クロードの思い
クロード君カッコいいですね。
12話
side:クロード
「んっ、ここは?」
いつの間にか僕は眠っていたのか。
「ん、何だろうこれ?柔らかい」
下に敷いてあるものはベットの代わりにか何かの様なものなのかな?
枕も家にあった物より柔らかいし、これは毛布でいいのかな?これも触り心地がいい...って!
「これ物凄く高いものなんじゃ!」
そう思い僕はガバッと飛び上がった。
ふと辺りを見回すと皆んな寝ている。よく見ると、自分と同じ物を皆んな被っているようだ。
「これを皆んなに?」
そう呟きながら布団と毛布を見る。
この世界の文化では、ベットは固く毛布も厚手の物で被ると重く感じた。
こんな凄い物を奴隷に使わすって...もしかして凄いお金持ち? いや、もうそんな事はどうでもいいや。
取り敢えず、僕はご主人様に一生ついていくって決めたんだから。
もう一回眠ろうかとも考えたが目が冴えてるので起きる事にした。
「んー、風にでも当たってこようかな」
そう思いドアから出ようと思ったが、
「あ、考えたら僕裸足なんだ。今行って帰ってくる時に汚くしたら怒られるかもしれないから止めておこう」
うーん、皆んなが寝てる所に起きたままでも気を使うし、食堂にでも行ってみようかな?
そう思いクロードは食堂へと向かった。
食堂へと向かう時、風呂場、居間、食堂の順に通る。
なのでもう一回皆んなの様子を確認しようと居間を覗くと、意外にも皆んな起きていた。
「あれ?皆んな起きたの?」
「あ、お兄ちゃん!」
と、僕の妹のセリア。
「あら、クロードって言ってたっけ?私達より早く起きてたのね?」
と、確かハイエルフのネルだった筈だ...が言う。
「えーと、ネルだったっけ?まぁ風にでも当たってこようかなと思ってたんだけど今は裸足だから行かない事にしてたんだ」
皆んなあの奴隷商の元にいたがあまりお互いの事は知らない。
何故なら一人一人に檻に入っていたから。唯一僕は来た時に暴れてたから僕の種族ぐらいは皆んな知っていると思うけど。
まぁさっきご主人様の前でお互いの自己紹介はしたので全員の名前は覚えている。
「ふーん、まぁいいわ」
と、ネル。
「ねぇねぇ!所でさ、私たちのご主人様について皆んなどう思ってる?それぞれ言ってみない?」
と、確か猫人族のカヤが言う。
「いいよ、僕はどうしたいか決めてるし」
と、僕が言った。
「じゃあ、クロードから宜しく!」
「いいよ、僕が吸血鬼って事は皆んな知ってるよね」
うんうん、と皆んなが頷く。
「そりゃあれだけ暴れて、大声出してたらね」
「まぁそこは置いといて、僕と妹は吸血鬼達が住んでいる所の中でも高いステータスの持ち主でね。
持て囃されてたんだけどある時人間が攻めてきてねそこで両親を殺されて発狂して敵を殺しまくったら色々と食らってね。
絶体絶命って時に父さんが魔法でどっかの森に飛ばしてくれたんだ。
その時は奴隷商の元にたどり着いた時の傷よりはマシだったんだけどそれでも瀕死で、人間に捕まってね。
あそこに行く途中で魔物に襲われてまた怪我して奴隷商の元に着く頃には、あんな傷でさ。
それでも人間に対する復讐心があったから生き残ろうとしたんだ。それも続かなくてねご主人様に変われようとする頃にはどうでもよくなったんだよ。
そしてあの檻の中で自分1人だけって思うと怖くなってね。しかもあの奴隷商、僕らに酷い事ばっかりしてたでしょ?
何か「亜人種は汚いんだよ!」とか、
「お前らみたいな役立たずは早く死ね!」とか言いながら殴ってきてたでしょ?」
僕の言葉に皆んながうんうんと頷く。
中には思い出したようで今にでも泣き出しそうな子もいた。
「それもあってかいつの間にか復讐心より恐怖心が勝っていたよ。
でも、ご主人様の『要は、俺はお前らを亜人種だからって差別なんてしないし、捨てない。それだけだ!』って言葉。
あれが一番心にきてね。そしてあのすごい回復魔法!何か心があったかくなるような感じがしてね。
復讐心も恐怖心もどっかに飛んで行っていつの間にかこの人の支えになりたいって思ったんだ...これが僕のご主人様に対する思いだよ!」
「あ、やっぱりあの言葉はいいよね!私もグッときたわー!」
と、カヤ。どうやら他の皆んなも同じようだ。
「というかクロードは真面目だねぇ私は今のご主人様が好きか嫌いかいうだけでよかったのに。わざわざ理由まで行っちゃうんだもん」
と、カヤ。
「まぁ一生ついていきたいって思ってるからね」
と、僕が。
「あっ、お兄ちゃんも同じ事考えてたの?セリアもだよ!」
セリアも同じ考えだったようだ。
「わ、私も...」
と、さっき奴隷商の話で泣きそうになっていた。気の弱そうな兎人族のキノが言う。
「なぁなぁ、カズトの兄貴について思う事は俺も同じ事だけどよ。腹減ってないか?」
と、ドワーフのジェイクが言った。
「んー、確かにでも勝手に食べられたら怒られるよ?」
と、カヤ。
「クンクン、どうやらそうでもないみたい」
と、今まで黙っていたリーシャ。
「スンスン、あっ、本当だ〜いい匂いがする〜!」
と、今度は犬人族のアイが言った。
「なにっ!本当か?どこからだ?」
と、今にでも食べたそうな顔をしているジェイク。
「フンフン、この匂いはさっきご主人様と一緒に食べた場所かな?」
と、今度は狐人族のソフィが。
「よしっ、さっき食べた場所だな!」
「あっ、行っちゃダメだろジェイク!」
咄嗟に僕が止める。
「あっ何すんだよぉクロード」
「あっ、じゃない。あっ、じゃ。ダメだろ勝手に食べ物食べたら」
「うっ、でもよぉ〜クロード。俺は腹減ったんだよ」
「我慢しなさい。多分明日ご主人様が用意してくれるはずだから」
「...俺の直感が告げている!その食べ物は食べてもいいものだと!だから俺は行く!」
「あっこら!はぁ、追いかけないと」
先に着いたのはやはりジェイクでテーブルの上には九つの皿があり何か透明なもので包まれていました。
「何だこの透明なものは?ん、何か書かれてるぞ?」
どうやらジェイクは読めないようです。
「ジェイク、それ貸してご覧僕は読めるから」
「おっマジ!じゃあ読んでくれ」
「えーと、え、嘘」
そこには平仮名と片仮名で『腹が減ったら皆んなで食べろ』と書かれていました。
よく見ると先程食べたとても美味しい料理でした。
「あー、良かったねジェイク。その皿に乗ってるもの一つずつ僕らが食べていいって」
「本当か!...よっしゃ変なの剥がれた!頂きます!」
「はぁ」
ジェイクの食いっぷりに思わずため息が出ましたが、僕も、多分部屋に残してきた皆んなもお腹が空いてるはずなので呼ぶ事にしました。
「その皿の以外は食べるなよ!」
「わかってるって!」
部屋に戻ってから僕はご主人様の事を話し皆んなを食堂へと連れて行きました。
「「「「「「「「頂きます!」」」」」」」」
僕らは、ご主人様が教えてくれたハンバーグと言うものを食べていました。
「はぁ、まさかこんなに美味しいものを2回も食べられるとは、もうご主人様に死ねと言われても死ねるよー」
と、物騒な事を言うのはカヤ。美味しいという事を口に表現するのはいいけど物騒なものはやめて欲しい。そう思ったんですが。
「セリアは最初から死んでもいいって思ってたよ!」
と、上乗せしてきました。
「はぁ、そんな物騒な事言ってないで一生尽くすとかそれぐらいでいいでしょう?」
と、ネル。
「えー、それだと当たり前じゃん」
と、カヤ。
「じゃ、じゃあ身も心も尽くすとかどうです?」
と、気の弱そうなキノ。
「おっいいねぇ、心はもう尽くしてるつもりだけど身はどうしたらいいんだろう」
「如何なる時も危ない人からご主人様の身を守るとか」
と、リーシャ。
「リーシャ、それいい考えだよ!」
などと食事はご主人様を話題にした話で盛り上がりました。
さぁ、そろそろ9人達を訓練させますよ!
最初は部隊を作り、目指せ軍隊!
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こんな銃あったらいいな。こんな魔法あったらいいな。というものがあれば感想欄にでも書いていただけると嬉しいです。
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