りかかった。