陸軍 訓練風景
今日は2話投稿です
理由は来週投稿できない可能性があるためです
27話
午後、カズト達はまず軍事エリアへと向かった。陸軍用戦闘服を着けた兵士に案内されたのは陸軍の VR訓練室だ。その中でも、VR機器の一つ一つを監視する部屋に入った。VRの世界では、弾薬を消費しない、何も壊れない、怪我をしないといった利点がある。
今更だが、どの軍にも300体ほどしかおらず、しかも男女比が1:9という事にはカズトも驚いた。ものの見事に300体のうち290体が女性型のホムンクルスであり、残りがやっと男性型だ。
基本、ファイブマンセルを1個小隊として行動させるように指示を出しているので訓練ではそのように行動していた。
今回の訓練内容の説明・補佐を担当するというナガタ中佐が今回の訓練内容について教えてくれた。勿論、女性である。
訓練内容は、室内制圧戦。3個小隊プラス特別小隊の4個小隊からなる部隊で、3階建ての建物を制圧すると言う内容だ。尚、ここでの特別小隊とは、 狙撃手と、 観測者の2人から成る部隊だ。この部隊は3個小隊よりも遠く離れた所で狙撃する。
場所は市街で、そこの一つの建物を制圧する。
仮想敵の武装は、カズトが見てきた騎士や魔法騎士を中心として、剣や斧といった近接武器と弓、特級以下の魔法を使える魔法騎士を配置した。
3個小隊を順に A、 B、 C、特別小隊は Dと、簡単に決める。
今回のそれぞれの部隊の役割はA隊は、室内制圧。B隊は、別方向からの制圧。C隊は、敵の増援の監視または、部隊の援護だ。勿論、D隊も援護であるが、戦況の把握と言う役も担っている。
1個小隊の主な役割は、 分隊長、副官、小銃手、SAW手、擲弾手の構成である。
小隊の内容によって、 擲弾手を選抜射手に変えることもある。
だが今回は制圧なのでそこら辺の役割はあまり意味がない。
A部隊は制圧なので主武装はサブマシンガンのMP7。
Bは通常装備であるM4カービン。Cは、作戦内容が遠距離の場合が多いのでM4カービンと、 選抜射手を配置させる。 選抜射手の主武装は、SDM-Rだ。服装については、市街なので灰色系統の戦闘服に、ニーパッドや、バラクラバを付けてレーダーヘルメットを被っている。見た感じアメリカ軍のハイテク部隊だ。
ナガタ中佐:「もうそろそろで、訓練が始まります」
カズトたちは、VRの世界なのでどの方向からでも見える。それこそ兵士の視点にでも変えることが出来れば、敵兵士の視点に変えることもできる。
あらかじめ、9人には陸、海、空のどちらかの軍に入ってもらうと言っているのでみんなの表情は真剣だ。
ナガタ中佐が手元のマイクを使って「始めろ」という。どうやら、あちらに聞こえるように出来るらしい。
まずは、 Dが目標から約2km離れた所の5階建てほどの建物の中へと入る。屋上から出て来た2人の内 狙撃手はバレットM82A1の組み立てを。 観測者は、双眼鏡を使って敵の位置を把握して各チームに報告している。
Dスポッター:〈各チーム、こちら D。屋上に魔法騎士2名。3階から1階までは不明、目標正門側に騎士3名、魔法騎士3名。こちらからでは裏門は確認出来ない。制圧開始の合図はこちらからの狙撃と同時に開始する。予定位置につき次第、報告をしろ。オーバー〉
Aコマンダー:〈こちら、 A了解。アウト〉
Bコマンダー:〈こちら、 B了解。アウト〉
Cコマンダー:〈こちら、 C了解。アウト〉
カズト:「順調のようだな。仮想敵の数はどのくらいだ?」
そう、カズトはナガタ中佐に問う。
ナガタ中佐:「はっ、今回の仮想敵は近接武器を使う騎士と、魔法を使う魔法騎士を各、10名の20名を配置させました」
カズト:「じゃあわからないのは後12名か。各階に大体4人って所か」
ナガタ中佐:「はっ、その通りとなっております」
カズトとナガタ中佐が話している間に各チームが準備についた。
Dスポッター:〈各チームの報告を確認。合図を待て。アウト〉
Dスポッター:「調子はどうだ」
コマンダーは 伏射の体勢に入っているスナイパーに声をかけた。
Dスナイパー:「いつでも行けます」
Dスポッター「そうか右魔法騎士 心臓撃ち、狙え」
Dスポッター「撃て」
ドゴォンっと銃独特の音が鳴り響く。
Dスポッター:「ヒット。 続いて左魔法騎士...」
Aコマンダー:「よし、合図が出た!突入!」
騎士A:「な、なんだ!?」
魔法騎士A:「敵襲ぅ!がはっ!」
Aコマンダー:「魔法騎士を優先的に狙え!」
騎士A:「侵入者を打ちのめせ!」
Aライフルマン:「RPG!」
Aコマンダー:「ちっ!全員横に飛べ!」
RPGと、 小銃手が言うが、実際は直径約60cmのファイアボールだった。RPGの威力はなかったが、それでも負傷を負うには十分な火力を持っていたとみられた。
カズト:(ふむ、なかなか良い判断だ。それにしても気になる事が出来たな)
カズトが今気になっている事とはズバリ、レベルによる防御面の問題である。
まず、ゲーム時代は自分がレベル300の場合。相手が素手による攻撃ならレベル150以上ないとダメージは通らないし、武器はレアリティが王級以上で武器レベルが7以上でないと中々いいダメージは得られない。
カズト:(この訓練が終わった後でもいいな。この問題は)
そう考え、終了間近の訓練に再び意識を戻した。
Aコマンダー:「状況報告!」
Aオフィサー:「クリア!」
Aライフルマン:「クリア!」
Aガンナー:「クリア!」
Aグレネーダー:「クリア!」
Aコマンダー:「よし、建物内に突入する!」
Bコマンダー:「俺らは Aチームの1階制圧の後建物内に入る!」
Cコマンダー:「2人は敵増援の監視。俺たちは建物外に留まり待機だ」
Aコマンダー:「ちっ、鍵がかかっている!爆破するぞ!」
爆弾をセットし、扉を爆破し、爆破と同時に突入するが。
Aコマンダー:「がっ!動けん、魔法か!」
案の定、下に拘束魔法『アースバインド』がかかっていた。
魔法騎士F:「火の精霊よ我が敵を討ち滅ぼせ『ファイ...」
Aコマンダー:「目ぇ閉じろ!耳を塞げ!うぉら!」
コマンダーが投げたのは閃光手榴弾だった。
バァン!と、とてつもない騒音が鳴り響いた。
魔法騎士F:「ああぁ!くそっ何も見えん!」
Aオフィサー:「制圧しろ!」
それからの兵士たちの行動は早かった。1階を制圧した後は Bチームがやってきて2階、3階と共に制圧した。
カズト:「うん、兵士たちの掛け声は見事だった。しかし、魔法騎士がいるのに魔法の事を気にしていなかったのが欠点だな」
ナガタ中佐:「これから精進していきたいと思います!」
カズト:「ああ、頑張ってくれ」
カズトが室内時計を見るともう6時を回っていた。
カズト:「今日はこんなものだろう。皆んな帰るぞ」
そう言い、カズトが皆んなの方向へ目を向けると唖然とした表情だった。
カズト:「どうした?」
クロード:「え、いや、あの...さっきの敵、確かガレンツ王国の王族近衛騎士団ですよね?」
カズト:「ガレンツ王国って、一昨日までいた所なら当たってるぞ。確か助けた奴が姫様だったからな」
クロード:「あの、ガレンツの近衛騎士団って結構強い人って聞いたんですけど...」
カズト:「...え?」
その時なんとも言えない空気が室内に広がった。
この空気を意訳すると、弱すぎじゃね?である。
総合評価345pt!
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