悪意と誘惑
この世は本当に人の悪意に満ちている
人の悪意は無知と強い結びつきがあり
その無知という名の隙に難なく入りこむのが
人が元来持っている純粋な悪魔的な性質であろう
いわゆる人の悪意に対する盾となる武器だ
意味をまだ知らない努力を
すべて奇跡や割に合った報酬のためにしていて
そこに苦しみがないのなら
その努力は至極悪魔的な要素に満ちていると
私はこの身を持ってよく心得ている
だけど
言いたいことを言わずに我慢していても
目の敵にされて唾を吐かれ
人間らしい節度を持って生きよなど誰にも命令せず
自分の重荷をただ素直に受け入れていても
踏みにじられるなんて
ただなんかもう
この世の有様が悲しいと感じざるをえない
分からなければ排除
実感が湧かなきゃさようなら
自分の歪んだモノサシでしか人を見れない可哀想な人ばかり
でも結局のところは
そういう人は不幸を自分でおびき寄せているんだろう
そして私は思う
今私は本来の自分を取り戻しながら
ゆっくりと目を閉じて
私を陥れる悪い誘惑の感触と
記憶の中のソレと
照合するのである