まち
どうぞお楽しみください。実はこれが初投稿。
僕は今日、夢を見た。
始まりの町。誰もが世界のルールを知る町。
うきうきしながら。
......
輝かしい未来への展望、そのときまで僕は希望あふれる若者だった。
足を踏み入れた。
瞬間、その町は濃い血臭に覆われた。
煉瓦造りの煙突から赤い霧が。
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......
碁盤の目状の道路の出口からは赤い液体が、
道の端の脹脛から赤い塊が、
ああ、あちらにもこちらにも、赤い、赤い、たんぱく質が、水分が、ああ、血が、血が、血が、血が、血が!
宿主を喪った寄生虫はその長すぎる身体を無様に血の海に晒し。
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血臭に失神した動物たち、完全に静かになった世界。
完全に静かになった世界。
完全に静かになったまちで。
僕は、上半身と足を爆散させ倒れ伏した。
無音。
一陣の風、葉の擦れる音。
無音。
......
ありがとうございました。