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精龍の血  作者: 落ちこぼれた烏賊
王都編
38/40

vsセイン

 ユウにはわかる。この男がユウと同じタイプの魔法使いだと。タイプというのは4属性魔法の使い手かということではなく、得意としている魔法の使い方ということだ。

 たとえばセントラルにいたサラは繊細に魔法を操ってくる上に自らも前に出て肉弾戦を行うタイプだ。しかしユウとセインは魔力との相性がよく干渉しやすいタイプなのだ。確かにこの国においてはサラも天才なのだがこの二人は別格といってもいい。魔力に愛されているのだ。

 そんな二人がぶつかるのは本来大きな戦争の時のみなのだが、いや大きな戦争でもこれほどの使い手がぶつかり合うことは滅多に無いだろう。そんな二人がぶつかり合ってしまっては城はおろかこの街そのものに影響が出かねない。ユウとセインはそれをよくわかっていた。


「おい、このままやったらわかっているだろう。」


「僕はこの命に変えても王を守るそれだけだ!」


 セインは全く聞き分けがなかった。あの王とやらにいったいどれだけの思い入れがあるのか分からないがきっとそう思わせるだけの何かがあったのだろう。


 スー、、、っとあたりの空気、いや、魔力が静かになっていった。これはあの時のセインの雰囲気と同じ、セインが魔法を使う時のものだろう。


「ごめんね、ユウ君。でも僕は決めたんだ。」


 セインは自分の周囲を冷気で包んだ。冷たく静かな空間にこちらを睨む2つの目。ユウはその恐ろしさにゾクリと反応してしまった。

 そして咄嗟に力を出してしまった。


「まずいっ!!」


 ユウは本来コントロールしていたはずの魔力を恐怖から少しだけ強いものにしてしまった。

 しかしこの強さがあれば人1人を殺すことなど容易い力だったのだ。

 セインの氷魔法のコントロールを奪い、さらにその氷魔法をユウ自身の魔力で強化し、セインに向かって打ち出した。当たればタダですまないだろうその氷の塊をユウは素早く、熱で溶かし、セインを守ろうとしたが全てを溶かしきることは不可能だった。

 残りをセインに当てるわけにはいかないと土魔法で壁を作ろうとしたがギリギリ間に合わなかった。

 やってしまった。殺すつもりはなかったのだがこれではセインは死んでしまう。




 パリンッ!!!!



 大きな音と共に全ての氷が同時に破壊された。

 その破片達が辺りをキラキラと舞い、氷の世界にきたかのような幻想的な風景を演出していたのだが、氷のかけらの1つが明らかにおかしな挙動をした。空中に止まったのだ。


「遅いな、もうすぐで死ぬところでしたよ、ミキさん」


「プハハハ!ごめんごめん。つい楽しくなってきちゃってさ、でも死んでないしおっけーだよね!」


 氷が空中で止まったところから景色がぼやけていき、人が現れた。セインを殺す事にならなかったのは嬉しいのだが、みたこともない魔法を使われ、さらに援軍が来たのだこれは警戒せざるを得ない。

 ユウは2人の動きをジッと監視し始めた。


「タンマタンマ!ごめんねユウ君。ほら!セインも謝ってよ」


「ああ、ごめんね。これはユウ君を試すためのものなんだ。4属性魔法の使い手なんてそうそういないからね、試さないと行けなかったんだ。許して欲しい」


 さっきまで静かだった魔力は喜んでいるかのように暖かくなり、セインとミキからも敵意を全く感じなくなった。

 これが罠だった場合のことも考え、話を聞くが警戒は解かない、フィアナの時と同じスタイルだ。


 セインとミキはなんとか理解してもらおうと話を始めたのだがどうも信用できない。

 すると階段の上の扉からさっきの王が出てきた。しかしその服装はさっきまでの豪華でまさに王、というものではなく、少し暗めの服を着ていた。階段を降り、ユウの前に跪くと言葉を発し始めた。


「4属性魔法の使い手ユウ様。私はここセントラルで参謀を任されております、リグと申します。王などではございません。この度の非礼、どうかお許し願いたい。精霊の国において4属性全てを使えるというのはそれだけで圧倒的な権力を得ることができること。それ故に少し魔法を使えるだけで嘘をつく輩が後を断ちません。今回もそれを警戒し、少しばかり試させていただきましたがユウ様は間違いなく4属性をお使いになりました。空を飛ぶ際の風魔法。氷を強化した時の水魔法。氷を溶かした火魔法。そして壁を作った土魔法。この目でしかと確認させていただきました。改めまして、階段の奥の部屋へとお進みください。今度こそ本当に歓迎の準備をいたしております。」


あまりの話にポカンとしてしまった。さっきまでのはすべて演技でユウが本当の4属性魔法の使い手か試すためにやった。そいうことだ。しかもセインは魔法師団1番隊隊長ではなく副隊長でミキが本当の隊長だというではないか。王は参謀だったし、、、


「じゃあ、龍人の実験の話はどうなんだ」


そうだ、後ろに控えているフィアナのことで今回は王都に来たのだ。さっき返答したのは参謀の演技だとしたならば本当のところはどうなのか、それが一番大事だ。


「はい、先ほどは力を見るためにはぐらかしましたがここ王都で龍人の人体実験を行っているということはありません。どこからそのような情報を手に入れられたのか教えていただけませんか。何か力になれるかもしれません」


ユウはフィアナに話すように促した。フィアナは自分がおぼえているだけのことをすべてこの場で話した。するとミキ、セイン、リグは憤慨した。そんな恐ろしくひどいことをしている者がいるのかと。


「そんなことをしていいはずがありません。我が国の騎士で辺りを探させましょう。見つけ次第ご報告いたします。さて、今日はとりあえず奥にお進みください。」


階段を上り、奥の扉を開けるとそこは広い部屋になっていた。部屋の一番奥には王座が用意されており、部屋の真ん中には木でできた大きな長いテーブルといくつもの椅子があった。一番奥の席にはこれでもかと豪華な服を着た男が座っていた。だがユウが部屋に到着すると立ち上がった。


「ようこそ、」



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