表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
精龍の血  作者: 落ちこぼれた烏賊
序章
7/40

精霊の魔力量

 

 次の日の朝。いつも通り起きたし、いつも通りに朝食を食べた。いつもと違うのは朝食にリオン、アリア、フェルトがいること。そして朝食の後には魔法の練習があることぐらいだ。

 朝ごはんを食べ終わり。少し雑談を終えた後。魔法の練習は急に始まった。


「よし、まずはユウが魔力をどの程度扱えるか見せてくれよ!」

「そうね、まずは現状を見ないと何も始まらないわ」

「・・・」


 筋肉ムキムキリオンの提案でまずは俺がどの程度魔力を扱えるのかみんなで見ることになった。


「ユウ、私が出かける前に言っておいた教本は読んだかい?」

「うん読んだよ!内容もだいたい理解した!」

「そうだろう。わかりやすく書かれていたろう。」


 どこか嬉しそうに、そしてまた自慢げに話すレイラを見て何かあるのかと思ったがリオンの口からその答えが出てきた。


「ははっ!レイラもしかして自分の書いた本を孫に読ませたのか!」

「え、どういうこと??もしかしてこの本・・」

「ああそうさ、その本は私が書いたんだよ。気づかなかったかい?後ろの方に名前が書いてあるだろう」


 ページをめくり見て見るとそこには

「著者:風殺の魔法使い レイラ」と書いてある。通りでどこか自慢げなわけだ。それにしても自分の本を自分の孫にプレゼントするなんてすごい自信があるんだな。そんな気持ちは置いといて。


「本当だ!全然気付かなかった!」

「はっはは!今気づいたのかユウ!その本は今や世界中の魔法使いが読んでるぞ!」


 世界中の魔法使いか、規模が大きいがそれだけばあちゃんがすごいということか、なんだか自分のことじゃないのに誇らしい気持ちになるな。


「さぁ、そんなことは置いといて、ユウ!なんでもいいから魔法を使ってここのみんなに見せてあげな」


 こんなすごいことなのに置いとくのか、自慢したいのかどっちなんだ。

 とりあえずみんなに見られて緊張するが1番得意な水の玉を作ってみんなに見せようと集中する。


「行きますっ!」


 ユウは右手を前に出し、掌を上に向けた状態で集中し始めた。大気中の水分がユウの右手の上に集まる。そして始めの頃とは全然違う安定した水の玉が完成した。波もほとんどたっていない。


「よし、今はこれが限界かな」

「ふーん、水の魔法が得意なのねお姉さん嬉しいわ。ちなみにそれ何分ぐらい保てるのかしら?」


 水の魔法ということでアリアが真っ先に食いついてきた。別にアリアが綺麗なお姉さんだったからアピールしたかったわけではない。本当にこれが1番得意なのだ。


「んー、限界は試したことがないけど1時間は余裕で保てるよ」

「「「1時間!?」」」

「ユウ、本当に1時間も保てるのかい!?あんた、この前魔法を始めて使ったばかりじゃないかい」

「5歳で玉を1時間保つ少年か、こりゃ属性だけでなく魔力量もかなり持ってるようだし天才だな!今後だ楽しみだぜ」


 水の玉を右手に浮かべただけですごい褒められたんだがどういうことだ?魔力量??別に大気中のを使えばいいから誰でもできるんじゃないのか?

 ユウからしてみればみんなが驚いている理由もリオンの言葉も意味がわからなかった。


「えっと、どういうこと?魔力ってなくなったりするの?」


 大気中の魔力がなくなるなんて大災害なんてものじゃないだろう。そんなことになるとみんな魔法が使えなくなるんだから。そういえばユウは昨日もかなり使っていたが良かったのだろうか。そのせいで魔力が減ってきているとしたらユウは災害を起こした張本人になってしまうのだが…考えるだけで不安になってきた。


「は?何言ってんだユウ?そりゃあ自分の持つ魔力を使い切ったらなくなるだろ?」

「そうね、私も今のは言い方はよくわからなかったわ。どういうことか説明してくれる?ユウ君」


 何を言ってるんだろうこの人達は。自分の持つ魔力が無くなる?なんのことだ。ますますわからなくなってきたので自分の考えの説明を始める。


「えっと、、まず自分の魔力を大気中の魔力に馴染ませて繋げるんでしょ?それを使って魔法を行使するわけだから別に自分の魔力を使わなくてもそこら中にあるのを使っていいんだよね?もしかしてダメだった??」

「「「なっ!・・・・」」」


 3人が同じような声をあげ、顔を見合わせ始めた。やはり大気中の魔力を使うという行動はやってはいけないことだったのだろうか?まるでユウが大罪を犯したかのような驚き方だ。さっきから不安になることばかりである。

 そんな不安を感じたからか、いや、感じていないだろうレイラがようやく沈黙を破り話し始めた。


「ユウ、あんたそれ本当に言ってるのかい?何かの物語で読んだりしたのかい?」

「物語?本当のことしか言ってないけど…」


 これは本格的にダメかもしれん。どんどん不安になっていくユウを救ったのはアリアだった。


「聞いたことがあるわ。大昔、精霊達から加護を受けて人間が魔法という奇跡が使えるようになった。そしてその精霊達は大自然の魔力を自在に扱える。と」

「おいおいアリア、それは[精龍大戦神話]の中で精霊だけが持つ力の話だろ?あれは所詮神話のはずだ」


 [精霊][龍]それは前世の世界ではフィクションでよく聞く言葉だったがこの世界に来てからは初めて聞いた。


「でもユウが嘘をついているとは思えないわ。おそらく本当に大気中の魔力を使えている。精霊達は大自然の、つまり大気も大自然。ユウはきっとなんらかの形で精霊の力を行使することができるのよ。困ったわね」


 驚くべきことに俺の魔力の使い方は普通ではないらしい。どうやら普通は体内の魔力しか使えずにそれが尽きると魔法も使えないしさらに動けなくなるらしい。アリアに困られてしまってはユウも困り果てるしかない。


「おいおい、どうすんだよこれ。」

「そうね、もしもこれが王国に知れたら確実に戦争が起こるわ。たとえ5歳でも魔力を供給する道具として使われるかも知れないわね。」


 ちょつと、怖いこと言うなよ。なに?道具として国に狙われるの?それでなくても今ものすごい不安なんだぞ。


「ユウ、あんた、、この事は誰にも言うんじゃないよ。あんた達も!今聞いた事全て聞かなかった事にしな。ユウは人より多くの魔力がある。それだけだよ」

「・・そうだな。」

「ええ、もちろんよ。」

「・・・」(コクコク)


 なーんかすごいことになってきた。まさか俺がそんな力を持っていてそれを人に喋ってはいけないし、喋ったら自分は国レベルで狙われるから隠し通さないと行けないのか。


「わかったよ、ばあちゃん。魔法は普通に使っていいんだよね。」

「ああ、魔力のことさえ言わなければなんの問題もないからね。」


 ユウが魔法を、しかも水の玉を右手に浮かせるだけで深刻な話になってしまった。

 そんな重たい空気を軽くしたのはまたしてもレイラだった。


「さっ、ユウの実力もだいたい分かったところでそろそろ魔法の練習に入ろうかい。アリア、まずはあんたが水の玉を作って見せてやりな」


 本当に何事も聞かなかったかのように練習に入ろうとするレイラの発言。それはまた水の玉を作るという内容らしい。ユウとしては早く次の段階に行きたいのだがレイラなりの順序があるのだろう。世界中で読まれている本を作った張本人の言うことだ。ここは素直に従っておくのがいいのだろう。


「ええ、分かったわ。ユウ君、ちょっと見ててね。」


 そういうと同時にアリアの右手に水が集まって行き、水の玉が形成された。それはユウが作った物とは明らかにレベルが違うものだった。まるでガラス玉でも持っているかのように透明で波など1つも立っていないそれを、アリアは一瞬で形成したのだ。その速さと綺麗さにも驚いたが、さらに驚くべきことに左手や頭の上、体の周りに合計10個の水の玉を形成したのだ。その10個全ての水の玉は全く乱れずに誰もガラス玉のようだった。


「どう?綺麗でしょ。ユウ君の水も悪くなかったけどこれが本当の水の玉よ。」

「すごい。。」


 自分が作っていた水の玉は子供のお遊び程度、本当に魔法を鍛えるならこれぐらいできないといけないんだということだろうか。五歳の子供になんて事をするんだ、全く。


「わかったかい?あんたはこいつらに、そしてあたしに学ぶことがたくさんある。5年だよ。5年間私達はユウだけに時間を割く。その全てを吸収して強くなりな。」


 リオンは腕を組み笑顔で、アリアは水の玉を浮かせたままウインクしてきた。フェルトは未だに表情を変えない。そんな頼もしい4人に5年もの間魔法を教えてもらえるのだ。自分にできることは全てやろう。そう決めたユウは元気よく返事をするのだった。


「よろしくお願いします!!」

「おう!まかせろ!」

「ええ、しっかりと教えてあげるわ。」

「・・・」

「覚悟しなよ!」


 こうしてユウは世界トップクラスの魔法教育を受け始めた。


 それは時に厳しく、時に優しかった。はじめは各属性の玉を作りから始め、基礎中の基礎、魔力のコントロールの練習から始めた。

 それが完璧にできると次は中級魔法を教えてもらい、その練度を上げていく。魔素度を、どんどん高め、ユウの魔力の特性を生かして魔法の威力を高めていった。

 それぞれの師匠からイメージやコツを教わりアドバイスを受けながら、ユウは着実に魔力のコントロールが上手くなっていく中で数々の魔法の使い方を教わった。


 それからの日々はまるで早送りをしているかのように時間はどんどん過ぎていった。その一分一秒を噛み締めてこの4人から全てを吸収しようとしたのだ。言われたことは全てやった。言われてないことで思いつくことも全てやった。ユウは今まで、前世も含めて今まで経験したこともないような、とても濃い時間が流れていったのだった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ