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精龍の血  作者: 落ちこぼれた烏賊
王都編
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王都ギルドへ


「フィアナは今日どこかいくのか」


ユウは1カ所決まっているが、フィアナの今日の予定を一応確認してみた.



「今日はお金も貰ったしちょっと買い物に行こうと思ってるよ、メイドさんに案内してもらうんだ」


フィアナはついこの間までお金がなく、ユウから借りてたのに大金を手にしてはしゃいでいる様子。


「そうか、わかった。じゃあ今日は別行動だな。俺はギルドに用があるから、今日は王都をブラブラするよ」


「うん!じゃあね」


フィアナは元気一杯走っていった。

王都の物価は知らないが散財するなよ。あと、まず金返すだろ。普通。


「ユウ様本日はギルドとお買い物、王都の散策というご予定でよろしいでしょうか」


「はい、ですが僕は1人で行かせていただいてもいいですか。今日は1人でゆっくりしたい気分で」


連日のゴタゴタがあったので今日くらいは1人でゆっくりしたい。ミーナさんがいるのは王都を回りやすいかもしれないが、一緒にいても気を使う。


「承知致しました。私はいつでも城内にいますのでいつでもお声掛けください」


「ありがとうございます。行ってきます」


行ってらっしゃいませと声をかけられユウは城を後にした。



王都ギルド、この国で王城を除けば一番大きな建物になる。というのも、国の戦闘機関魔法師団等の次にはこのギルドが国を守るシステムとして機能するからだ。

その砦の一つともなる機関の最高位の、セントラルにあったものを支店とするとこれは本店にあたるものだ。最高のセキュリティ、最高の待遇、最高の従業員数、最高の規模を誇る。しかし最高の戦力はここにはない。ここには王国の最高戦力があるため、ギルドの最高戦力を置いておく必要がないのだ。国とギルドは深く繋がっている。


受付は全部で10個もあり、全ての受付がフル稼働している。そのため列が各受付に3人前後で済んでいるのだが、受付の一つでも止まってしまえばすぐにでも長蛇の列ができそうな程に人の出入りがある。

L字型のカウンターは入り口から正面に6、右側に4つ並んでいる。カウンターで行われているのは主に紙の受け渡しだ。


各町にあるギルドには掲示板に依頼内容が記載された紙が貼られている。そこから冒険者登録のある冒険者が自分で依頼を選び、受付で処理をする形をとっている。その依頼は各町で異なるが、特殊なものや緊急のもの以外は更新の時間が設定されている。

今は朝の8時前。ここ王都では朝7時にその日1回目の更新が行われ、新規の依頼が張り出されるので新規の依頼を目当てに冒険者が集まる。

これだけ大きい街にもなると依頼数も増えていき、更新の頻度もそれなりだ。逆に小さい街のギルドは依頼数が少なく、更新の時間が決まっていないこともあるほどだ。


ユウはさっそく受付のために列に並んだ。前に並んでいる男たちは皆紙を持っている。受付のために列に並んでいるためすぐ終わるだろう。

そう思っていたユウに一人の職員が近寄ってきた。


「初めまして、ユウ様。先日ユウ様がお泊りになった宿の主より要件を仰せつかっておりますのでこちらにお越しください。」


短い茶色の髪は綺麗に整えられ、前髪は上げている。なんとも清潔そうな男性だ。所作も美しく、先日見た貴族達のような気品を感じさせる。

それにしても『先日お泊りになった宿の主』とは面白い言い回しだ。つまりこの国の王のことだ。

なんとも面白い言い回しを理解した途端に少し吹き出しそうになったのをこらえて「ありがとう」それだけを言い、列を抜け出したユウはカウンターの奥に連れていかれた。


カウンターと2階に上がる階段の間にある扉を通り、奥の部屋へと案内される途中、その男は自己紹介を始めた。


「申し訳ございません。ユウ様。国王陛下より丁重に対応するようにとのお達しを受けましたが、あまり目立たぬようにとも言われておりまして。先ほどの言い回しは聞かなかったことにしていただければと存じます。私はここ王都のギルドで副ギルド長を務めております。アースと申します。どうぞよろしくお願い致します。」


今朝メイドにギルドに行くことを伝えたばかりだが、すぐにギルドに連絡したのか、もしくは事前に連絡してあったのか。おそらく前者だろう。国王自身は昨日までユウにあったこともなく、王城の使用人たちもユウの顔や背格好を知らない。おそらく今朝ユウが王城を離れてすぐに特徴をギルドに連絡したのだ。


「ありがとうございます。あそこで国王陛下などというとパニックになりかねないですから助かりました」


軽く礼を言うユウにアースは驚いたような表情を見せた。実は今朝も身支度を手伝ってくれたメイドに礼を言うと驚かれた。4属性魔法の使い手は貴族などよりも丁寧に扱われることが当然のこの世界で一使用人に対して礼などしないことが常識のため、ユウの行動は異常に映ったのだろう。


ガチャリと片開きのドアを開けて通された部屋には、ローテーブルとその前後に艶のある皮でできたソファが配置されていた。テーブルも磨かれており、部屋の天井が反射している。


「奥の席におかけください。ギルド長を呼んでまいります。」


ユウは迷わず奥のソファに腰かけた。この国でのユウの地位が魔法が使えるだけでこんなにも高くなることには疑問を感じるが、4属性魔法でこれなので、もしも闇魔法も使えることを知られるとどうなるかわからない。とらえられ、命を狙われるか、異端などと言われて国を追われるか、想像もできない。それにこの国の最高戦力、先日出会ったミキという男。あいつにはまだ勝てないだろう。上には上がいるとはよく言ったものだ。


ユウは部屋をぐるりと見渡した。特に調度品などで高価なものが置かれている感じはしない。だが、この建物の壁や床、天井などからマナを感じるのはとても不思議な感覚だった。


ドカンッ!


「あなたがユウ君ですねっ!!!!」


勢いよく開け放たれたドアからすごい勢いでこちらに迫ってくるぼさぼさ髪の眼鏡男は目を見開いていた。この部屋は扉からソファまで10mほどはあるのだが、すごい勢いでこちらに走ってきた。


「是非!!あなたのことを僕に調べさせて」 バタン


向かいのソファにぼさぼさ髪の眼鏡男が到着しようとしたところで急にその場に倒れた。

さらに驚いたのは4.50歳程の女性が対面のソファに座っているのだ。さっきまではこのボサ眼鏡男と扉の向こうにアースさんしか見えていなかったので急に目の前に現れたように見えたのだ。


「やぁ、あんたがユウか。ふん、やはりレイラ達からは魔法のことしか教わっていないみたいだね。やめときな、あんたじゃあたしに勝てないよ」


気づくとユウは全身に力が入っていた。急に人が現れたからというのは少しの要因に過ぎず、このおばさんから一瞬だけ何かの圧を感じたのが身体強化を発動させてしまった主な要因だった。

ユウはハァハァと息を切らしていた。

もう少し長く圧をかけられていたら魔法を飛ばしていただろう。


「ちょっと、ギルド長!国王陛下からの命令ですよ!申し訳ございませんユウ様。こちら王都ギルド長のライラです。」


王都ギルド長、これほどの強さとは驚いた。さすがはこの国の最高戦力の一つだ。ミキとはまた違った強さのように思える。それにレイラ達のことを知っているようだったし、どことなく顔つきがレイラに似ているような、、、


「ライラさんはレイラおばあちゃんのこと知ってるんですか。さっきレイラ達って言ってましたけど」


ライラはその言葉を聞くとニヤリと笑った。


「知ってるも何も、レイラは私の妹さ。何年かぶりにレイラから連絡がきたと思ったら、王都に来たらあんたをよろしくって。ずいぶん勝手なことを言うが4属性使いでしかもレイラ仕込みとはね。さっきの身体強化はフェルトだろ、気に入った。アース、教えてやりな」


そういうとライラはソファを立ち、部屋を出て行った。まさか王都にきてレイラの姉に出会うとは、しかもレイラが連絡していたってことはユウが王都にたどり着くことを知っていた。それにレイラは生きているということだ。よかった。

いろんな感情がわいてきてポカンとしたままライラは出て行ってしまった。


「すいませんユウ様。ギルド長はああいう人で、、、でも気に入られたのは初めて見ました。」


どうやら気に入られたらしいがなんとも納得がいかない。レイラの姉を名乗るあのギルド長ライラといったがなんなんだいきなり目の前に現れた。瞬間移動か?いや、そんな魔法あるはずがない。それに似た技フラッシュというものは視界内の位置に移動するもの、それに移動できる距離もそれほど長くないはずだ。なのにあのライラは見えないところから急に現れた。しかも目の前のソファに


「どうやら気になっているようですね。ギルド長がどうやって目の前に現れたのか。それを教えるように先ほど言われました。地下の演習場に向かいます。どうぞこちらへ。そうそう、ギルドカードもお預かりします。」


アースに無言でついていくユウ。しかし先ほどの真相がわかるのであれば行く価値はあるだろう


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