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入学

文字数少なくて申し訳ない……




 あれから十年の月日が流れ、俺は十七になった。あの日のお茶会の後、マーガレット様の希望で執事をクビになった俺はベンバートン家の使用人として日々を送っていた。


 よく晴れた五月の木曜のことだった。その日はクレイグ様から呼び出されクレイグ様の書斎へと呼び出された。

 (普段ならアントニーさんから俺に要件を伝えるのに……一体なんの用なのだろう。)


 俺が書斎の近くまで来ると、書斎の中からクレイグ様の怒号が聞こえてきた。

「ふざけるな、あのバカ王子!!」


 俺は慌てることなく、いつものように三回ノックをしてクレイグ様の返事を待ち、返事が返ってくると扉を開け中へ入った。

「失礼します。」


「……ケニー。忙しい中呼び出してすまなかった。座ってくれ。」


 クレイグ様の前に用意された椅子に座った。

 「早速本題に入ろう。マーガレットが学園に通っているのは知っているな?」


「もちろん知っています。」

 

 レルネン学園。貴族と平民が共に学ぶことを実現した、現国王ケネス・アルベルトにより考案された学園。だがその実態は貴族と平民は別々の校舎で兵士になるための授業や魔法の授業を受けている。


「その学園でマーガレットが下級生をいじめていたと連絡がきた。」


「まさか!マーガレット様がそんなこと!」


「あぁ、するわけが無い。だが、ロルフ様はそうは思わなかったようだ。マーガレットがいじめをしていたと決

めつけ婚約破棄の申し出が届いた。」


「……!」


「マーガレットはロルフ様のために変わろうと努力していた……それをあいつは……!!」


 マーガレット様がロルフ様のために努力していたのは気づいていた。ロルフ様とのお茶会へ向かう度にロルフ様の好みに合わせ髪型や服装を変え努力していた。クレイグ様から聞いたわけではないが恐らく口数が少なくなったというのも「静かな女性がタイプ」とでも言われたのだろう。


「……クレイグ様落ち着いてください。」


 後ろに立つアントニーがクレイグの背中そっと手を置いた。

「あぁ……分かってる。話を戻そう。この一連の騒動でマーガレットに同行していたメイドが学校から逃げたらしい。そこでケニー・ボーマン、お前には学園に執事として入学してもらう。」


「かしこまりました。」


「即答か……相変わらずだな。分かっているのか?恐らく嫌がらせを受けることになるんだぞ?」


「承知の上です。それに今のマーガレット様には誰かがそばにいて支えなくては。」


「そうだな……お前がいてくれて本当によかったよ。」



 一ヶ月後

「はじめまして私の名前はケニー・ボーマン。マーガレット様の執事です。」


 


 

 

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