出だしは好調
週別ユニークユーザーが1000人でした!この物語を読んでいただきありがとうございます!
本当は日曜日に投稿予定をしていましたが急遽土曜日投稿する事にしました。やっぱり見たい作品は1日でも早く見たいって思うのは当然だよね!
30話
ギルドの中に二人組が入って来た。1人は最近名を挙げているナミア。
そしてもう1人はフル装備の状態の騎士の様に、顔も体も素肌を隠しきっている。はっきり言えば不気味だ。そして背丈は少しばかり小さかった。
勢いよく扉を開けた為か、それとも不思議な格好をしているカズトに興味をそそられたのか。はたまた、ナミアが気になっただけなのか。
いずれにせよ、掲示板に掲げられている依頼書と睨めっこをしていた冒険者も、隣の酒場で怒鳴りあっていた冒険者も、全員が二人組を見ていた。
2人は真っ直ぐと受付嬢のいる元へと行く。自分のところに来ると悟った受付嬢は少し怯えている。
カズト:「冒険者登録をしたい」
受付嬢:「は、はい。ではこれに貴方のお名前と所持スキルなどを...」
???:「ナ、ナミアさん!」
ガタッと、席を立つ音がする。その音の場所には男が唖然とした表情で立っていた。
ナミア:「また貴方ですか...。お断りした筈でしょう?」
???:「そ、それよりあの人は何ですか!」
ナミア:「そうですね...」
本心で言えば、ナミアにとってカズトとはかけがえのない人物。言い換えれば愛する人と同義である。命をかけてでも守りきる事は当たり前だ。
しかし、それを主人の前で言うのは恥ずかしい。ならば元々任務で決めていた設定を言うのが妥当であろう。
ナミア:「彼は友人の子で冒険者になる為の世話をする事になっているんです」
別に言わなくても良いとは思うが、周りが興味津々の中で言わなかった場合、変な奴が自分たちを調べようとするかもしれない。
それならばと、ナミアは少し大きな声で言った。それに公開してもいい情報だからだ。
???:「彼って事は男なんですね...」
そう、落ち込んだかと思うと今度はカズトの方に向かっていった。
???:「お前、ナミアさんと知り合いなんだな。ナミアさんが世話しなくても俺が世話してやる!訓練場に来い!」
と、名前も知らない彼は訓練場へと去っていく。
カズト:「何だあいつ?」
ものを書いている間に話しかけてくるとは無粋なやつだと思いつつも勝手に約束された様なので取り敢えずナミアに聞く事にした。
ナミア:「私がここら辺で強い魔物を倒した時に彼がいたんです。助けるという形になってあの後何回も告白とやらをされたんですけど、きちんと振っていますよ」
カズト:「何回もしてくるのか...強情というか意地っ張りというか、中々面倒な奴だな」
ナミア:「ええ、実は私も困っているんです。一回、締めておかないといけないかなって思うぐらいには....。ところで名前の方はどうしますか?今まで通りに?」
カズト:「いや、一度はあの名前で登録してある。違う名前にするさ。そうだな........ノース。ノースだ」
ノースの由来は簡単だ。彼がゲーム時代の時にノーンフエィス、いわば顔無しというあだ名で通っていたからだ。その頭と後ろの文字を取っただけである。
ノース:「んで、あいつの冒険者ランクは?」
ナミア:「上級魔物と戦闘していたので恐らくランクはB以上かと....」
ノース:「上級魔物って言ったらだいたいレベル70くらいか?それで危なかったとなるともっと低いか....。クロード達でも倒せそうだが、まぁそんなものか....」
ナミア:「まさか本当にお相手しに参られるんですか?」
ノース:「....ん?ああ、ここでナミアの言う通りに締めておかないと、ひっついて回りそうだからな」
ナミア:「すみません、私の為に...。こうなる前に私で締めておけばよかったのですが...」
ノース:「いいさ、俺の物(部下的な意味で)に手を出すうるさいハエを追っ払うと思えば何てことない」
ナミア:「お、俺の物!?そ、そうですよね。私はノース様だけのものなんですからね!(異性的な意味で)」
話は噛み合っている様に見えるが実際は噛み合っていない。
書面を書き終え、受付嬢に渡す。
受付嬢:「ノ、ノースさんですね。登録完了しました。訓練場まで案内しますか?」
ノース:「いや、彼女に案内してもらうから大丈夫だ。ありがとう」
そう言ってカズト、もといノースたちも訓練場へと向かうのだった。
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???:「来たか、これから大人の世界をたっぷりと教えてやる!」
彼がナミアを気になっているのはノースからも見てわかる。だが、だからと言って手を抜くこともない。何故なら彼女自身が彼を嫌っているからだ。
それに身長と、友人の子と言う話で相手が年少な事は分かっているはずなのに、大人気ない所がもし彼女と結ばれても破局するという未来しか見えない。ならばここで心を折っておくのがいいとノースは考えたのだ。
銃ではなく剣にする理由は至って簡単、銃だと相手が確実に死ぬ。足や、腕などの急所を外せばすぐに死ぬ事はないが吹っ飛んで無くなる事は確実だ。
銃を1の力でトリガーを押すと100の力で攻撃できる。逆に言えば20の力で撃とうが120の力で撃とうが100しかダメージを与えられないのである。
それに比べて剣などの近接系武器は10の力で攻撃したら 10のダメージを与えることが出来るし、120の力で攻撃したら120のダメージを与えられるのだ。要は、コントロールしやすいから剣をとっただけである。
???:「来たか!今回は試合方式で行くぜ。審判はギルド職員だ」
審判:「この試合の審判を務めさせていただきます。ギルド職員のサラと申します」
よく見ると審判はノースがカズトとして初めてギルドを訪れた時にいた受付嬢である。
ノースがサラを見ていたが、あの時の様にノースを心配する様な表情を見るにカズトとしては気づいていない様だ。それに安堵したノースは、二つのナイフをとる。
???:「双剣?はっ!武器の扱い方も知らないお子様が双剣を選ぶとはいい度胸だ!今日はたっぷりと世話してやる!」
ノースは二つのコンバットナイフを用いている。刃わ約40cmほどの長さで普通の剣よりは短い。
ノース:「まさか、ここでCQCが活きるとはな...」
CQC、 close quarters combatの略で、近接戦闘の意味を指す。
CQCの戦闘技術には無手も、ナイフによる戦闘も想定された技術である。基本は無手による戦いからで、慣れてくるとナイフを使う戦闘方法になる。
その中でもノースの戦い方は少し特殊だろう。普通はナイフとハンドガンのような片手でも撃てる武器を用いて戦うことが多い。少なくともナイフ2本を使う戦闘技術はあまりないし、ノース自体もナイフ2本よりは、ハンドガンに銃剣を付けた、2丁拳銃の方がやりやすい。だが、それは1度審判のサラがカズトとしてやっているのを見てしまっているので敢えてやらなかったのだ。
それでも普通は、銃がなくてもナイフ一本でする筈だ。なのでどちらかと言うと今回行う戦闘方法は、 silent Killingと呼ばれる戦い方に近い。
ノースはナイフを逆手に持つ。腕をだらんとしてリラックスしている様に見えるが、常にナイフは自分の腕と一緒だと刷り込まれたノースには、油断も隙もない。
それを感じ取ったのか相手は一歩後ろへと退いた。
???:「ふ、ふん!どうやら様になっている様だな」
もちろん嘘である。彼から見てもどうやら、と言うレベルではなく寧ろ完璧、といったレベルにしか見えない。それは試合を見に来た観客も同じであった。
審判:「ルールを説明します。基本殺傷は禁止。また、腕を切り落とす事や足を切り落とすなど、今後の生活に支障をきたす攻撃は禁止とします」
???:「ああ、それでいいぜ!」
ノース:「構わない」
審判:「それでは、試合かい...」
silent killingを日本語に直すと無音殺傷。それは基本、相手を静かに殺すと言った戦闘方法である。
その中に相手が声を発する前に殺すという思想があった。勿論地球でやろうとしたらスナイパーライフルでやる時ぐらいだろう。
だがこの世界では違う。レベルアップというものがあるお陰で人間には出せない速度が出せる様になったこの世界では、地球で出来なかったことが出来るのだ。
例えば、音速よりも早い走りで相手に詰め寄り殺すなど。
審判:「しっ!」
審判の試合開始の合図とともにノースは走り出す。その速さに相手は追いついていない。目で追うことさえできていない様に見える。
何故ならノースが相手の後ろに回り込んでも、目の向いている方向の先は開始の合図前のノースの位置だからだ。
そして、ナイフを相手の首元に突きつけ。
ノース:「終わりだ。お前の負けだよ」
と告げる。僅か3秒の出来事だった。
???:「あ、ぐっ?」
ナイフを突きつけられた冒険者は、後頭部に痛みを覚えたかと思えば、意識が遠のく。そして、ばたりと倒れてしまった。
ノースが後頭部をナイフのハンドルの後ろの部分で殴って気絶させたのだ。
審判:「しょ、勝者、ノース!」
遅れて、「うおおおおおおお!」と観客からの声が聞こえる。
中には、「おい、あいつの動き。お前追えたか?」「いいや、全然。何者なんだあいつ?」や。
「私たちのパーティに勧誘してみようよ!」「ばっか!お前絶対あの子ナミアさんのパーティに入るに決まってるだろ!」など、決して悪くない声が聞こえた。
どうやら出だしは好調の様だ。
そうノースは思いナイフをしまった。そして、訓練場を抜けようとした時、バン!と勢いよく扉が開き。
冒険者:「た、大変だ!魔物の軍勢がこっちに向かってきてる!」
と、おっかない話を持ち込んできた。
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来週は資格の筆記試験だから出来ないよ!多分...。
頑張って書いてはみます!




