ギルドマスター
言い訳はしません。時間を空けてすみません(´・_・`)
31話
冒険者:「た、大変だ!魔物の軍勢がこっちに向かってきてる!」
その言葉に周囲は騒ついた。
???:「落ち着くんだ!」
二階から駆け下りてきた女性がそう叫ぶ。
???:「魔物の数と主要の種族、どれくらいの位置にいるのかを教えてくれ!」
そう、女性が冒険者に言う。恐らく高位ランクのものだろうとノースは仮定した。
冒険者:「主要の種族はゴブリンやコボルとなどの低種族でしたが数は約1000程かと思われました。位置に至ってはここから西の草原エリアから出現しました!」
???:「あそこにはあまり障害物がなく見晴らしもいい....。その群れとの距離は?」
冒険者:「最後に見たのが約5〜6km程かと」
???:「ふむ...分かった。ギルドマスターとして命ずる!緊急クエストだ!対象はCランク以上の冒険者の参加は必須!それ以下の者は対象者ではないが積極的にサポートにまわって欲しい!以上だ!」
冒険者達:「「「「「「「おう!」」」」」」」
それぞれの冒険者達がいそいそと準備している間に、ギルドマスターと名乗った女性がノースに近づいてきた。
ギルドマスター:「私はここのギルドマスターをしているカノンという者だ。ノース君の戦いぶりは見せてもらった。正直、君は強い。そこで頼みがある。今はこれまでに類を見ない状況なんだ。普通は100〜200、悪くても500ほどだった。しかし、聞くに戦力は最悪時の2倍...猫の手も借りたいところなんだ。だから頼みたい。戦力として前線に出てはくれないか?」
ノースにとってこれはチャンスだ。いずれこの装備が自分の軍の戦闘服となる。ここで活躍し、この服と武器を持っている奴が蹴散らせば冒険者達の目にも止まるだろう。そして、将来国と戦う時この装備で行くとき、少なからず兵士達の士気が落ちるはずだ。その時、この装備を見て恐れ慄かなくとも、ある程度の強さを知ってもらい、自分には勝てないと思って欲しいのだ。
勿論これも活躍すれば、の話である。
だからノースにとってこれはチャンスなのだ。
ノース:「....いいだろう。ナミア、行くぞ」
ナミア:「はっ!」
こうして、ノース達はギルドを後にした。
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side:カノン
受付嬢:「ギルドマスター、また揉め事が起こりました」
そういつものように彼女は用件を伝える。
カノン:「はぁ、またか.....。で、また彼女についての争いなのか?」
受付嬢:「はい、ですがいつもとは少し違うんです」
カノン:「???」
そして、私は受付嬢から彼女が人を連れてきたと聞く。
最近は本当に頭の痛くなる要件しか伝わってこない。それもこれも彼女が来たせいだ。いや、別に彼女自身が悪いというわけじゃないんだが.....。
彼女がやってきたのは一月前ほど。名前は確かナミアの筈だ。
最初は何もない、ただの冒険者になると思っていた。それもその筈、強い者には何かしらのオーラがあるのだ。どこかの国や、大規模組織に与していない限りそのオーラを隠す事は難しいだろう。
だから、ノーマークだった。しかし彼女の快進撃は初日から始まった。それまでマークしていた冒険者たちを次々とはね退け今やわずか一月ばかりでCランクにまで上り詰めた才女だった。
2週間ほど前の上級クラスが5匹同時に来た時も彼女がいなかったら危なかったかもしれない。
それからは有名になった。きっと上級クラスでもかなり厄介なウルフマン等を倒したおかげもあるのだろう。
それで近くの男はナミアに告白しまくっている。男女間での問題は昔からあるというのにこれ以上ギスギスとした関係にして欲しくない。いや、彼女が悪いわけではないのだが。
それで遂に人を連れてきたという。しかも男だ。その時、受付嬢はそいつを対応していたらしいが並々ならぬ殺気に足が震えていたそうだ。聞けば、まだ少年らしくフル装備で来たとの事。
ナミアが男を連れてきた事に癪に障ったのか男の冒険者が訓練場で世話という名の決闘を行うらしい。
私自身、彼女が連れて来たという少年に少しばかり興味が湧いたので早速訓練場に行く事にした。私がいつも使っている部屋は二階だが、訓練場の二階にも繋がっているので一階に下りる事はなかった。
すると、どうだろう。観客は高ランク冒険者ばかり、その理由は単純。少年が殺気をばら撒いているからだ。あんなに強いものだと低ランクの者は気絶ものだろう。
男の冒険者が何かを言い終えると両者武器を構えた。
カノン:「ははっ、なんだあの構えは....」
決して馬鹿にしたわけではない。寧ろ逆、一瞬だけ目を奪われてしまった。素人が構えるような隙のたくさんある構え方ではなく、腕はだらんとしている筈なのに攻撃したらこっちが殺られる事は目に見た。
カノン:(何十分、いや何分で倒すのか楽しみだ)
これはもう少年の勝ちだろう。ならせめて倒すのにかかる時間ぐらいは当てようと思った。
カノン:(3分?いや、5分ほどだろう)
結果は斜め上どころか真上を言った。
審判:「開始っ!」
カノン:「ははっ....何よそれ」
審判の合図が終わる頃にはもう少年は男の背後にいた。それだけなら一瞬で終わった。少年が男に何か言って気絶させる時間を入れても3〜4秒ほどだろう。
カノン:(強い.....!)
私は年甲斐もなく興奮してしまった。もしかしたら、いや必ずと言ってもいいほど少年は私より強い。私でも本気を出して1〜2分ほどはかかる。
カノン:(もっと見てみたい....!)
彼の強さは男女関係なく惹きつける何かがある。今思えばあの並ならぬ手捌きは相当の実戦経験があったのだろう。私も一戦交えたかったがそれは起こった。
冒険者:「た、大変だ!魔物の軍勢がこっちに向かってきてる!」
つられて周囲が騒ぎ出す。ここからは私の仕事だろう。
カノン:「落ち着くんだ!」
急いで一階に駆け降りて皆んなを落ち着かせる。
カノン:「魔物の数と主要の種族、どれくらいの位置にいるのかを教えてくれ!」
まずは情報が大事だ。特に私のような規模を見て、聞いてから各冒険者に命令を出す身としては一番重要だろう。
冒険者:「主要の種族はゴブリンやコボルとなどの低種族でしたが数は約1000程かと思われました。位置に至ってはここから西の草原エリアから出現しました!」
1000....少し多いどころの騒ぎではない。かなり大規模だ。しかし草原エリアならば弓矢を用いればある程度は数を削れるかもしれない。準備をする時間はあるのだろうか。そう思った私は群れとの距離はどれくらいあるのか聞く事にした。
カノン:「あそこにはあまり障害物がなく見晴らしもいい....。その群れとの距離は?」
冒険者:「最後に見たのが約5〜6km程かと」
そこまで遠いと、移動速度まではわからないだろう。だがそれならば相手は魔物だから統率が乱れ、一回にくる数は少ないだろうが長い戦いになる事を予想した。それならば低ランクの冒険者でも戦力にはなる筈だ。
カノン:「ふむ...分かった。ギルドマスターとして命ずる!緊急クエストだ!対象はCランク以上の冒険者の参加は必須!それ以下の者は対象者ではないが積極的にサポートにまわって欲しい!以上だ!」
冒険者達:「「「「「「「おう!」」」」」」」
これで一先ずは安心だろう。次はあの少年にも声をかけておくべきだろう。そう思い私は少年、ノース君のもとに行く事にした。冒険者が口々にノース、ノースと言っているものだからすぐにわかった。
カノン:「私はここのギルドマスターをしているカノンという者だ。ノース君の戦いぶりは見せてもらった。正直、君は強い。そこで頼みがある。今はこれまでに類を見ない状況なんだ。普通は100〜200、悪くても500ほどだった。しかし、聞くに戦力は最悪時の2倍...猫の手も借りたいところなんだ。だから頼みたい。戦力として前線に出てはくれないか?」
ノース君は少し考える素振りを見せ
ノース:「....いいだろう。ナミア行くぞ」
ナミア:「はっ!」
そう言って2人はギルドから出て行った。正直あの最後の会話はどこかの軍隊にいそうな話し方だったが、今はそんな事を考えている暇はない。
そう思って、私もギルドを後にした。
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