軍事的示威表示の任務に則って
どうも、本文投稿しようとしたら間違って本文を消してしまった作シカです。
本当は午前中にあげる予定でしたが、ショックでふさぎ込んでいました。3時間ほどで書き上げました。不具合がありましたら申し訳ありません。
29話
翌日、カズトは朝早く起き準備を整える。
今回の装備品は、少し近未来を想像する装備だ。まず、頭は服装備と連携して使えるフルフェイスヘルメットだ。
バイクのヘルメットの様に、ヘルメット全体が丸くなっておらず、角ばっている。耳はコムタックの様に大きく膨らんでいて、口はガスマスク特有の形をして目元部分は、バイザーをつけた様な感じだ。
服にも全体が装甲部分に覆われていて角々している。肌が一切露出する事はなく、それでいて暑苦しさも感じない。
この装備はカズトがサイカに頼んで作らせたのでまだカズトの分の一着と 試作品の合わせて二着しかない逸品だ。
各種機能があるとサイカは言ったが、あまりの多さにカズトもビックリした。中でも一番カズトが気に入っているのはヘルメット装備を外した時にプシュウウと音が鳴るという、映画の様なシーンが出来るという事だった。
左足のホルスターには、ベレッタM92を。 主武装は、M4カービン。
肩に提げている 副武装は、スナイパーライフルのバレットM82A1。バレットM82A1の長さが約145cmあり、身長が低くなったカズトにとってはバレルが地面につかなくとも、バレルと地面との間はギリギリだ。腰に軍用ポーチを巻き付けている。
エンチャントの魔法で見た目よりもずっと多く入るし、重さもさほど感じない様になっている。俗に言うなればアイテムボックス化させたのだ。
その中に手榴弾などの使い捨て武器や、MP7などの銃器、弾薬、医療品を詰め込んでおく。外に出したら約30kgある筈なのに、本当に重さは入れてない時と変わらなかった。
執務室を出て食堂で食事を済まし、屋上のヘリポートへと向かう。そこには、サイカがいた。
サイカ:「お待ちしておりました、カズト様。」
カズト:「ああ、現地に潜入している工作員からの情報は?」
サイカ:「はい、予定の LZにて、待機するとの事です」
カズト:「あっちの奴は通信機を持っているのか?」
サイカ:「はい、護身用としてベレッタM92も持しております」
カズト:「なら早い。工作員との通信チャンネルを3chにする。伝えておいてくれ」
サイカ:「わかりました。くれぐれもお気をつけ下さい。任務期間は一ヶ月となっておりますのでそれ以上に帰ってこなかったら捜索部隊を出動させますからね?」
カズト:「あ、ああ。大丈夫だよ」
サイカ:「それでは、行ってらっしゃいませ」
カズト:「ああ、行ってくる」
サイカがヘリのパイロットに人差し指を天井に向けながらくるくる回す仕草を見せる。これは、ヘリを飛ばせという合図だ。
そしてカズトはヘリに乗ってまた、ボッザーの街へと戻るのだった。
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ボッザーの街から約4km地点の LZで降りる事となった。予定通り、工作員と連絡を取り合い、難なく着いた。
工作員:「おはようございます、カズト様。早速ですが私が案内させていただきます。陸軍諜報機関、第二偵察部隊の隊長を務めさせていただいているナミアと申します」
いかにも冒険者らしい格好をしているのは、彼女にカズトが支給品として配給していたからだ。初心者の冒険者が大層な装備品を持っているはずもない。
なら、初心者だったらこれくらいの武器だろうという事で服、武器などを低いレベルで用意したのだが、まだ使っている事にカズトは驚いた。
それに、剣を見るからにナミアは前衛だとわかるし、一ヶ月とは言えかなり使い込んでるようにも見えた。
刃がボロボロというわけでなく寧ろ綺麗に整っている。だが、渡した当時よりも剣が細くなっているという事は砥石か何かで砥いでいたのだろう。
カズト:「まだ支給品を使っていたのか、不自由じゃないのか?」
ナミア:「そんな事ありません!私達にとって造物主であるカズト様から貰えたものは、例え支給品とは言え、かけがえのない宝となるのです! それこそ、この武器も最初は私の家宝としようとしていましたが、それだと戦う手段が少なくなるので止むを得ず使っているのです!」
と、やや興奮気味にナミアは言った。
ナミア:「それに、これはそこら辺のゴブリンを斬って磨り減ったわけではありません!ここら辺では強いと言われてるウルフマンや、オーガなどの防御力が高く、装甲の厚い魔物を斬ってばかりなのでこうなったんです」
ナミア:「後、報告書にも書いてあったと思いますが支給された武器のユニーク度は、特級クラス。確かにサラジュでは弱い部類に入りますが、ここでは主な魔物が初級クラスから精々上級クラスなんです。この武器でもオーバーキルですよ」
と、腰にある剣に手をつける。
カズト:「まぁ弱かったよりはいいだろう。それより街に案内してくれ」
ナミア:「わかりました。それでは道中案内させていただきます」
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検問所に着いた。
やはりカズトの装備は人一倍目立っていて、周りから好奇な目で見られる事が多い。特に検問の時に順番待ちの時は目立っていた。
兵士A:「止まれ、何者だ!」
と、ビクつきながらも勢いのある声を出す。
ナミア:「彼は私の連れ何です。私が彼の事を保証しますので通しては頂けないでしょうか?」
兵士A:「あ、貴方は今有名なナミアさんですか!...むぅ、わかりました。ですがこれはして下さい」
と、何やら水晶の様なものを取り出した。
兵士A:「これは、今迄に私たちが犯罪だと言われる行為をしたかどうか分かる物です。これに数滴血を垂らして欲しいのですが、良いですね?」
わかった、という意思表示の為カズトは頷く。一応、手の指部分は日本のSATの様に簡単に取り外しができる様になっている。なので、血を垂らすためにわざわざ装備品を外すという事はない。
血を垂らして結果を待つ。
兵士A:「はい、大丈夫ですね。ナミアさんの方は冒険者カードがあると思いますが、そこの方はなさそうなので、銅貨5枚もらう事になっています」
一応、カズトの名前の入った冒険者カードはあるが、この装備では目立つ事をする為敢えて他の人になりすます事にしたのだ。
銅貨5枚を渡し、中に入る。
カズト:「そう言えば、ナミアは結構有名なのか?」
検問所にいた兵士たちはナミアの事をわかっている様だっので聞いてみることにした。
ナミア:「はい、確か短期間でCランクまで上り詰めたのが珍しいんだと思われます」
カズト:「ふーん、そんなものか。他の工作員は上手くやっているか?」
ナミア:「はい、支給品として渡された仮面を使い、定時の時刻に連絡を取り合っています。勿論、その時には見られていない様にしています」
最初に渡してある仮面は、ゲーム時代に全員に付けていた仮面の事だ。恐らく念話の役割をする『コレスポンデンス』を使って話をしていたのであろう。
道中、ナミアと話し合っているとギルドが見えてきた。
ナミア:「着きました。これがギルドです」
一度この中に入った事があるので分かるが、敢えて言わない。
カズト:「では、これから軍事的示威表示の任務に則って、ギルドに加入。そして少しばかり名を上げようかね」
そう呟きながらギルドの中へと入っていくのだった。
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服の装備についてイマイチ想像できないという人はキルゾーンを調べてみてください。だいたいあんな感じを作者はイメージしています。




