ロルフ・アルベルト
実はこの作品学園モノなんです。次回から一気に成長して学園モノになります
ロルフ・アルベルト
あれから数ヶ月、マーガレット様の使用人としての日々が続き中が少し深まった頃、マーガレット様の婚約者の第二王子、ロルフ・アルベルト様とのお茶会に同行することとなった。
「よく来たなマーガレット……おい、後ろの男はなんだ?」
「彼は新しい使用人のケニーです。ケニー挨拶を。」
俺はマーガレット様に軽く頷き一歩前にでる。
「しばらくの間マーガレット様の使用人を務めさせていただいております、ケニー・ボーマンです。」
ロルフ様は明ら様に不機嫌な表情になりマーガレット様に怒りをぶつけた。
「そんなことは聞いていない!どうして使用人が男に変わっていると聞いている!」
「……これはお父様が勝手に。」
「……まぁいい!着いてこい、茶会の席まで案内する。」
(男……それも同年代の使用人なのが気に触ったのだろう、帰り次第クレイグ様と相談しなくては……。)
「ペトラ茶を入れろ。」
「……かしこまりました」
ロルフ様の命令で付き人のメイド……ペトラさんが二人に慣れた手つきで紅茶を入れた。
「俺たちは今から婚約者同士二人で大事な話をする。お前たち二人は声の聞こえない場所まで離れていろ。」
「かしこまりました。」
頭を下げ離れていくペトラさんの背後を俺は仕方なく着いていった。
「ケニー様、ロルフ様が大変失礼をいたしました。」
ロルフ様たちから離れた場所でペトラさんが二人に聞こえない声で俺に謝罪をした。
「気にしないでください、私は大丈夫です。ただマーガレット様には恥をかかせてしまいました。」
「…………ご存知とは思いますが、ロルフ様は後継者としては期待されておりません。」
(アントニーさんから聞いたことがある。王家には三人の王子がいると。長男のルーカス・アルベルト様は文武両道、才色兼備そんな言葉を使っても足りないほど完璧な人物。)
(次男のロルフ・アルベルト様。ロルフ様からはいい噂を聞かない。傍若無人、厚顔無恥、影では様々な悪い言葉で言い表されている。)
(そして三男のテオ・アルベルト様。テオ様はまだ生まれてばかりで期待をされている。ロルフ様ではルーカス様に勝てないと思った、反ルーカス様の貴族たちは既にテオ様に鞍替えをしているようだ)
「優秀すぎる兄を持ったばかりに、期待はずれと貶され誰の目にも止まらなくなった、ロルフ様なりの必死の抵抗があの性格なのです……。」
「…………私はベンバートン家の使用人です。ロルフ様が
どのような方であっても主の意向に従うまでです。」
「……そうですね。失礼しました、まだ幼いのにしっかりしているのですね。」
そう言いペトラさんは小さく笑ってみせた。
「そろそろカップの紅茶が無くなる頃ですね。ケニー様はここにいてください。私が紅茶を注いで来るので。」
俺はその後もマーガレット様から目を離さず、二人のお茶会を見守った。
「本日は美味しいお菓子と紅茶をありがとうございました。」
「気にするな。それとマーガレット、その執事は変えろ。どうにも気に入らん。」
「……かしこまりました。」
こうして二人のお茶会は幕を閉じた。




