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精龍の血  作者: 落ちこぼれた烏賊
王都編
35/40

フィアナの実験

 

 龍人族はとても珍しく、そして人間の体でありながら龍に変身することができる。このことに興味を持ち出したのは精霊の国の国が抱える研究者たちだった。何らかのエネルギーにより、人の体に影響を与えて龍になるのならばそのエネルギーを取り出すことができれば強化人間を作り出すことができるというものだ。

 セントラルの前であったできそこないもこの研究の被害者で実験を繰り返していくことで理性が崩壊し、体も元に戻らなくなってしまった1人だ。


フィアナはセントラルから龍の国へ強制送還される途中、龍人族ということで他の龍の国の民とは別行動をするようにお願いされた。

しかしこれがフィアナにとって最悪の始まりだった。この時、自分が龍人族だからと別行動をしていなければこんなことにはならなかっただろう。


フィアナは薬で眠らされ、次に目が覚めた時にはどこかの研究室にキツく縛られていた。服は脱がされ、周りには自分を研究対象としてしか見ていないのだろう冷たい目の人間達がウロついていた。


初めは恐怖していたのだがその感情はすぐに絶望へと変わることになる。

何度も実験用に血を抜かれ、よくわからない薬を注入された。

その薬が自分の体の中を巡ることを感じた瞬間心臓の鼓動が跳ね上がる。

身体中が熱くなっていき、薬を注入された箇所が強制的に龍化させられる。

フィアナは拘束を解こうと龍化を試みたが何故だか自分の意思で龍化することはできなくなっていた。


次第に薬の強度が増していき、たまに理性が飛ぶことがあった。

当然薬を注入されたときは身体中が熱く悲鳴を何度も上げた。


何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も


痛い


熱い


苦しい


怖い



気がつくとフィアナの右手は龍化したまま元に戻すことが出来なくなっていた。


あたりの人間はニヤニヤとしながら何か資料のようなものを見て、フィアナを見ていた。


これは薬の効果もあったのだろうか、普段そんなことは思わないフィアナだがこのときは思ってしまったのだ。




『ここにいる全員、殺してやるっ!』




何日経っただろうか?1週間ほどか?時間の経過もわからないままフィアナの実験は続いていたある日、理性は完全に吹き飛んだ。


薬により、右手、右足、首から上が龍化したフィアナは拘束具を無理矢理に引き千切ることに成功してしまったのだ。


そこからは一瞬だった。自分の身を守るためと言えばそうなのだろう。だがそれ以外の気持ちもフィアナの中には生まれ始めていた。

こいつらを痛めつけて苦しませて恐怖を味わわせて殺す。1人残らず殺す。


その研究所は1日で崩壊した。

原因は1匹の被験体の龍人族。


フィアナは理性が崩壊していたのだがうちに少しだけ覗く優しいフィアナ。

このことによりフィアナは研究所から逃げた。逃げて逃げて森に迷い込んだ。


腹が減っては近くの生き物を本能のままに狩り、食べた。

何を食べたかわからないがたまに人間を食べていたかもしれない。



コワイヨ


タスケテ


タスケテ ユウ




自分の意思では止められない身体に恐怖して心の奥で助けを求めていた。何と無くだがユウなら助けてくれる気がしていたのだ。




今日もまた腹が減ったのだろう。何か動物のようなものを狩り、食べた。

すると森の向こうから何かがこちらに向かってくる。



マタニンゲンダ


コロソウ



今のフィアナにとって人間は殺すべき対象でしかなかった。自分に害を与えてくる殺すべき対象。


例え目の前にユウがいてもそれに気づくことは出来なかった。


ただただ心の奥底でユウに助けを求めることしか出来なかったのだ。


すでに精霊の国から、フィアナを絶対に殺すように指令が出ていることはこのときユウもフィアナも知らなかった。

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