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大泣き

8話


「あ、あー皆さん?少し離れてくれるとありがたいなとか思ったり」


そう言った瞬間皆がすぐにパッと顔を上げすぐさま顔を俯向く。

行動早いな。それが俺の感想。それに皆、

「ご、ごめんなさい!」

とか、

「あ、あの大変申し訳ありませんでした」

など、8人全員が謝っている。


別に謝って欲しいわけじゃなかったんだけどなぁと思いつつも「ありがとう」と言いメニュー画面を開く。


「うーん、10人住めるようなキャンピングカーなんて流石にあるわけないだろうし、これはもう『亜空間』のスキル買うしかないよなぁ」


と、呟きつつも『亜空間(大)』を買う。

「さーてと、マイホームでも作りに行きますか『亜空間』」


えーと何々初期設定?

あー誰が入れるかとかの制限機能が付いてるわけね。


取り敢えず、ここにいる10人だけを許可して、壁に亜空間ゲートを張る。


「よっしゃ、できた!じゃあ皆怖いかもしれないけど大丈夫だからこの中に入ってくれ」


皆、「え、え?ここ入れるの?」みたいな表情をしている。


「あー大丈夫。この中入ったら、草原エリアだから取り敢えず入ってくれ。大丈夫あの男の子は俺がおんぶして行くからさ」


そう言うと、全員がゲートに入って行く。


俺も、寝たままの男の子を抱えるとそのままゲートに向かって入っていった。


「うわー!すげーきれー!」


と、ドワーフっぽい男の子が言う。

因みに9人中2人が男の子で後の7人が女の子だった。


「よーし、皆少し待っててくれよ」


因みにこの『亜空間』ないであれば飲食物以外であれば何でも自由に出てくるという不思議空間だ。


大体半径5キロメートル程らしい。

俺は早速、家を作った。家は三階建てにした。



「よーし皆入ってくれ」


そして皆が家に入った。1階は、食堂と、畳で作った居間がある。2階と3階に個室を作って、各階に二つずつトイレを付けた実に簡素な家だ。



そういえば今日は何も食べてないな。


「お前達は今日何か食べたか?」

と聞くと、皆がふるふるふると首を横に振る。


「おし、じゃあ皆ここに座ってくれ」


と、食堂の椅子を指した。俺が居間のソファーに男の子を置いて食堂の方面に体を向けたが。まだ彼等は椅子に座っていなかった。


と言うか椅子の下の地面に座ってしまった。


「あーここからなのか。皆椅子に座って欲しいんだ」



そんな「え?」みたいな顔をするなよな。

と思った先に一番状態の酷かった女の子が口を開く。


「あの、何でご主人様は私達なんかを買ったんですか?私達亜人種ですよ?」


え?


「亜人種だからって一緒に食べちゃダメなの?」


「だ、だって私達を虐めてた人は「亜人種は汚物だから...って」


次第に彼女の顔が涙で溢れてくる。


「そ..れに..お前...たち...ひぐっ...なん..て生まれてこな...くてもいい...ってそれに」


皆の顔が涙で皺くちゃになって来たので、話の途中で悪いが彼女に抱きついた。


「なぁ、俺は生まれてから直ぐに一人ぼっちになったんだ」


と、話題を切り出す。


「え?」

と、突然の話に追いつけていないようだが気にしないで話し続ける。


「昔な、俺がまだ赤ん坊だった頃でさ、家族と一緒に旅に出たんだよ。

直ぐ帰ってくるはずだった。だけどそうはならなかった。

何でって?そこでいきなり戦争が始まったんだよ。そこからは最悪だった。

両親が死んで、1人になって、そして見知らぬ人に拾われた。

そこで拾われてもさ、戦闘訓練ってのをやらされてさ俺が4歳の頃だったかな?そこに10年間いてさ、ある日自分の血縁者に会えたんだよ。

でも、上手く続かなくてさ、友達も出来ずにずっと一人ぼっちだったんだ。

要は何が言いたいんだって?それはね、お前達を見捨てたりはしない。

だって俺も1人になる寂しさを知っているからね。」

と、ここで一拍間をおく


「それに第一なんで亜人種だからって君達を捨てなきゃいけないんだ!

金髪で赤い瞳って可愛いじゃないか!

そこのエルフちゃんだってそのツンとした耳を触ってみたいし、やっぱりエルフは美形が多いのかな?ってぐらい可愛いし、

狐耳のした女の子だって一日中耳をモフモフしたいし、

そこのドワーフっぽい男の子だって成長すれば強くなりそうだから一度は戦ってみたいし、

ウサギの耳をしたそこの女の子だって長耳を何時までも触り続けたいし、

オオカミちゃんと、ワンちゃんとだってフリスビーを使って一緒に遊びたいし、

そこの猫ちゃんとだって、尻尾を触ってゴロニャンしてみたい!」


これを一息で言ったため息はハァハァと切らしている皆もやはり「え、え?」となっていた。


そして抱きついている女の子の顔を上げさせて最後にこれだけは言った。


「要は、俺はお前らを亜人種だからって差別なんてしないし、捨てない。それだけだ!」


やっと言葉を理解したのか次第にまた顔をくしゃくしゃにして「は..い..あり...がとう...ござい...ます」


と、目の前の女の子が言った。もう皆大泣きだった。


ちょっと金髪ちゃんを体から離し一人一人に抱きついて背中をさすった。

居間を見ると男の子も起きて泣いていた。


「おっ、起きたのかい。その調子だと随分と前から起きてたようだね。もう大丈夫だよ。君達を傷つけるのはここにはいないからね」


と、男の子にも背中を摩る。

男の子は「は..い....は...い!」としか言わなかった。


それでも気持ちは十分に伝わったけどね。


「さぁさぁ、もう1人の男の子も起きたようだしご飯にしようか。さぁ皆今度はちゃんと席につくんだよ?」


と、言うと今度はきちんと椅子の上に座ってくれた。


「よーし、じゃあ皆は胃が弱っているからあまり固形物は良くないからお粥と、食べれそうだったらこれを食べてくれ!」


と、ショップからお粥を10個とハンバーグを1人一個ずつ用意する。

一つずつ彼らの目の前のテーブルに置くように設定した。結果は皆驚いたようだ。


「え、お皿が勝手に?」


とかいろんな声が聞こえるけど気にしない。


「さぁ、今日はお粥とハンバーグだ。遠慮なく食べてくれ!吐きたかったら教えてくれよ?君たちのお腹はまだ弱いから吐いても仕方の無い事なんだからな?」


皆、こくこくと頷く。


「じゃあ、まず俺のルールに食べる前には必ず頂きます。食べた後は必ずご馳走様でした。という習慣があるから必ず言うように!それでは頂きます!」


「「「「「「「「「頂きます!」」」」」」」」」


それからは、吐くものはいなかったが逆に食べたいという表情を出した奴が多かったりしてちょっと驚いた。勿論ちゃんとハンバーグをあげた。


案外亜人種というのは胃が強いのかもしれない。

そんな感想を俺は抱いた。




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